新東名高速の駿河湾沼津SAと浜松SAに150kW急速充電器が設置されたということで、ID.4 Proで試してみることに。
最近、高速道路で下の写真のような急速充電器をよく目にするようになりました。“マルチタイプ急速充電器”と呼ばれるもので、1口の最大出力は90kW、同時に利用する場合には総出力が200kW以下になるようコントロール。最大出力の90kWは充電開始15分間のみで、それ以降は50kWに切り替わります。
これに加えて、新東名高速の駿河湾沼津SAと浜松SAには、高速道路初となる150kW急速充電器が稼働を始めました。こちらは、1口の最大出力が150kW、2口同時では90kW。150kWで充電できるのは最初の15分間だけです。
ID.4 Proの場合、CHAdeMOでの急速充電は94kWまで対応するということですが、はたして150kW急速充電器でどのくらい充電できるのか、試してみることにしました。
まずは駿河湾沼津SA・下りの150kW急速充電器へ。さいわい充電中の車両はなく、150kWの能力をフルに生かせるはずです。さっそく充電を開始しますが、充電器に表示された出力は70kW台!? これは90kW充電器を使うのと同レベルです。バッテリー残量は23%、気温も20℃と絶好のコンディションのはずなのに!?
このまま引き下がるわけにはいかない……ということで、ここでの充電を早々に切り上げ、一縷(いちる)の望みをかけて、浜松SA・下りまで足を伸ばします。到着した時点で150kW急速充電器を利用する車両はなく、ID.4 Proのバッテリー残量も31%。今度こそはと充電を開始すると……出ました、初の90kW超え!
充電電力を観察すると、最初の15分間は90kW台で推移しましたが、15分が経過したところで70kW台に低下し、90kW充電に切り替わったのがわかります。最終的には30分間で38.4kWhが追加され、走行可能距離も123kmから220km増えて、343kmになりました。30分の充電で高速道路を約2時間走行できるというのは画期的です!
その後、東京〜鈴鹿を新東名を使って往復する機会がありました。そのときは、駿河湾沼津SAの上り線/下り線、浜松SAの上り線/下り線のいずれでも70kW台の充電でしたが、それでも充電のために余分にかかった時間は合計で40分未満と、充電によるタイムロスが大幅に減少。超高速の急速充電器が充実したおかげで、このエリアの移動がより快適になったのは確かです。
(Text & Photos by Satoshi Ubukata)