「Volkswagen ID. Tiguan」に早くも試乗! 「Volkswagen ID.4」がID. Tiguanに。ほかはすべてそのまま?
※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

ここ数カ月、ほとんど公然の秘密となっていたことが、ついに正式に発表された。Volkswagen ID.4と「Volkswagen ID.5」は過去のものとなり、ID. Tiguanが登場する。そして、この新型車には大きな期待がかかっている。
「Volkswagen ID. Polo」が先行予約で高いハードルを設定しただけではない。納車までの待ち時間は最大10カ月に達しているという。さらに、従来モデルも、さまざまな批判を受けながら好調に売れていた。ID.4とID.5の累計生産台数は90万台を超える。ID. Tiguanへの期待が高いのも当然だ!
そろそろ、その実力を確かめるとしよう。正式なワールドプレミアに先立ち、AUTO BILDはID. Tiguanを試乗する機会を得た。ただし、カモフラージュに惑わされてはいけない。ポラロイド写真風のラッピングの下に隠れているのは、2027年春に発売される量産仕様のクルマである。

アシストグリップが復活
乗り込むなり、まずは小さな加点ポイントが見つかった。従来型のアシストグリップが復活しているのだ。ただし、コックピットはまだほとんど見えない。Volkswagenは念入りにカモフラージュを施している。
とりわけ目を引くのは、ヘッドレスト一体型のスポーティーなシートだ。これはR-Lineの設定を示唆しているのだろうか? ID. Poloでおなじみのステアリングホイールを見ると、その疑いはさらに強まる。エアバッグカバーの下にはテープで隠された部分があり、どう見てもR-Lineのロゴらしい。ID.モデルにR-Lineパッケージが設定されれば、初めてのことになる。
ID. Tiguanの最上位モデルは299PS
尋ねてみると、私が乗っているのは、次期ID. Tiguanの現時点での最上位モデルだという。名称は「Pro 4Motion」。2基の電気モーターを搭載する4WDモデルで、最高出力は220kW、つまり299PSだ。
Volkswagenによれば、77kWhのバッテリーによって、最大560kmの航続距離を実現するという。ただし、この数値は型式認証までに多少変わる可能性がある。

走り出してすぐに、ID. Tiguanには慣れ親しんだ感覚がある。他のID.モデルと同様、ステアリングコラムのレバーで走行モードを選択する。私は自然とレバーを「B」に回し、ワンペダルドライビングを試す。完全停止まで、申し分なく機能する。回生ブレーキは2段階に設定でき、完全にオフにすることも可能だ。
DCCをチューニング
細部を改良したアダプティブシャシーコントロール「DCC」は、第一印象では非常にバランスがいい。21インチホイールを履いているにもかかわらず、硬すぎることもない。
プログレッシブステアリングは手応えがよく、低速でも軽すぎない。小回りが利く点も、明確な長所だ。さらに、ID. Tiguanの車内は心地よいほど静かである。
部分的に覆われたデジタルコックピットから、平均電費の表示がちらりと見える。表示値は19.9kWh/100km。ただし、直近では短距離の走行しかしていないため、あまり参考になる数値ではない。
「コンフォート」から「スポーツ」モードへ切り替える。Volkswagenが公表する0-100km/h加速は6.3秒。立派な数値ではあるが、出力至上主義の電気自動車の世界では、驚くほどのものではない。最高速度180km/hについても同じことがいえる。
DC急速充電は最大165kWにとどまる
最大165kWというDC急速充電の出力も、際立ったものではない。ライバルの中には、はるかに高い出力に対応するモデルもある。ただし、Volkswagenは充電曲線を工夫し、バッテリー残量10%から80%までの充電時間を、わずか29分としている。
牽引能力が2トンに引き上げられた点は好ましい。従来のID.4とID.5では、最大1.8トンだった。最上位モデルには、常時4WDとなる「トラクション」モードも用意される。

ここで、ほかのパワートレインにも目を向けよう。VolkswagenはPro 4Motionに加え、後輪駆動の「Pure」と「Pro」を設定する。エントリーモデルの最高出力は140kW(190PS)で、58kWhのLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーを搭載する。最大航続距離は450kmとされるが、充電出力は105kWにとどまる。また、最高速度は160km/hに制限される。
航続距離は最大600km
ID. Tiguan Proは、Volkswagenの言葉を借りれば「航続距離のチャンピオン」だ。Pro 4Motionと同じ77kWhのNMC(三元系リチウムイオン)バッテリーを搭載するが、最大600kmの航続距離を実現するという。最高出力も210kW(286PS)で、最上位モデルにほとんど引けを取らない。
これらの諸元に見覚えがあるとすれば、その理由は明快だ。新型ID. Tiguanには、2026年3月からID.4とID.5に採用されているものと同じパワートレインが搭載される。ここでの合言葉は、明らかに「革命よりも進化」である。
ID. Tiguanの価格はいくら?
こうした背景を踏まえると、VolkswagenがID. Tiguanにどのような価格を設定するのかは、とりわけ興味深い。従来型ID.4の直近の価格は40,580ユーロ(約751万円)からだった。したがって、ID. Tiguan Pureの価格は43,000ユーロ(約796万円)を超えるべきではないだろう。ただし、価格表はまだ厳重に伏せられている。
結論
今回のごく短い初試乗では、確かな評価を下せるほどの手応えは得られなかった。ID. Tiguanは速く、足まわりのバランスもよさそうで、車内の静粛性も心地よい。インテリアがどうなるのか、実に気になる。そしてもちろん、エントリーモデルの価格も!
(Text by Jan Götze / Photos by Volkswagen)


