小さい順に片端からポルシェに乗っていくシリーズの続編である。

画像: フェルディナント・ヤマグチでございます。最新のポルシェ一気乗り企画の第5弾は「ポルシェ 911 Carrera Cabriolet」です。

フェルディナント・ヤマグチでございます。最新のポルシェ一気乗り企画の第5弾は「ポルシェ 911 Carrera Cabriolet」です。

今回試乗したのは「ポルシェ 911 Carrera Cabriolet(992.2)」だ。

画像: 今回試乗した「ポルシェ 911 Carrera Cabriolet」のボディーカラーはシェードグリーンメタリック、内装はツートーンレザーインテリア(ブラック&コニャック)といった組み合わせ。

今回試乗した「ポルシェ 911 Carrera Cabriolet」のボディーカラーはシェードグリーンメタリック、内装はツートーンレザーインテリア(ブラック&コニャック)といった組み合わせ。

ボディカラーは「シェードグリーンメタリック」。淡いグリーンに少しブルーを足したような色で、光の当たり具合によって微妙に表情が変わる。ボンネット中央には黒のレーシングラインが走り、クラシック感とモダンさを絶妙に両立させている。

内装はブラックとクラシックコニャックを組み合わせた「ツートーンクラブレザーインテリア」。幌を開けた瞬間の「外光との絡み」が上品で洗練されている。

今日はゴルフである。向かうのは東京クラシック倶楽部(千葉県千葉市若葉区)。オープンしてわずか9年の新しいコースだが、早くも名門の呼び声が高い。ゴルフに行くのだから当然クルマにゴルフバッグを積むことになる。ここで早くも問題が発生した。

画像: 911 Carrera Cabrioletで向かったのは、千葉県千葉市にあるゴルフクラブ「東京クラシック倶楽部」。高級車がズラリとそろう駐車場でも画になります。

911 Carrera Cabrioletで向かったのは、千葉県千葉市にあるゴルフクラブ「東京クラシック倶楽部」。高級車がズラリとそろう駐車場でも画になります。

普段乗っている911 Carerra T(992.1)なら、後席座席の背もたれを倒して横向きにゴルフバッグを積むことができる。911 Carerra Tの後席幅は約1240mm。フルサイズのバッグでも、ギリギリ横積みすることが可能だ。しかし 911 Carrera Cabrioletの後席幅は約1180mm。クーペより60mmほど狭い。この「6cmの差」が致命的だ。ムリに積もうとすると、片方の壁に伸し掛けて「斜め積み」のような形になってしまう。

画像: ゴルフクラブは助手席を最大限にスライドさせ足元のスペースを確保。着替えやシューズはリヤシートに。リヤに荷物が置けるのはこういうときに重宝します。

ゴルフクラブは助手席を最大限にスライドさせ足元のスペースを確保。着替えやシューズはリヤシートに。リヤに荷物が置けるのはこういうときに重宝します。

ゴルフバッグのフード部分を外し、さらにドライバーを抜いてバッグの上に置く等の工夫をすれば積めなくもないのだが、いちいちフードを外すのは面倒くさい。ドライバーを抜くのも億劫だ。さらにクラブハウスに到着した際、モタモタと作業するのはスマートではない。

かくして助手席を最大限にスライドさせて足元を広くし、バッグを寝かせて積むスタイルと相成った。着替えやシューズを入れたバッグはリヤシートに積めば良い。

それでは出発しよう。拙宅から首都高の入口までは屋根を開けて走る。

早朝の澄んだ空気が気持ちいい。オープンの911は、同じ道でも普段とまるで別の体験になるからおもしろい。風の巻き込みはほぼゼロで、ほとんど寒さを感じない。

画像: オープンにしていても風の巻き込みはほぼゼロ。この開放感こそが911 Carrera Cabrioletの大きな魅力なのであります。

オープンにしていても風の巻き込みはほぼゼロ。この開放感こそが911 Carrera Cabrioletの大きな魅力なのであります。

ステアリングは素直で、ロールもわずか。3.0Lフラット6ツインターボは相変わらず滑らかだ。992.2とも呼ばれる後期型のCarreraは、大径タービンとコンプレッサーの採用により、前期型よりも9PSほどパワーが増えている。アクセルの踏みはじめから自然に伸びていくトルクが心地いい。

500馬力を遥かに超えた新型GTSのような"ドッカン感"はないが、394馬力を発揮するCarreraの「安心できる速さ」は極めて快適だ。

首都高に入る直前に幌を閉める。

センターコンソールのスイッチを押すと、新開発の電動油圧システムが作動して幌はわずか12秒で閉じてしまった。最後のロック作業も必要ない。正真正銘のワンタッチ。しかも停止状態だけでなく、50km/hまでなら走行中でも開閉可能だ。思い立ったが吉日、というわけである。幌が閉じてロックが掛かった瞬間に、外からの音がものの見事に遮断される。ロードノイズも風切り音も明らかに減少し、ほぼクーペと変わらないレベルにまで静かになる。この遮音性はすごい。高速域に入ってもそれは変わらない。普通に音楽が楽しめる。

この静寂性は、911 Carrera Cabrioletの幌が単なる「布一枚」ではないからだ。

画像: 幌を閉じた状態のフォルムも美しい911 Carrera Cabriolet。さらに車内の遮音性もクーペ並み。

幌を閉じた状態のフォルムも美しい911 Carrera Cabriolet。さらに車内の遮音性もクーペ並み。

幌は多層構造のアコースティック・ソフトトップになっており、表地と裏地のあいだにフォーム材などの遮音・断熱層が挟み込まれている。骨格にはマグネシウム製の骨が組み込まれ、閉じた際にあたかもハードトップのような一体感を出すと同時に、高速走行時のバタつきやふくらみ(バルーニング)も防いでいる。ペナペナの樹脂製ではない、ガラス製のリヤウインドウのお陰で後方視界も悪くない(だがもちろんクーペよりは格段に悪い)。

幌を閉めたときのルーフラインはクーペとほぼ同じになる。だから風の流れもきれいに整っている。走行性能を優先した本気のCabriolet。さすがポルシェ。やっぱりポルシェ。

画像: 幌を開けた状態と閉じた状態の対比。

幌を開けた状態と閉じた状態の対比。

車両本体価格は1,943万円。ポルシェも高くなりました。てんこ盛りのオプションでプラス750万。総額は2,693万9000円である。お値段的にはスーパーカーの仲間入りだ。

高速を降り、少しのワインディングを抜けると、じきに東京クラシック倶楽部だ。

現地に到着すると、ショーファー付きのクルマはほぼすべてがトヨタ アルファード。Rolls-Royce CULLINANが2台に、Bentley Bentaygaも2台。メルセデスやBMWは地方のイオンモールに於ける軽の存在に近い。まるで富裕層サミットの駐車場。シェードグリーンの911 Carrera Cabrioletは、そこに違和感なく溶け込んでいる。

画像: ゴルフ場に乗りつけてもこれだけサマになります。そしてこの開放感! 「911はクーペに限る」という人こそ、911 Carrera Cabrioletならではの魅力を1度知ってしまったら戻れなくなるかも…。

ゴルフ場に乗りつけてもこれだけサマになります。そしてこの開放感! 「911はクーペに限る」という人こそ、911 Carrera Cabrioletならではの魅力を1度知ってしまったら戻れなくなるかも…。

ゴルフクラブを預け、ロッカールームで着替えを済ませる。

快適なドライブ。最高の倶楽部。しかし。だがしかし。スコアは最低だった。

右へ左へトップにダフり。あらゆる災厄が私を襲う。
心優しいキャディさんの「大丈夫ですよー」という言葉が辛い。
ボロボロに打ち拉がれて、身ぐるみを剥がれて、それでも泣かずにクルマに戻った。

エンジンをかけると警告灯が点滅する。タイヤの空気圧が低い。デジタルメーターに目をやると、4輪すべてが「-0.3bar」と表示されている。
スコアは多いがタイヤの空気圧は少ない。

画像: タイヤの空気圧が設定値より減っていると、このようにデジタルメーターに表示されるので補充しておきました。

タイヤの空気圧が設定値より減っていると、このようにデジタルメーターに表示されるので補充しておきました。

近くのガソリンスタンドでタイヤの空気を補充して帰ろう。
幌を開けて帰路につく。
風の入り方、音の柔らかさ、そしてシェードグリーンの色味。
気持ちがスッと整ってくる。

スコアは散々だったが、帰りの快適なドライブで、帰宅するまでにはすっかり立ち直った。ありがとうポルシェ。

911 Carrera Cabrioletは、走ることで機嫌を良くしてくれる優れた相棒だ。
このクルマの存在価値はそんなところにあるのだ。

Porsche 911 Carrera Cabriolet(992.2)主要諸元

画像: Porsche 911 Carrera Cabriolet(992.2)主要諸元

・全長×全幅×全高:4,545mm×1,850mm×1,300mm
・ホイールベース:2,450mm
・車両重量:1,620kg(DIN)
・エンジン:3リッター水平対向6気筒ツインターボ
・最高出力:394PS
・最大トルク:450Nm
・トランスミッション:8速PDK
・駆動方式:RR(後輪駆動)
・0-100km/h加速:4.3秒
・最高速:291km/h
・ブレーキ:6ポットキャリパー、4ポットキャリパー
・タイヤサイズ:前245/35ZR20、後305/30ZR21

(Text by Ferdinand Yamaguchi & Photo by Ferdinand Yamaguchi / Toru Matsumura)

This article is a sponsored article by
''.