ゴールデンウィーク初日の4月28日、「Audi sport experience」に参加するため、富士スピードウェイにやってきました。
抜けるような青空に雄大な富士山。連休初日の富士スピードウェイは絶好のドライビングレッスン日和(!?)に恵まれました。
これから僕が受講するのは、アウディジャパン販売が主催し、アウディ ドライビングアカデミーが運営する「Audi sport experience」です。クルマの限界を超える体験を安全に体験できる
これまでは、アウディ ドライビング アカデミーの車両でレッスンを行っていましたが、今回は自分のクルマで参加できるので、愛車の限界を試すには持ってこい。レッスンは富士スピードウェイにある交通安全センター「モビリタ」を占有し、レッスンの最後には富士スピードウェイのレーシングコースをたっぷり1時間も走れるお楽しみつき!
そのうえ、特別ゲストとして、あのルマンウイナー、荒聖治選手がやってくるというではありませんか! こうなったら万難を排してイベントに参加するしかありません。ちなみに、家族には「仕事で富士スピードウェイに行ってくるから」といってあります(本当です)ので、関係者の皆さん、くれぐれも告げ口はしないようにお願いします(笑)
午前9時にスタートしたプログラム。まずは、チーフインストラクターの斎藤 聡さんから、「クルマはなぜ曲がるのか」「オーバーステアとアンダーステアとは」といったドライビングの基本についてレクチャーを受けます。レッスンを受講するのに最低限必要な知識ですからね。15分ほどのレクチャーが終わると、さっそくモビリタでの講習がはじまります。
まずはインストラクターが、正しいドライビングポジションとステアリング操作を説明。僕のグループを担当したのは、おなじみ飯田裕子さん。写真は、「ひざの裏に掌が入るくらいがいいんですよ!」とアドバイスする"ゆうこねぇ"さんです。
ドラポジを確認したら、ふたつのグループにわかれてブレーキ体験と低μ路走行を行いました。僕のグループはブレーキ体験から。フルブレーキングと危険回避のプログラムです。日頃なかなかフルブレーキをかけることなどありませんから、いざというときにフルブレーキがかけられるように、体験しておくことは大切です。
いざ試してみると、インストラクターから「最初にもっとガツンと踏みましょう」とアドバイス。チカラ一杯踏んでいるつもりでも、踏み切れてなかったようです。それを意識することで、2回目にはOKが出ました。危険回避ではフルブレーキングしながら、ステアリング操作で障害物を避けてみます。大げさにステアリング操作しても、クルマが安定を保ってくれるのが、とても心強かった。カーブを曲がりながらの急ブレーキも体験しましたが、進路を乱されることなく停止できたのはさすがです。
低μ路では、クルマの荷重移動を感じながら、アンダーステアとオーバーステアを体験します。圧雪路相当のグリップなので、比較的低いスピードでアンダーステアとオーバーステアを体験することができます。
アンダーステアが出たときに「ハンドルを戻すとアンダーステアが解消するでしょう?」とインストラクター。スピードが低いので、落ち着いて対処できます。これなら理解も早い。
そうそう、この日はアウディジャパン販売のご好意でアウディS5カブリオレをお借りしています。FFモデルよりもクワトロのほうがオーバーステア体験がしやすい、というご配慮だったようです。
そうこうしているうちに、午前中のプログラムは終了。「午前中はガマンのプログラムでしたが、午後は楽しいですよ!」とはインストラクターの斎藤さん。しっかりランチをとって、午後のプログラムに突入です。
ふたたび2グループにわかれ、僕たちはパイロンスラロームに挑戦。いきなり「タイムアタックします」の声に、俄然テンションが上がってしまう僕。
タイムを計測したあとに、インストラクターからドライビングのアドバイスを受け、何本か練習走行。そして、もう一度タイムアタック! 他の参加者が皆タイムを縮めているところ、僕だけ3秒も伸びてしまった......というのも、ゴールでオーバーランしてバックでゴール地点に戻る羽目になったから。それがなければ、タイム更新は確実だったのですが......。
パイロンスラロームのあとは、「フェイントモーション」体験。コーナーの手前で、曲がる向きと反対にステアリングを切り、そのあとに本来曲がる向きにステアリングを操作することでクルマの向きを変えるテクニックです。ESPを切り、ウェット路面で試してみると、これが意外に簡単にできる! ふだんできないことなので、いい経験になりました。
そして後半は、低μ路でいかにアンダーステアを出さずに走るか、のレッスン。もちろん、のろのろ走ればいんですが、それでは腕は磨けません。アンダーステアを出さずに速く走るには、あえてオーバーステアを出して、クルマをコントロールすればいい......というわけで、簡単にいえば、ドリフトコントロールのレッスンを受けます。
このプログラムを担当するインストラクターのひとりが斎藤さん。実はサーキット試乗会などで、その華麗なテクニックを見せつけられている僕としては、少しでも近づきたいといつも思っていたんです。
斎藤"師匠"をはじめとするインストラクターのしごきを受け(本当は優しく教えてもらいました)、少しずつコツが掴めてきた僕。リヤスポーツディファレンシャル付きのS5カブリオレがとても素直な動きをするのも、レッスンを受けるうえでは好都合でした。
モビリタでの講習が終わると、いよいよレーシングコース走行の時間です。モビリタで学んだクルマのコントロール法を、実戦に応用するというわけです。まずはインストラクターの先導で約30分のレッスン。ここで、理想の走行ラインやブレーキングポイントを頭に叩き込みます。先導車をはじめ、皆さんのペースが速いのにびっくり!
そして、後半の30分間はフリー走行になります。S5カブリオレの3.0TFSIエンジンを全開にし、富士スピードウェイのストレートを加速するのは超気持ちいい!
走行の合間には、荒選手がドライブするS4でコースを1周する「レーシングタクシー」も体験しました。コーナーを信じられない速さで駆けぬける荒選手には驚きましたが、度肝を抜かれたのはピットインするときでした。ピットレーンの60km/hの看板ぎりぎりまで攻めるんですね。ガードレールにぶつかるかと思いましたよ(笑)
そして午後5時、サーキット走行が終了。プログラムはこれでおしまいです。あまりの内容の濃さに驚くとともに、きっと腕が上がったに違いないと信じる自分がいました。一番の収穫は、クルマの限界を知ることができたおかげで、いままでよりも高い次元で、セーフティドライブが実践できることでしょう。
ちなみに、このプログラムの参加費は9万円。密度の濃い内容を考えれば、決して高い金額ではないと思います。ぜひ、機会があれば皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, Audi Japan Sales)
これから僕が受講するのは、アウディジャパン販売が主催し、アウディ ドライビングアカデミーが運営する「Audi sport experience」です。クルマの限界を超える体験を安全に体験できる
これまでは、アウディ ドライビング アカデミーの車両でレッスンを行っていましたが、今回は自分のクルマで参加できるので、愛車の限界を試すには持ってこい。レッスンは富士スピードウェイにある交通安全センター「モビリタ」を占有し、レッスンの最後には富士スピードウェイのレーシングコースをたっぷり1時間も走れるお楽しみつき!
そのうえ、特別ゲストとして、あのルマンウイナー、荒聖治選手がやってくるというではありませんか! こうなったら万難を排してイベントに参加するしかありません。ちなみに、家族には「仕事で富士スピードウェイに行ってくるから」といってあります(本当です)ので、関係者の皆さん、くれぐれも告げ口はしないようにお願いします(笑)
午前9時にスタートしたプログラム。まずは、チーフインストラクターの斎藤 聡さんから、「クルマはなぜ曲がるのか」「オーバーステアとアンダーステアとは」といったドライビングの基本についてレクチャーを受けます。レッスンを受講するのに最低限必要な知識ですからね。15分ほどのレクチャーが終わると、さっそくモビリタでの講習がはじまります。
まずはインストラクターが、正しいドライビングポジションとステアリング操作を説明。僕のグループを担当したのは、おなじみ飯田裕子さん。写真は、「ひざの裏に掌が入るくらいがいいんですよ!」とアドバイスする"ゆうこねぇ"さんです。
ドラポジを確認したら、ふたつのグループにわかれてブレーキ体験と低μ路走行を行いました。僕のグループはブレーキ体験から。フルブレーキングと危険回避のプログラムです。日頃なかなかフルブレーキをかけることなどありませんから、いざというときにフルブレーキがかけられるように、体験しておくことは大切です。
いざ試してみると、インストラクターから「最初にもっとガツンと踏みましょう」とアドバイス。チカラ一杯踏んでいるつもりでも、踏み切れてなかったようです。それを意識することで、2回目にはOKが出ました。危険回避ではフルブレーキングしながら、ステアリング操作で障害物を避けてみます。大げさにステアリング操作しても、クルマが安定を保ってくれるのが、とても心強かった。カーブを曲がりながらの急ブレーキも体験しましたが、進路を乱されることなく停止できたのはさすがです。
低μ路では、クルマの荷重移動を感じながら、アンダーステアとオーバーステアを体験します。圧雪路相当のグリップなので、比較的低いスピードでアンダーステアとオーバーステアを体験することができます。
アンダーステアが出たときに「ハンドルを戻すとアンダーステアが解消するでしょう?」とインストラクター。スピードが低いので、落ち着いて対処できます。これなら理解も早い。
そうそう、この日はアウディジャパン販売のご好意でアウディS5カブリオレをお借りしています。FFモデルよりもクワトロのほうがオーバーステア体験がしやすい、というご配慮だったようです。
そうこうしているうちに、午前中のプログラムは終了。「午前中はガマンのプログラムでしたが、午後は楽しいですよ!」とはインストラクターの斎藤さん。しっかりランチをとって、午後のプログラムに突入です。
ふたたび2グループにわかれ、僕たちはパイロンスラロームに挑戦。いきなり「タイムアタックします」の声に、俄然テンションが上がってしまう僕。
タイムを計測したあとに、インストラクターからドライビングのアドバイスを受け、何本か練習走行。そして、もう一度タイムアタック! 他の参加者が皆タイムを縮めているところ、僕だけ3秒も伸びてしまった......というのも、ゴールでオーバーランしてバックでゴール地点に戻る羽目になったから。それがなければ、タイム更新は確実だったのですが......。
パイロンスラロームのあとは、「フェイントモーション」体験。コーナーの手前で、曲がる向きと反対にステアリングを切り、そのあとに本来曲がる向きにステアリングを操作することでクルマの向きを変えるテクニックです。ESPを切り、ウェット路面で試してみると、これが意外に簡単にできる! ふだんできないことなので、いい経験になりました。
そして後半は、低μ路でいかにアンダーステアを出さずに走るか、のレッスン。もちろん、のろのろ走ればいんですが、それでは腕は磨けません。アンダーステアを出さずに速く走るには、あえてオーバーステアを出して、クルマをコントロールすればいい......というわけで、簡単にいえば、ドリフトコントロールのレッスンを受けます。
このプログラムを担当するインストラクターのひとりが斎藤さん。実はサーキット試乗会などで、その華麗なテクニックを見せつけられている僕としては、少しでも近づきたいといつも思っていたんです。
斎藤"師匠"をはじめとするインストラクターのしごきを受け(本当は優しく教えてもらいました)、少しずつコツが掴めてきた僕。リヤスポーツディファレンシャル付きのS5カブリオレがとても素直な動きをするのも、レッスンを受けるうえでは好都合でした。
モビリタでの講習が終わると、いよいよレーシングコース走行の時間です。モビリタで学んだクルマのコントロール法を、実戦に応用するというわけです。まずはインストラクターの先導で約30分のレッスン。ここで、理想の走行ラインやブレーキングポイントを頭に叩き込みます。先導車をはじめ、皆さんのペースが速いのにびっくり!
そして、後半の30分間はフリー走行になります。S5カブリオレの3.0TFSIエンジンを全開にし、富士スピードウェイのストレートを加速するのは超気持ちいい!
走行の合間には、荒選手がドライブするS4でコースを1周する「レーシングタクシー」も体験しました。コーナーを信じられない速さで駆けぬける荒選手には驚きましたが、度肝を抜かれたのはピットインするときでした。ピットレーンの60km/hの看板ぎりぎりまで攻めるんですね。ガードレールにぶつかるかと思いましたよ(笑)
そして午後5時、サーキット走行が終了。プログラムはこれでおしまいです。あまりの内容の濃さに驚くとともに、きっと腕が上がったに違いないと信じる自分がいました。一番の収穫は、クルマの限界を知ることができたおかげで、いままでよりも高い次元で、セーフティドライブが実践できることでしょう。
ちなみに、このプログラムの参加費は9万円。密度の濃い内容を考えれば、決して高い金額ではないと思います。ぜひ、機会があれば皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, Audi Japan Sales)