170301-Saito-02.jpg皆さんこんにちは。この度コラムを連載することになりました斎藤 聡です。よろしくお願いします。

ところでなぜかココ、"さとし"密度が高いようですが、気のせいでしょうか?
さて、自己紹介します。私はモータージャーナリスト(気分は自動車ライターなんですが)として、自動車雑誌や、WEBマガジンに試乗記を中心に記事を書いています。自動車だけでなく、タイヤの試乗レポートをする機会も多く、サマータイヤからスタッドレスタイヤまでいろんなタイヤに試乗しています。

170301-Saito-01.jpg
タイヤといえば、昨年Audiにまつわる興味深い体験をすることができました。ピレリP-ZEROがモデルチェンジして、その国際試乗会がポルトガルで行われたんです。新しいP-ZEROを装着したクルマも徐々に入ってきているので、すでに乗ったことがあったり、トレッドパターンが違うぞ、なんて思った人もいるかもしれません。

その試乗会で、ランボルギーニ・ウラカンとAudi R8に試乗することができたんです。ピレリでは、新しいP-ZEROをクルマに合わせてオーダーメイドのようにつくるといっていたので、格好のチャンスだったわけです。

タイヤが同サイズ。もちろんAudi R8用には「RO1」、ウラカン用には「L」の刻印があり、専用開発であることを示したマークが入っています。試乗してみると、まさにピレリの言うとおり。まったく味付けが違うんです。同じサイズ、同サイズ、同じトレッドパターンでありながらです。

ウラカン用はとてもソリッドな鋭さのある応答性を持っていて、クルマがシャキッと動いてくれます。過敏というほどではないのですが、ドライバーに緊張感を与えるタイプの鋭さがあるんです。これに対してAudi R8用はとてもマイルド。ハンドルを切り出したところからしっとりした感覚の応答が出ており、緩慢にならない範囲で穏やか。滑り出しもヌルヌルと徐々に滑り出すので(サーキットでは)、コントロールも自由自在。

170302-Saito-10.jpg
これに対してウラカンは滑り出しの動きが速めで少々反射神経が求められます。サスペンションのセッティングももちろんありますが、タイヤのチューニングもパッと乗った瞬間の印象とか、逆に限界領域での味付けに案外効いてくるんです。

ご存知のように、メーカー純正装着されるタイヤは、ピレリが設計したというよりもメーカーと共同で開発されており、自動車メーカーの求める性能が色濃く反映されています。

一般的には、コンパウンドや、ケースの設計を独自のものにするといったチューニングが施されているようですが、新型のピレリP-ZEROは、そうしたチューニングだけでなく、コンパウンドもビードワイヤーもキャッププライも数種類用意されていて、クルマに合わせて使い分け、その上でチューニングを施すという、かなり手間のかかるつくり方をしてます。同じ名前で、同じトレッドデザインをしているのに、まったく違うキャラクターに仕上がっているんです。

そんなわけでシャシーを共有するウラカンとAudi R8のメーカーの考える着地点を図らずも見ることができ、改めてAudiのクルマづくりの考え方を知ることとなったのでした。

(Text by Satoshi Saito)

This article is a sponsored article by
''.