自己紹介といいながら、タイヤの話になってしまいました。もう少し自己紹介を続けます。
私、モータージャーナリストのほかにアウディ・ドライビング・エクスペリエンス(ADE)という、Audiが行っているドライビングスクールのインストラクターもやっています。日本でADEを立ち上げ当初からのメンバーなので、かれこれ15年くらい。じつはその前に日産ドライビングパークという日産のドライビングスクールの社外インストラクターも10年ほどやっていたので、インストラクター歴もモータージャーナリスト歴と同じくらい長かったりします。
さて、このコラムでは、そういった私のインストラクターとしての経験で得たAudiの走り方のコツとか、モデルごとの特性とか、タイヤを付け替えるとどうなるのかとか、あるいは4WDのシステムによる走りの違いとか、そういった走ることに関する諸々のことを、できるだけ掘り下げて紹介してみたいと思います。
アウディ・ドライビング・エクスペリエンスは、エクスペリエンス≒体験と謳っているとおり、一般道で起こりうるさまざまな危険な状況を安全な場所で体験するのが目的です。高速からの急ブレーキ体験、急ブレーキをかけながらハンドルを切る危険回避、アンダーステア、オーバーステアの体験などなど、「いったいどうなってしまのか!?」という体験を実際にやってみます。
とっさの時、人は知らないことはできません。けれども一度でも(意図して)体験したことがあることはできてしまうんです。あるいはできる可能性がとても高くなります。
例えば急ブレーキ。これはほぼ世界中のドライバーが練習不足、経験不足なんです。最近でこそ自動車教習所でも急ブレーキの体験をするようになりましたが車速は40km/hくらいです。30歳代中盤より上のドライバーだと急ブレーキの体験はなかったのではないかと思います。ところが、現在のブレーキシステムはABSやESC(横滑り防止装置)などの制御がどんどん緻密になり、その性能はどんどん良くなっています。今や危ないときには急ブレーキを使ったほうが短く止まれ、カーブのなかで急ブレーキを踏むことで安全に止まることができるようになっているんです。
頭では判っていても、体験を伴わないと思うように体は動いてくれません。実際にやってみるというのはとても大切です。ブレーキを踏んじゃったのではなく意識的に強く踏む経験がとても大切なんです。急ブレーキを踏むとクルマはどうなるのかというのを2〜3回体験しておくと、次からは自らの意思で躊躇なく操作することができるようになります。
さて、このコラムでは、そういった私のインストラクターとしての経験で得たAudiの走り方のコツとか、モデルごとの特性とか、タイヤを付け替えるとどうなるのかとか、あるいは4WDのシステムによる走りの違いとか、そういった走ることに関する諸々のことを、できるだけ掘り下げて紹介してみたいと思います。
編集長からは"月2"でといわれているのですが、果たして守れるかどうか。忙しいのではなく、単にものぐさなので、できるだけ自分のシリを叩いて、頑張ってみようと思います。皆様、どうぞよろしくお願いします。
それからできれば、なるべく早いタイミングで"体験ドライビングのオフ会"もやりたいと思っているので、その際はぜひ参加してください!
(Text by Satoshi Saito)