■Concept R ■NOREV(France) ■75mm
とてもカッコいいです。
でも、こんなフォルクスワーゲンあった?と思われる方も多いでしょう。
最高速度250km/h、265psとシャーシに刻まれているこのスタイリッシュなオープン2シーターは、2003年秋、フランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカーです。
かなり本気で生産するつもりだった、と過去の資料を紐解くと書いてあるのですが、結局量産モデルが生まれることなく、今日まで来ています。
どことなく2006年に登場したEOSに面影が似ている気もしますが、もちろんEOSはミッドシップではありませんし、4人乗りでした。
さて、このConcept R、プロトタイプのエンジンはV6、ミッションはDSGで後輪駆動。
ミッドエンジンのロードスターというのは、当時のフォルクスワーゲンのプラットフォームには存在しないレイアウトだったので、ずいぶん挑戦的な発表だったと思われます。
最高速度はリミッターが作動する250km/h、リミッターをはずせば267km/hに到達すると謳われていました。
フロントのデザインは、当時の他の量産モデルと似た雰囲気を持っていますね。
サイドビューもリヤも美しく、ヘッドレスト後方の造形も1950年代のスポーツカーのようなエレガントさを持っています。
その辺りを意識してか、ボンネットの助手席側にガソリンフィラーキャップが配置されているのも、コンセプトカーならでは、な気がします。
すっきりとしたサイドビューのホイールアーチ周りは、どことなくNew BeetleやAudi TTようなシンプルな円モチーフを想起させ、とても複雑なラインを持つイマドキの自動車デザインと比べると、シンプルで力強いですね。
素敵なブルーのボディカラーはフローズンスカイ、というようです。
ミッドシップレイアウトはエンジンでは難しいだろうけど、今ならEV技術がハマりそうです。
このクルマの雰囲気は好きなので、最先端パワーユニットで再登場しないかなぁ。
でも、このデザイン、雨降ってきたらどうするんだろう…。
das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます