いよいよ日本でもデリバリーが開始された「Golf8.5 GTI」。「Golf8 GTI」オーナーの私としては、ちょっとうらやましく思えるところがいくつかありました。

マイナーチェンジ版の印象は下記の試乗記をご覧いただくとして、エンジンのパワーアップや乗り味のブラッシュアップ、センターディスプレイの使い勝手の向上以外にも、いくつか気づいた点があります。
まずはキーレスアクセスの仕様変更。Golf8には「自動解錠」機能が搭載されていて、設定を有効にして、リモコンキーを持ってクルマに近づくと、フロントのドアハンドルに触れたり、リモコンキーのボタンを押したりしなくても、自動的にロックが解除されます。あると便利な機能ですが、私は使っていませんでした。
というのも、Golf8の場合は自動解錠のみで、「自動施錠」がなかったからです。自動施錠がないと困るのがテールゲートを操作したあとです。どういうことかというと……。
自動解錠を無効にしている場合、リモコンキーを持っている状態でテールゲートのVWマークを操作すると、テールゲートだけを開けることができます。荷物を出し入れしたあとテールゲートを閉めると、車両が施錠されるのです。
一方、自動解錠が有効な場合、車両に近づいただけで、テールゲートを含めてすべてのロックが解錠されるのはいいのですが、テールゲートを開け、荷物を出し入れし、テールゲートを閉めただけではロックは解錠されたままです。施錠するには、クルマのうしろ側から横に移動してフロントのドアハンドルに触れるか、わざわざリモコンキー取り出して操作する必要があるのです。テールゲート側に施錠用のスイッチがあればいいのですが、残念ながらそれはありません。
つまり、テールゲートを開け閉めして、荷物を出し入れする場合にかぎれば、自動解錠を無効にしていたほうがラクということになります。結局、私の場合は、荷物を出し入れするときを重視して、自動解錠を無効にしています。
その点、Golf8.5では、自動施錠機能が追加されたおかげで、テールゲート問題が解消しました。ハッチバックのユーザーはもちろんのこと、Variantユーザーには朗報ですね!

Golf8 GTIとGolf8.5 GTIでは「コースティング」も変わりました。コースティングとは、走行中にアクセルペダルをオフにすると、DSGがクラッチを切り、エンジンブレーキを効かせずに惰力走行する機能のことです。燃費を稼ぐには有利ですが、アクセルペダルをオフにすると頻繁にコースティングが作動し、たとえば先行車がある場合には車間距離が詰まってしまうこともよくあります。
「D」で走行中にコースティングに切り替わった場合に、パドルの「-」を操作すると「D」のままでコースティングが解除されます。さらに「-」を操作するとマニュアルでギヤがシフトダウンできるので、より強いエンジンブレーキを得ることも可能。ただ、頻繁にパドルを操作するのは正直面倒でした。
その点、Golf8.5 GTIでは、ドライビングプロファイルでエコモードを選んだときだけコースティングが機能し、コンフォートモードではコースティングが働かなくなりました。TDIではマイナーチェンジ前からこの仕様でしたので、GTIもそれにならったようです。

こういった改良をGolf8向けに、WiFiやモバイル通信により、制御ソフトやアプリケーションを最新版に更新する「OTA(Over-the-Air)アップデート」で行ってくれるといいんですけどね!
(Text & Photos by Satoshi Ubukata)