■Golf ■All over the world ■All scale
おかげさまで、Das kleine Golfgang(ゴルフの小さな玩具)は、今回で300回目。
いちコレクターの偏った趣味にお付き合いくださる方、編集および2009年よりこの場を設けてくださった8Speed.netの皆さまに心よりお礼申し上げます。
途中からお読みいただいている方も多いかと存じますので、この機会に改めて私がGolfにハマったきっかけ、ミニカー収集に目覚めたいきさつについて軽く触れさせていただきます。
私とトリコにしたのは、免許取得後に初めて買ったナス紺色のGolf Ci(1988)。
あれは1992年、実家近くにYANASEの中古車センターがあったのですが、そこで予算内でたまたま目にしたGolfに試乗したところ、走り出しの10mで眼から鱗が1000枚くらい落ちたのです。
実家にあった国産セダンとは何もかも違うその乗り味に一瞬で心を掴まれ、その後、愛車として乗り回し、関連文献を読み漁るうちに、私はGolfという自動車の姿形から哲学、思想に至るまでとことん惚れ込むことになったのです。
アクセルやステアリングの確かな重さ、ボディの剛性感、高速での直進安定性からお洒落な音色のダブルホーンまで...なんの予備知識もなく試乗した西ドイツ製の小さな欧州車にすっかり魅せられました。
Golfの思想に触れるにつけ、これは初代を知らねばならない、と思うようになり、2002年には、1980年式のGolf E通称「ミズイロ号」をガレージに迎えました。
そこから今日に至るまで、私が買った8台のクルマはすべてがGolf。
いまもGolfばっかり5台持ち、というGolfバカでございます。
そして、ミニチュアカー、ミニカー。
今現在5500台を超えて、もう台数はどうでもよくなってるのですが、もちろん最初は1台だったのです。
私がGolf2に乗っていると聞きつけた仕事仲間が「ウチにいらないGolfのミニカーがあるからあげる」と言って譲ってくれた黒いGolf2が正真正銘、最初の一台です。
「Golfのミニカーなんてあるんだ!?」というのがそのときの私の正直な気持ちで、フェラーリのようなスーパーカーでもない、ドイツのカローラと言われた実用車が、趣味のミニカーになっているというのは想像できなかったのです。
しかし、その一台を手にしたことで火がつきました。
当時はまだインターネットすら普及しておらず、ネットオークションなど存在しない時代。
思いつく限りのオモチャ屋さんや模型店に探しにいくわけですが、どういうわけか全然Golfのミニカーが見つかりません。
まず手に入ったのはプラモデルでした。
まだ市中にはGolf2が現役で走っていた時代、よく目にする車なのに、ミニカーが見つからない。
調べていくウチに、多くのミニカーは新車登場時に一気に造られて、それが売り切れたらしばらくは造られない、ということがわかってきました。
そして、絶版ミニカー・中古ミニカーを扱っている専門店の存在を知ります。
そうこうしているウチに、最初の山場を迎えたのは、やはり本国ドイツへの遠征。
ここで一気に70台のGolfを捕獲。
そして、1990年代も後半になると、ボチボチネットオークションが出現します。
最初は、あのebayも、誰のアイテムに幾らで入札して、いつ発送されて……というのを手で記録していたのです。
そうやって、ようやくGolfを見つけては捕獲、という感じで、少しずつ集まり出しました。
実車も、ミニカーも、とことんやっているといろんなご縁が広がる...次回はそんなお話をしたいと思います。
das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます