■Rabbit / Golf GTI ■Green Light Collectibles (U.S.A) ■1/64

まさかここまでやってるとは思いませんでした。

画像1: Golfgang Nr.318:Rabbit / Golf GTI

「GreenLight Collectibles」が手がけたこの2台の初代Golfのミニカーは、よく見るとその作り分けの細かさに驚かされます。

ライトブルーの1台は北米仕様の「1977 Rabbit」、やや濃いブルーの方はヨーロッパ仕様の「1982 Golf GTI」。

画像2: Golfgang Nr.318:Rabbit / Golf GTI

パッケージの表記が違っているなぁ、とは思っていたのですが、しっかり年式まで入れているだけあって、同じ型を色違いで塗り分けただけ・・・ではなかったのです。

画像3: Golfgang Nr.318:Rabbit / Golf GTI

Rabbitの方は、スモールテールに丸目2灯、細身のバンパー、そしてMk1オリジナルの鉄チンホイールと、1970年代の初期型の雰囲気をしっかりと再現しています。

ウィンカーの位置がUS仕様ですね。Rabbitといえば角目の印象がありますが、初期のモデルは丸目で、1980年あたりから変わって行ったようです。

画像4: Golfgang Nr.318:Rabbit / Golf GTI

対してGolf GTIの方は、4灯グリルに太めのバンパー、そしてワイドなテールランプを備えた後期型。

ホイールもBBS風です。

このように、ぱっと見の印象は似ている2台ですが、細部を見ると完全に異なる型が起こされています。

さらに驚いたのは、ハンドル位置が作り分けられている点。

画像5: Golfgang Nr.318:Rabbit / Golf GTI

Rabbitは左、Golfは右。右ハンドル仕様はイギリス市場でも意識しているのでしょうか。

右ハンドルはとても珍しいです。

VWミニカーの世界では、同じメーカーの同型車でここまで細かくバリエーションが用意される例はあまりなく、コストや手間を考えると、企画段階での相当なこだわりが感じられます。

GreenLightはアメリカ・インディアナ州発のブランドで、映画やドラマの劇中車、警察車両などで知られていますが、クラシックカーへのアプローチも非常に丁寧です。

画像6: Golfgang Nr.318:Rabbit / Golf GTI

Golf Mk1は「Hot Hatches」や「Club Vee-Dub」などのシリーズに登場し、凝ったパッケージに入った製品もあり、"当時の文化ごと”ミニカーとして残そうという意志を感じさせてくれます。

「ただの色違い」と思って手に取った2台が、実は市場・時代・仕様の違いをしっかり反映した別物だった。

この驚きがあるから、ミニカー収集は面白いのです。

画像7: Golfgang Nr.318:Rabbit / Golf GTI

das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。

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