2023年生産分の「ID.4」が日本上陸! 広報車が用意されたということで、“Launch Edition”じゃない「ID.4 Lite」と「ID.4 Pro」をさっそく試乗しました!

画像1: 【ID.4はじめました】第36回 「ID.4 Lite」に初試乗!

以前お伝えしたとおり、2023年生産分の「ID.4」がこの夏に始まりました。カタログ上の装備は導入記念モデルのLaunch Editionと同じですが、ソフトウェアなどの改良で、航続距離が伸延(Lite:388→435km / Pro:561→618km)となっています。

ID.4 Liteの走りに不満なし

まずはベーシックなID.4 Liteをチェック。日本導入直後には広報車(メディア向けの試乗車)が用意さなれかったため、今回が初試乗になります。ID.4 Proと比べると、デザインや装備がいろいろと違っていました。

たとえば……エクステリアでは、黒いホイールキャップが付く18インチスチールホイールと、黒いリヤピラーのパネルが装着されるのがわかりやすい違いです。さらに細かいところでは、ルーフレールがブラックだったり、ヘッドライトやテールライトのデザインが違っていたり……。

ID.4 Proに搭載されるパワーテールゲートは省略され、また、ID.4 Proでは荷室のフロアが2段階に高さ調節できるのに対して、ID.4 LIteではその機能がありません。

ID.4 Liteのインテリアは、見た目はID.4 Proとほとんど変わりませんが、センターディスプレイはID.4 Proの12インチからひとまわり小さい10インチへと変更されています。ID.4 Proに標準装着される「フォルクスワーゲンサウンドシステム」が搭載されないため、ID.4 Proに比べるとサウンドが少し物足りない印象です。

前席はポジション調節が手動になり、パワーランバーサポートやシートマッサージ機能が省かれました。さらに細かいところでは、電動リモコンドアミラーはリバース連動機能が省略されました。使い慣れた機能がないと不便ですね……。

個人的に残念なのが、LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”が搭載されないこと。IQ.LIGHTはハイビームが多用できるのはもちろんですが、ロービームの状態でも明るく見やすいのです。

そして、ACCの機能にも違いがありました。“Travel Assist”対応のID.4 Proでは、ACCを使用中に先行車が停止した場合、約60秒以内なら先行車の再スタートにあわせて自車も自動で発進します。一方、“Travel Assist”非対応のID.4 Liteではその時間が約10秒に短縮されます。もちろん、“RES”スイッチやアクセルペダルを操作すれば再スタートできますが、激しい渋滞で頻繁に再スタートの操作をするのは面倒でした。オプションでもいいので、IQ.LIGHTとTravel Assistは選べるようにしてほしいものです。

一方、ID.4 Liteの走りは、ID.4 Proに対して25kW控えめな125kWの電気モーターを搭載するぶん多少勢いは劣りますが、車両重量が190kg軽いこともあって十分な加速を見せてくれます。日本の道路環境なら不満はないでしょう。乗り心地も、ID.4 Proより2インチ小さい235/60R18を装着するおかげで、ID.4 Pro以上に快適でした。

気になる電費については、ACCを使って高速を100km/h巡航したときが6.7km/kWh、比較的空いている郊外の一般道を走行したときがなんと9.1km/kWhでした! 数日後にほぼ同じルートをID.4 Proで走行したときのデータがそれぞれ6.0km/kWhと7.5km/kWhでしたので、ID.4 Liteのほうが1割程度電費が良い計算になります。ただ、バッテリーの搭載量は、ID.4 Proが77kWであるのに対して、ID.4 Liteは52kWと少なく、満充電の状態で借り出したときの航続距離が305kmとやや少なめ。近距離移動がほとんどでたまに長距離移動するという人ならID.4 Liteで十分だと思いますが、長距離移動が多い人はID.4 Proのほうが安心でしょう。

これまでのどおりのID.4 Pro

前述のとおり、ID.4 Proはソフトウェアなどの改良で、航続距離が561kmから618kmに伸びましたが、実際に運転したときの印象はID.4 Pro Launch Editionと変わりませんでした。実際の電費も違いは誤差の範囲でした。

画像: 新色のキングスレッドメタリックをまとうID.4 Pro

新色のキングスレッドメタリックをまとうID.4 Pro

違いといえば、サスペンションの動きがよりしなやかになり、乗り心地が少し良くなったかなと思える程度です。細かいところでは、なぜかセンターコンソールの仕切りが2個から1個に減っています。

画像: これまでのどおりのID.4 Pro

試乗を終えて、どこかホッとしているID.4 Pro Launch Editionのオーナーは私です(笑)

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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