ドライ路面で印象の良かったミシュランのスタッドレスタイヤ「X-ICE SNOW SUV」。雪道での実力は?
関東では2月10日に雪が降り、スタッドレスタイヤの性能を試すには格好のチャンスでしたが、この日はたまたま関東を離れていて、テストドライブはできませんでした。そこで、いつもの(!?)裏磐梯まで出かけて、X-ICE SNOW SUVの性能を確かめることに。
ドライブ当日は、磐越道の猪苗代磐梯高原ICや出口周辺は除雪されていましたが、磐梯高原に向かって登り坂を進むにつれて、道路に雪が増えてきました。ID.4で雪道を走るのはこれが2回目。前回は実際に雪道を走るまで、ID.4がどんな動きをするのか不安でしたが、走り出してみると想像以上に安定感があり、すぐに不安は吹き飛びました。おかげで、今回は心に余裕がありますが、油断は禁物! 気を引き締めてステアリングを握ります。
圧雪路ではX-ICE SNOW SUVがしっかりと路面を掴み、発進からしっかりとスピードを上げていきます。走り出したあとの直進安定性はとても高く、ステアリングが取られる感じもありません。速めに加速する場面でも、後輪駆動に見られがちな、リヤが左右に振られるような動きは抑えられており、安定感のある加速が見られるのが頼もしいところです。ブレーキを踏んだときにも、安定した挙動を見せながら、しっかりと減速してくれました。
シャーベット状の雪を通過するときも、進路が乱されることはありませんでした。X-ICE SNOW SUVでは方向性のあるV字型のトレッドパターンを採用していて、シャーベット状の雪や水を排出しやすいデザインが貢献しているのでしょう。
コーナーでは、その手前で十分にスピードを落とせば、しっかりと雪を掴んだまま、狙いどおりのラインを駆け抜けることができます。その際のグリップ感や安定性はとても高く、「雪道の運転ってこんなに簡単だった?」と思えるほどです。
コーナリング中に少し早めにアクセルペダルを踏むと、後輪駆動のID.4はリヤが外に振り出す感じはありますが、ESCがあるおかげで大きく挙動が乱れることはありません。試しにASR(トラクションコントロール)をオフにしてリヤを滑らせてみると、滑り出しは穏やかで、落ち着いて修正することができました。
残念ながら今回のドライブでは、凍結路を走る機会はありませんでしたが、X-ICE SNOW SUVのきわめて高い雪上性能が確認できましたし、ID.4との相性も抜群でした!
これまでは“後輪駆動=雪道が苦手”というイメージがありましたが、ID.4で雪道を走ってからは、そんな先入観はすっかり払拭されました。ID.4でのスノードライブも楽しく、春になる前にあと何回か雪のある場所に出かけたいなと思っています。
(Text & Photos by Satoshi Ubukata)