短時間の試乗では確認できなかったID.4の電費。いろんな状況で気になる電費をじっくりチェックしてみることに。
まずは高速道路の電費から。ACCで80km/h、100km/h、120km/hにセットして走ったときのデータは次のとおりです。
設定速度[km/h] | 電費[km/kWh] | 平均速度[km/h] | 走行距離[km] | 走行ルート |
---|---|---|---|---|
80 | 7.5 | 75 | 114 | 常磐道 守谷SA(下)→友部SIC→守谷SA(上) |
100 | 6.4 | 94 | 117 | 常磐道 守谷SA(下)→友部SIC→守谷SA(上) |
120 | 5.4 | 115 | 106 | 新東名 長泉沼津IC(下)→遠州森町PA(下) |
カタログによれば高速道路モードの電費は153Wh/km=6.5km/kWhですので、100km/h走行ではほぼその数字と同じで、速度を落とすとカタログ値よりも電費が良くなりました。
EVの場合、高速走行時の電費は一般道路よりも低く、速度が上がれば上がるほど悪くなります。かといって、80km/h以下で走るのはまわりにも自分にもストレスを与えてしまうことになるので、電費を重視するときは80km/hで、目的地に早く着きたいときには100km/hまたは120km/h(120km/h制限の区間)で、という感じでしょうか。ただ、速度を上げて電費が下がると、そのぶん航続距離が短くなり、途中の充電が必要になる場合もありますので、あまりに急ぐとかえって時間がかかることも。
下の写真は、信号や渋滞はなく、比較的流れの遅い有料道路と高速道路を乗り継いだときの電費で、8.6km/kWhをマーク。こういった状況で走るのが電費には良いようです。
一般道は平均速度や信号によるストップ&ゴーの頻度が異なるので、電費も4〜8km/kWhとまちまちですが、先日、信号によるストップ&ゴーはそれなりにあるものの、比較的スムーズに流れている国道16号を走行したときには、平均速度30km/hで7.9km/kWhをマーク。カタログの郊外モードが132Wh/km=7.6km/kWhですので、それを上回る電費でした。これで信号で停まることが少なければ、さらに良い電費が期待できそうです。
ただし、7.9km/kWhの電費は、電費を考えて丁寧な走行を行ったときの数字です。電気自動車らしい素早い加速を楽しみすぎると、目に見えて電費は落ちてしまいます。目的のスピードに達したら、あとは加減速をなるべく控えるのが良い電費につながるコツ。回生ブレーキがあるからと、むやみに加減速を繰り返すのが実は電費には良くないのです。そのあたりはまた別の機会に触れたいと思います。
(Text by Satoshi Ubukata)