150612-RS 7-14.jpg「RSモデル」の頂点に君臨する「Audi RS 7 Sportback」がマイナーチェンジを実施。その迫力ある走りを試す。 美しさと実用性を兼ね備えるラグジュアリー4ドアクーペとして、日本でもファンを増やしてきたAudi A7 Sportback。そのスポーツバージョンであるAudi RS 7 Sportbackが標準モデルとともにマイナーチェンジを実施した。

今回のマイナーチェンジでは、マトリクスLEDヘッドライトの採用をはじめ、シングルフレームグリルやリヤコンビネーションライトのデザインをリニューアルするなど、デザインの手直しが中心となっている。

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一方、搭載される4L V8ツインターボの4.0 TFSIは、最高出力560ps、最大トルク700Nm(71.3kgm)で、マイナーチェンジ前と同じスペック。8速ティプトロニックとフルタイム4WDのquattroが組み合わされるのもこれまでどおりだ。

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それでも、日本未導入のAudi R8を除けば、Audiのラインアップ中、Audi RS 6 Avantとともに最強の心臓を誇るのがこのAudi RS 7 Sportbackなのだ。

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試乗車は「デイトナグレーマットエフェクト」という"つや消し"のペイントが施された一台で、Audi RS 7 Sportbackをさらに精悍なイメージに仕立て上げている。インテリアもカーボンのデコラティブパネルを贅沢に配することで、スポーティさを加速する。

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さらに、ハニカムステッチが施されたSスポーツシート、ステアリングホイールやメーターパネル、シフトレバーに記されたRSのロゴがいやが上にもドライバーの期待を高めてくれる。

その一方で、多くの人が「これだけのスポーツモデルが自分の手に負えるだろうか?」と不安を抱くかもしれない。果たして実際は?

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全長5010×全幅1910×全高1425mmのゆとりあるボディサイズのAudi RS 7 Sportbackは、キャビンも広く開放的で、いわゆるスポーツクーペとは一線を画している。ヘッドレスト一体型のフロントシートも、大きめのサイドサポートを備えていながら、タイトすぎないのがうれしいところ。大人2人がくつろげるリヤシートや広大なラゲッジスペースが確保されるのも、このクルマの特徴である。

さっそく走り出すと、マイナーチェンジ前に比べて静かなことに気づく。今回のマイナーチェンジでは、フロントおよびフロントサイドウインドーに「アコースティックガラス」を採用していて、その効果がはっきりと現れているのだ。もちろん、スポーツモデルだから、威勢のいいエンジン音やエキゾーストノートも魅力のひとつなのだが、それが必要なときにはドライブセレクトで「ダイナミック」を選べばいい。

ドライブセレクトで「自動」や「コンフォート」を選んでいるかぎり、Audi RS 7 Sportbackはそのイメージとは裏腹に、リラックスして運転できるクルマに躾けられている。軽くアクセルペダルを踏むだけでグイッと加速するパワートレインと、少し硬めとはいえ十分に快適な乗り心地を示す足まわりが、快適なドライブ環境をもたらすのだ。

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高速では、70km/hを8速/1200rpm弱で走るほどエンジンには余裕があり、条件次第ではシリンダーオンデマンド機構により8気筒のうち4気筒が休止。それでも緩い加速ならそのまま4気筒運転を続けられるほどだ。

もちろん、アクセルペダルを踏み込めば4.0 TFSIは別の一面を現す。V8らしい太いエンジン音とともに、硬めのシートバックに身体を押しつけるほど強烈な加速を見せつけるのだ。100km/hまでの加速など、ほんの一瞬である。

その際、ドライ路面はもちろんのこと、多少濡れているくらいなら姿勢を崩すことなく、みるみる加速していくのがquattroの醍醐味だ。

しかし、安定性一辺倒でないのがAudi RS 7 Sportbackの奥深いところで、コーナーではDRC(ダイナミックライドコントロール)付スポーツサスペンションがロールを抑えながら、その気になれば後輪駆動顔負けのダイナミックなハンドリングが楽しめるのだ。

ドライバーの求めに応じて、コンフォートな移動もスポーツドライビングもいとも簡単にやってのけるAudi RS 7 Sportback。街乗りからサーキットまで、常に最高の走りを求める人には、いま最も魅力的なAudiといえるだろう。

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(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Hiroyuki Ohshima)

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