「ID.TREFFEN 2023」に参加中のID.4オーナーに直撃インタビュー。ID.4のお気に入りのポイントと不満な点をうかがいました。
9月8日、9日の2日間、ヨーロッパ各地から「ID.ファミリー」のオーナーが集う「ID.TREFFEN」を訪れたことは、以前ブログで紹介しました。その際、私と同じID.4に乗るオーナー2人に、話をうかがうことができました。
ティモ・ヴェルトマンさん
ひとり目はスイス・チューリッヒからID.TREFFENに参加したティモ・ヴェルトマンさん。ボディカラーが私と同じ“ブルーダスクメタリック”のID.4をお乗りで、とても親近感を覚えます(笑) 所有しているのは「ID.4 1st Edition Pro Performance」。「あと1週間早く注文していたら、地元でいちばんに納車されたみたいで、それが少し悔しいです」と笑いながら教えてくれました。
ティモさんにとってはこのID.4が初めてのEVではありません。「以前からEモビリティに興味を持っていて、これまでジャガーI-PACEをはじめEVを数台乗り継いできました」。ちなみに、スイスではEV購入補助金制度はなく、それでも自ら進んでEVを選んできたといいます。
そして辿り着いたのがID.4でした。「先に発売されたID.3は、家族で使うには小さく、その点、ID.4は室内が広いのでわが家にはピッタリでした。購入にあたってはライバルと徹底的に比較し、サイズと価格がID.4を選ぶ決め手になりました」。
18歳で初めて手に入れたクルマがGolfだったというティモさんですが、ID.4を買うにあたってはフォルクスワーゲンブランドにこだわりはなかったそうです。「クルマとしてこのID.4が気に入ったから選びました」と、冷静な判断でID.4を手に入れたことがわかります。
そんなティモさんにID.4のお気に入りのポイントをうかがうと、「一番のお気に入りは丸みを帯びたフォルムです。このID.4に乗りはじめて約3年になりますが、いまもその印象は変わりませんし、いまだに家のガレージに停まっているID.4を見るたびに、きれいなデザインだと惚れ惚れしますよ(笑)」と笑みを浮かべます。
もちろん、EVとしてのID.4にも日々魅力を感じているそうで、「EV専用設計のID.4は室内が広く、また、走行時の静粛性がきわめて高いのがいいですね。とくに静粛性の高さは特筆すべき美点で、フォルクスワーゲンはもっとこの点をアピールすべきだと思います。このID.4で走り回ることが多い私にとっては、サービスネットワークが充実している安心感も、フォルクスワーゲンのID.4を選んで良かったと感じるポイントです」。
一方、ID.4の不満な部分をたずねると、「それなりの価格のクルマなので、インテリアにはもう少し高級感がほしいですね。車両のソフトウェアも改善してほしい部分がいくつかあります。たとえば、急速充電が最高125kWと低めだったのも不満のひとつでした。ただ、これについては最近のアップデートで175kWになりましたが、もう少し早く対応してくれたらよかったのに……。それでも最終的に改善されて、いまは満足しています」。
航続距離に関しては、「仕事やプライベートで一度に400km程度移動することが多く、そうなると途中で少なくとも1回は充電が必要になるのも不満といえば不満です。その点、最近発表された『ID.7』は航続距離が長いので、セダンに続いて『ID.7 Variant』が発売されたら、乗り換えたいですね(笑)」。
ID.4を所有したことで、すっかりフォルクスワーゲンファンになってしまったティモさんでした。
デュブラック・マルクスさん
ふたり目はドイツ・ハノーファーからスイス・ノカルノまで、はるばる1,000kmの道のりを駆けつけたデュブラック・マルクスさん。日本未導入のハイパフォーマンス4WDモデル「ID.4 GTX」が彼の愛車です。
「フォルクスワーゲンT3」のTシャツがお似合いのデュブラックさんは、こちらの期待どおり(!?)フォルクスワーゲンが大好き。「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないですよ。ID.4の直前までは『Sharan』で、その前が『Touran』。あとは『T4』、『T3』、『Jetta』……。どのクルマも座った瞬間に家に帰ってきたような感覚になれるのが、フォルクスワーゲンのいいところですね」と、筋金入りのフォルクスワーゲンオーナーでした。
ID.4に乗り換えた理由をたずねると、「これからはEVの時代だと思ったので! それで選んだのがフォルクスワーゲンのID.4でした。1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、当時乗っていたSharanは177PSのTDIでよく走りましたが、それをはるかに上回るID.4 GTXの加速に一目惚れ! 踏んだ瞬間から力強くダッシュするパンチ力にやられてしまい、即決でした(笑)」。
実際に所有した印象をうかがうと、「ID.4 GTXのパンチ力はもちろんですが、EVだけに静かで安定した走りが楽しめるのが一番のお気に入りです。“トラベルアシスト”を使うことで、アウトバーンをラクに遠出できるのもうれしいところ。アウトバーンは最高130km/hを目安に走行しています。300kmごとに急速充電が必要になりますが、休憩するにはちょうどよいタイミングですし、それが安全なドライブにつながると考えれば、不満にはなりませんよ」とはデュブラックさん。
充電に関しては、「自宅で普通充電することも可能ですが、いまは電気代が高いので、外で急速充電することが多いですね。最高175kWで充電できますが、それはバッテリー残量が20%を下回っているような状況で、充電が進むにつれて出力は徐々に落ちてきます」。それでも最大175kWで急速充電が可能というのはうらやましいかぎりですね!
一方、不満な点については、「ID.4 GTXの場合、バッテリーの充電量がある基準以上でないと最大パワーが発揮できないというが、ちょっと残念です。あと強いていえば、もう少しソフトウェアが進化するとうれしいですね」。
いま気になっているクルマがあるかたずねると、「『ID.Buzz』は興味がありますね。でも、もし“トランスポーター”のEV版とか、『ID.7 Variant』が発売されたら、次の愛車としてはそちらのほうが有力かもしれません」と話すデュブラックさん。フォルクスワーゲン一筋のカーライフはこれからもブレることなく続きそうです(笑)
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Volkswagen Japan)