2016年10月16日、WEC第7戦「富士6時間耐久レース」の決勝が行われ、ルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービス組の#8 Audi R18が2位表彰台を獲得した。
その後、Audiのポールポジションを阻もうと#1 Porscheが最後までアタックを続けるが、平均タイムは1分23秒595と#8にわずかに及ばず、#8のポールポジションが確定した。
決勝が行われた16日も富士スピードウェイは好天に恵まれ、約3万2700人のファンがレースの行方を見守ることになった。6時間のレースは17時のゴールに向けて11時にスタート。ポールポジションからスタートした#8 Audi R18は真っ先に1コーナーに飛び込み、そのままレースをリードする展開となった。
一方、#7 Audi R18はスタート後にポジションを1つ上げて4番手に浮上したが、わずか18周目にハイブリッドシステムのMGU(モータージェネレーターユニット)にトラブルが発生しピットストップ。チームは走行を続けるためにフロントのドライブシャフトを取り外して、再びマシーンをコースに送り出したが、この対応に約2時間を要し、優勝にはほど遠い状況となっていた。その後、#7の状態が車両規則違反にあたるとの指摘をFIAから受け、リタイヤとなる。
コース上では、#8 Audi R18と#6 Toyota TS050 - Hybrid、そして、#1 Porsche 919 Hybridが同一周回で三つ巴のトップ争いを演じる。ピットストップで順位は入れ替わるものの、各車が出揃えば#8 Audi R18がトップに戻り、#6 Toyotaと#1 Porscheが2位を争うというシーンが繰り返された。
#8 Audiのデュバルは、残り30分あまりでトップに躍り出るべく猛追を開始。222周目にはファステストラップをマークするなどして、#6 Toyotaとの差を8秒、6秒、3秒と詰めていく。そして、残り3周でその差は2秒を切ったものの、先行する#6 Toyotaを抜くまでにはいたらず、6時間、244周におよぶ戦いは、トップから1秒439遅れの2位でフィニッシュ。惜しくも優勝を逃した。
レース後、Audi Motorsportのウォルフガング・ウルリッヒ代表は「僅差で2位となったものの、ルーカス・ディ・グラッシ、ロイック・デュバル、オリバー・ジャービスの3人は、非常に素晴らしいパフォーマンスとファイティング スピリッツを発揮しました。彼らに加え、素晴らしいチーム力を発揮してくれた、富士に来たクルーやノイブルクとネッカーズルムでサポートしているすべてのチーム員に心から感謝しています。残念ながら7号車は、テクニカルトラブルに見舞われてしまいました。2度目のトラブル発生に対し誠に遺憾に思います。次回のレースでは、1-2フィニッシュを飾ることを望みます」と語った。
次回の第8戦は11月6日に上海で開催される。
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1年ぶりにWECが日本に帰ってきた。富士スピードウェイでの開催は2012年から5年目を迎えたが、Audiは過去一度も富士での優勝がない。シリーズタイトルを狙ううえでも、ここ富士で勝利を手に入れたいAudiである。雲ひとつない快晴に恵まれた15日、ドライバー2人のベストラップの平均で争われる20分間の予選が行われた。LMPクラスは14:30からスタート。Audiは#7 Audi R18をブノワ・トレルイエとアンドレ・ロッテラー、#8 Audi R18をルーカス・ディ・グラッシとロイック・デュバルがドライブした。
1分23秒台の戦いとなった予選は、#8のディ・グラッシが1分23秒854を叩き出したのち、チームメイトのデュバルがそれをさらに上回る1分23秒286をマーク、平均1分23秒570でトップに躍り出る。
その後、Audiのポールポジションを阻もうと#1 Porscheが最後までアタックを続けるが、平均タイムは1分23秒595と#8にわずかに及ばず、#8のポールポジションが確定した。
予選後、ディ・グラッシは「アタック開始時点ではタイヤの状態が完璧だったのですが、アタック1周目にトラフィックに引っかかってしまいました。しかし、その後のアタック時でもタイヤの状態が保たれていたことに感謝しています」。また、デュバルは「予選が始まった時点で、今回は並外れた接戦になるなと予感しました。ルーカス(・ディ・グラッシ)は、トラフィックに巻き込まれるという不運に見舞われてしまいましたが、私がアタックした時にはその心配はなくなっていました。今回のポールポジションは、私たちドライバーだけでなく、メカニック、エンジニアなどチーム全員が全力で為し得た素晴らしいパフォーマンスによって得られたものだと思っています」とコメントしている。
一方、#7のトレルイエとロッテラーは1分23秒856で5番手という結果。トレルイエは「2度も他のマシーンに行く手を阻まれ、予選への集中力が途絶えてしまった。再び集中してアタックしたものの、ターン15で少しだけベストラインを外してしまった。それが、これ以上のタイムを出せなかった理由です」と述べている。
決勝が行われた16日も富士スピードウェイは好天に恵まれ、約3万2700人のファンがレースの行方を見守ることになった。6時間のレースは17時のゴールに向けて11時にスタート。ポールポジションからスタートした#8 Audi R18は真っ先に1コーナーに飛び込み、そのままレースをリードする展開となった。
一方、#7 Audi R18はスタート後にポジションを1つ上げて4番手に浮上したが、わずか18周目にハイブリッドシステムのMGU(モータージェネレーターユニット)にトラブルが発生しピットストップ。チームは走行を続けるためにフロントのドライブシャフトを取り外して、再びマシーンをコースに送り出したが、この対応に約2時間を要し、優勝にはほど遠い状況となっていた。その後、#7の状態が車両規則違反にあたるとの指摘をFIAから受け、リタイヤとなる。
Audi Motorsportのウォルフガング・ウルリッヒ代表は「今回の事態は、非常に遺憾に思っています。チームは、本来の耐久レースの精神に則り、その時点で出来うるかぎりの努力と判断をもって、マシーンを完走させようとしていました」と述べた。
コース上では、#8 Audi R18と#6 Toyota TS050 - Hybrid、そして、#1 Porsche 919 Hybridが同一周回で三つ巴のトップ争いを演じる。ピットストップで順位は入れ替わるものの、各車が出揃えば#8 Audi R18がトップに戻り、#6 Toyotaと#1 Porscheが2位を争うというシーンが繰り返された。
レースは僅差のまま終盤を迎え、残り1時間を切ったところで各車最後のピットストップへ。トップ走行中の#8 Audiがまず最初にピットへ向かう。その4周後に#6 Toyotaがピットインするが、ここで#6は給油のみとすることで作業時間を節約。その作戦が功を奏して、#8 Audiの前でコースインすることに成功。この時点で#6 Toyotaは#8 Audiに対して約11秒のアドバンテージを手にしている。
このあと#1 Porscheがピットインし、#8 Audiの後方でコースに復帰したことで、優勝の行方は#6 Toyotaの小林可夢偉と#8 Audiのデュバルとの戦いに委ねられた。
#8 Audiのデュバルは、残り30分あまりでトップに躍り出るべく猛追を開始。222周目にはファステストラップをマークするなどして、#6 Toyotaとの差を8秒、6秒、3秒と詰めていく。そして、残り3周でその差は2秒を切ったものの、先行する#6 Toyotaを抜くまでにはいたらず、6時間、244周におよぶ戦いは、トップから1秒439遅れの2位でフィニッシュ。惜しくも優勝を逃した。
レース後、Audi Motorsportのウォルフガング・ウルリッヒ代表は「僅差で2位となったものの、ルーカス・ディ・グラッシ、ロイック・デュバル、オリバー・ジャービスの3人は、非常に素晴らしいパフォーマンスとファイティング スピリッツを発揮しました。彼らに加え、素晴らしいチーム力を発揮してくれた、富士に来たクルーやノイブルクとネッカーズルムでサポートしているすべてのチーム員に心から感謝しています。残念ながら7号車は、テクニカルトラブルに見舞われてしまいました。2度目のトラブル発生に対し誠に遺憾に思います。次回のレースでは、1-2フィニッシュを飾ることを望みます」と語った。
次回の第8戦は11月6日に上海で開催される。
(Text & photos by Satoshi Ubukata)