■Golf Caddy ■3D print ■1/64
この度、2台のVWを個人輸入しました。
ドイツからは、Golf1 のピックアップトラック版であるCaddyを、オーストリアからは、そのCaddyをベースにしたキャンピングカーを輸入しました。
きっかけは8年前。
偶然目にしたゴルフ顔のキャンピングカーの写真に一目惚れし、以来ずっと探していたのですが、40年も前のクルマだし、ネットにも情報がほとんどありませんでした。
当然売り物など出ているはずもなく、実物を手に入れるのはほぼ不可能、と思い至りベース車となるCaddyを手に入れて自作しようと動いていたのです。
ところが、オーストリアの知人からCaddyを買うことにして、その輸入のためにコンテナを手配していたところに、なんとこのキャンピングカーが売りに出た...というミラクルな展開。
行きがかり上2台を輸入することに相成りました。
実車を手に入れると、ミニチュアが欲しくなるのは必然……。
ごちゃまぜに書くとややこしいので、その2台について別々に書きます。
まず、ベースにしようとしていた素のCaddyの方は、色違いのドアやフェンダーがついたチャーミングな姿で上陸。
実はこのCaddyは、全部バラされてシャシーの状態で20年間倉庫に眠っていました。
サビがまったくない奇跡のシャシーが売りなのですが、そのまま輸入してしまうと「自動車として登録できない」という通関上の壁があって、一度クルマの姿に戻してもらったという経緯があります。外装に関してはどうせレストアするので、ストックされていた他のGolfのボディパネルをまとってやってきました。
最終的にはきちんとした純正ボディカラーに塗ってもらうので、このパッチワーク姿はミニチュアで残そうと、3Dプリンターで作ったモデルに着色しました。
Caddyキャンパーの方は、ドイツのBischofberger(ビショフベルガー)が14台だけ作ったたというかなりマイナーなクルマ。当然ミニチュアカーが存在するわけでもなく、こちらも3Dプリンターで作成。
初めはタイヤまで一体化して造形したのですが、色の塗り分けが大変なのでタイヤとフロントグリルは別パーツにしています。この丸みを帯びたキャンパーシェルが、ベースのCaddyとスムーズに一体化しているスタイルがとても魅力的で、ポップアップルーフをあげると室内はかなり広く、ベッドは4人分!あります。
こちらの実車はディーゼルエンジンだったため、目下、ガソリンエンジンに換装中です。
まだまだ、ナンバーを取って自由に走れるまでには時間がかかりますが、大好きな初代Golfをベースにしたキャンピングカー、焦らずレストアしていきたいと思います。
ミニチュアは一人で完成できますが、1/1はそうは行きません。
Caddyは兵庫県尼崎市のVW認定工場「中央自動車鈑金工業所」さんで、純正塗料”R-M”メーカーのBASFさんと、ドライアイス洗浄のグリーンテックさんのご協力を得てレストアが始まっています。
Caddyキャンパーの方は、大阪府茨木市の 空冷VWショップCHELMさんが、移植用エンジンが動かない!という想定外の事態と格闘中。
こうしてつながる人の縁もまた、VWがもたらしてくれたかけがえのないもの。
たくさんの人に感謝です。
das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。