フォルクスワーゲン ジャパンが報道関係者向けに「Volkswagen Tech Day(最新BEV試乗体験会)」を開催。テストコースで「ID.4」が乗れるというので、愛車のID.4 Pro Launch Editionを運転して現地に駆けつけました!
「ID.4のオーナーである私が参加したところで何になるの?」と思われるかもしれませんが、さまざまな路面やコンディションで、クルマの性能を思い切り試すことができるテストコースでの取材は、貴重なチャンスです。
会場に到着すると、まずはフォルクスワーゲンAG 認定トレーナーの金子陽一さんがID.4の解説をしてくれました。その際、ID.4をリフトアップし、リヤのカバーをはずしてモーターを観察。初めて見る眺めでしたが、ID.4のモーターってリヤアクスルの前に配置されているんですね! つまり、後輪駆動といっても、空冷ビートルのような「RR」ではなく、「ミドシップ」だったのです。これまで何度も透視図を見ていたのに、見逃していました。
ミドシップレイアウトを採用することに加えて、重たいバッテリーを低い位置に搭載することで低重心を実現。さらに、前後の重量は前:1,010kg、後:1,130kgとほぼ理想的な配分です。ID.4の気持ちの良い走りは、こうしたところから生まれているんですね!
ということで、さっそく特設コースでID.4の実力をチェックします。まずは雪道や凍結路に相当する滑りやすい路面で坂道発進に挑戦。ゆっくりとはいえ安定して発進できるID.4。試しに、前輪駆動のT-Roc TDIで同じことを試みるとぜんぜん登れない……。後輪駆動とモーターの緻密な制御のおかげで、ID.4が不安なく発進できることを実感しました。
ID.4は滑りやすい路面でのコーナリングもお手のもの。ステアリングを操作したときに、しっかり前輪に荷重がかかるので、思いのほかコントロール性が高いのです。後輪駆動というと冬の運転に不安を抱く人は多いと思いますが、安定した走りはそんな不安を払拭してくれました。
一方、トラクションコントロールをオフ(ESC完全オフはできません)にしてコーナリング中にアクセルペダルを踏み込めば簡単にリヤを流すこともできます。スキッドパッドも試しましたが、練習すれば華麗なドリフトも夢じゃない!?
ドライ路面のハンドリングコースでは、あらためてID.4の走りやすさを実感しました。コーナリング時のロールは落ち着いており、ステアリング操作に素直に向きを変える走りはSUVであることを忘れてしまうほどです。
テストコースでいろいろ試して、ID.4にあらためて惚れ直した一日でした!
(Text & Photos by Satoshi Ubukata)