■Golf GTI ■FABIANTOYS erectronics (Italy) ■1/15
いい感じです。
これぞ Golf玩具です。スモールテールのGTI、実車は1976年のデビューですから、このオモチャもその頃のモノだろうと思います。
実に半世紀近く前のGolf玩具です。
その昔、スイスの 「プラ製Golf専門コレクター」という変態さんから譲り受けたこの一台、1/15とハッキリとシャシーに刻印されています。
1/15って、ミニカーの世界では珍しいスケールで、わりと大きめ、全長では23cmほどあります。厚手のプラ製、ボディカラーは塗装ではなく成形色のままで、昔のオモチャにあったブルーの窓パーツも相まってノスタルジー感全開。
そして、さすがイタリア製、CADなどない時代の原型師さんの観察力と腕前が、実車の雰囲気を豊かに再現しています。
スクエアに見えて微妙にラウンドしたボディ側面、絞り込まれた裾、マエストロ・ジウジアーロが描いたプロポーションが見事に写し取られており、オモチャ箱に無造作に投げ入れるのが憚られる雰囲気です。
とは言え、観賞用のモデルではなく、電動玩具になっており、単3電池を入れると、現在でも後輪が駆動し(FFでないところはご愛嬌)、 ヘッドライトも点灯します。そして、不規則に向きを変えて走り回る あの「ミステリーアクション機構」も健在。
イタリアのお子さまに乱暴に扱われた跡もなく、よい雰囲気を保ち、 ビニール製のステッカーも、剥がれることなく綺麗に残っていて、イカシた旧書体の「GOLFロゴ」が、これまたいい味を醸し出しています。
左右できちんとエンブレムと「GOLFロゴ」の順序を入れ替えているのもひと手間かかっていますね。ボディをよーく観察すると、ボンネットの右隅に穴が開いています。
これは間違いなく、アンテナ用の穴ですね。同じボディで、ラジコン仕様があったことを窺わせます。ダテに社名にelectronicsが入ってるわけじゃないですね。
シャシー側も観察しますと、メインスイッチの他に使われていない穴が二つ。
おそらく、ラジコン仕様の場合にスピードが二段階で選べたり、2台で遊ぶときの周波数選択だったりしたのではないかなぁ、と。ステアリング機構は無さそうなので、ミステリーアクションの補助輪を使って「左だけ」に曲がる仕組みだったと思われます。
話は逸れますが、この”片方にしか曲がらない”ポルシェ917Kが私のラジコンデビュー…小学校低学年のときでした。お友達が持っていた前後左右フルアクション操作が可能な935が羨ましくて。
だからと言って、後々ラジコンを”オトナ買い”したりは、ちょっとしかしてません。いろいろ想い出させてくれるタイムマシンのようなGolf玩具でした。
das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます