120809-R8-0.jpgそういえばR8スパイダーを運転したことがない......。というわけで、セパンブルーのR8スパイダーを2泊3日のスケジュールで借り出すことにしました。 限定車の「アウディR8 GTスパイダー」を除けば、このR8スパイダーはアウディ ジャパンのラインアップ中、最高額のモデル。恐れ多くて借りずらい......というわけではなかったんですが、いつも乗る機会を逃していました。

今回は車両の貸出スケジュールにも恵まれて、2泊3日の借用が叶いました。たまたま、富士スピードウェイに取材で出かける用事があり、そこで試乗する「RS 5」と一緒に写真に収められたらいいなぁと考えていました。

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取材の日は、Kカメラマンと合流して一路御殿場へ。ここでトラブル発生、ラゲッジスペースに荷物が入らない......。ミドシップレイアウトのR8スパイダーには、ボンネット下に収納がありますが、その容量はわずか100L。キャビントローリーを入れたら一杯です。やむなく、三脚を諦めますが、サーキットでの撮影だけに500mmの超望遠レンズは持って行きたいし、僕のヘルメットも置いていくわけにはいかないし......。「ヘルメットかぶっていきなよ」といわれましたが、さすがにそれは避けたいので(笑)、結局は超望遠レンズとヘルメットを助手席にKカメラマンに託し、かなり窮屈な状況で富士スピードウェイを目指したのです。

走り出してしまえば、R8スパイダーは実に気持ちのいいスポーツカーでした。シングルクラッチギアボックスのRトロニックは、一般的なオートマチックやデュアルクラッチのSトロニックのような"クリープ"がなく、ブレーキから足を離してもアクセルペダルを踏んでやらないかぎり走りだすことはありません。それを思い出し(笑)、アクセルペダルを軽く踏んでやると、ファ〜ンという音とともにエンジンが軽々と回転を上げていきます。華やかとも思える自然吸気5.2L V10エンジンの感触......。それを楽しむだけで、幸せな気分になることができます。

Rトロニックのシフトは、Sトロニックに比べると、とくに低いギアのシフトアップ時の空走感が気になりますが、初期のRトロニックに比べると大きな改善が見られます。最初は気になりましたが、ドライブしているうちに身体が慣れてしまいました。近い将来、Sトロニックが搭載されたR8が日本でも販売されるはずですが、これはこれで十分許容できます。

感心したのは、R8スパイダーの軽快さ。ふつう、オープンモデルはボディの補強やルーフシステムの追加によって重量がかさみ、重たい感じがするものですが、このR8スパイダーにはまるでそれが感じられません。もちろん、同じエンジンを積むR8 クーペ 5.2 TFSI クワトロに比べて100kg重いのですが、それでも車両重量は1790kgで、これはA5カブリオレ 2.0 TFSI クワトロよりも70kgも軽い仕上がりです。

それだけに、フルスロットル時の加速はまさに圧巻! 7000rpmを超えてもなお加速が衰えないV10パワーに舌を巻きます。ボディの剛性感もオープンモデルとしては十分なレベルで、幌を開けても剛性感が落ちないのもこのクルマのいいところです。

そんなことを考えながら走り続けますが、この日は朝から30℃近い暑さで、到底幌を開けて走ろうという気持ちにはなりません。そうこうしているうちに富士スピードウェイに到着、別のクルマの取材を始めます。3時間ほどで取材は終わり、そろそろR8スパイダーの写真でも......という段になって突然の豪雨。おかげで、幌を開けるチャンスを逃してしまいました。

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というわけで、RS 5とのツーショットを撮ることができなかったのですが、気を取り直して次の目的地をカーナビにセット。富士スピードウェイからほど近い山中湖に知人のショールームがあり、そこを訪問することにしていたのです。

富士スピードウェイを出るときに降っていた雨は、ひと山越えるころにはすっかり上がり、ところどころに青空が見えてきました。再び暑さが......という不安が一瞬頭をよぎりますが、ここは標高1000mの山中湖、外の空気はひんやりとしていました。

真夏は無理!と諦めていた爽快なオープンエアモータリングですが、東京からちょっと足をのばせば簡単に楽しむことができるんですね!

真夏とは思えない涼やかな風と知人が振る舞ってくれたBBQを堪能した僕たちはすっかりリフレッシュ。次はあのオープンカーで来ようかなぁと作戦を練りながら、東京へと戻ったのでした。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Minoru Kobayashi)

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