161112-Rd3-0.jpg2016年11月12日、栃木県のツインリンクもてぎにおいて2016 AUTOBACS SUPER GT第3戦「MOTEGI GT 250km RACE」の決勝が行われ、Audi Team Hitotsuyamaが念願の優勝を果たした。

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このレースは5月に予定されていたオートポリス戦の代替戦として行われるもので、予選と決勝を12日の土曜日1日で実施。そのため、通常のレースとは異なる方法が採られている。

まずは午前8時35分から予選が行われた。通常はノックアウト方式が採用されるが、今回は15分間のタイムアタックでスターティンググリッドが決定される。タイムアタックできるドライバーは1名のみで、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSはリチャード・ライアン選手が担当している。

前日からの雨は上がり、青空が広がり始めたツインリンクもてぎだったが、ロードコースは濡れたままの状態で、ほとんどのチームはウェットタイヤを装着してタイムアタックに臨んだ。

#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSもウェットタイヤでタイムアタックを開始。序盤から上位をキープしていたライアン選手は、セッション途中にタイヤ交換(ウェットタイヤ)。これが功を奏し、終盤に2位に浮上。さらにセッション終了間際に自己ベスト更新する。惜しくもトップの#11 GAINER TANAX AMG GT3にはコンマ590秒及ばなかったものの、2位からのスタートとなった。

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そして当日の午後1時13分、1周4801.379mを53周で争われるレースがドライコンディションのもとスタートした。とくに混乱なくスタートを切ったレースだが、直後にGT300のマシーンがクラッシュし、セーフティカーが導入される。約15分後にセーフティカーランが解除され、レースは再スタートした。

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#21のライアン選手は、トップを走る#11のビルドハイム選手と絶妙な距離を保ちながら冷静なドライブで着実に周回を重ねていく。

24周を終えたところで#11 GAINER TANAX AMG GT3がピットストップ。GAINERはドライバー交替と給油のみ、タイヤ交換を行わずに平中選手をコースに戻した。これを見届けたAudi Team Hitotsuyamaも、タイヤ無交換作戦を敢行。その際、手早く作業を終えることができたおかげで、藤井誠暢選手を#11 GAINER TANAX AMG GT3の前でコースに送り出す結果となった。

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これで実質的にトップに躍り出た#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、徐々に2位の#11の平中選手との差を広げていく。その#11を#88 マネパランボルギーニGT3の平峰選手がパスして2位にポジションアップ。タイヤ無交換で終盤にタイヤのグリップが辛くなった#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSを、途中タイヤ交換した#88 マネパランボルギーニGT3が追い迫る。

一時は2秒弱まで差を縮めた#88 マネパランボルギーニGT3だったが、その背後に#33 Excellence Porscheが迫り、ついに順位が逆転。その間に藤井選手が逃げ切り、トップでチェッカー。Audi Team HitotsuyamaにSUPER GT300クラス初勝利をもたらした。

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レース終了後、ライアン選手は、「チームメイトのトモ(藤井誠暢)はもちろんですが、チームとWRT(テクニカル・サポート)やアウディ ジャパン、チームに関わるすべての人たちに感謝しています。このレースウィークでドライタイヤを履くのはレース前のウォームアップ走行が初めてという状況でセットアップは"当てずっぽう"でしたが、最終戦のもてぎでは、これまでも好結果を残しているダンロップが、良いタイヤを用意してくれて、それが大きな勝因になりました」と述べた。

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また藤井選手は、「このチームに移籍してきてAudiをドライブするようになって3年目ですが、去年までは年に1回くらいは表彰台に上ることができても優勝はまだ見えない、という状況でした。今年になりクルマも良くなり、夏の富士ではあと少しで勝てるところまで来ました。0.1秒差で逃していたので悔しい気持ちもあったし、そこから不甲斐ないレースが続いていましたが、今回やっと勝てました。うれしいという気持ちとホッとしたのと半々ですね。今日勝ったことでタイトル争いの権利も明日に繋ぐことができましたが、明日も一戦必勝の気持ちでがんばります」と力強くコメントしている。

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第3戦の優勝により、Audi Team Hitotsuyamaはチームランキングで3位に浮上。トップとの差を9ポイントまで縮め、最終戦の成績次第ではシリーズ優勝の可能性が高まってきた。ここにきて調子が上がっているAudi Team Hitotsuyamaだけに、期待してもよいのではないだろうか?

最終戦のMOTEGI GT GRAND FINALは、第3戦同様、1デイでの開催で、11月13日午前8時40分から公式予選が、午後1時30分からは250kmの決勝が行われる。

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(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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