■Caddy ■1/18 ■Handmade ■Golfsrudel
今回紹介するのは、“VW Caddyの骨組み”のミニチュアです。
ドアもタイヤもありませんので、ミニカーコラムの題材にして良いか、甚だ疑問です。
そして、このミニチュアは、実車のCaddyを買った私に、オーナーがサプライズでプレゼントしてくれたものなのです。こんな市販品があるはずありません。
フルスクラッチです。おそらくレジンかと思うのですが、3Dプリンタではなく、手製のようです。スケールは1/18、キャスターのついたパレットに載っています。
実車のCaddyを買った、と申しましたが、まさに、この状態のCaddyを買いました。クルマを買ったというより、骨を買ったに近い...。
Golf1好きとして長年気になっていた、Golfのピックアップトラック版である、Caddyというクルマの骨を買ったのです。私も相当イカれてきました。
譲ってくれたのは、オーストリアの世界的実車Golf コレクター、ヨーゼフ氏。
このコラムでも以前取り上げさせていただいてますが、1/1スケールのGolfを100台以上所有し、Caddyだけでも10台以上あるという筋金入りの変態Golferです。
●Golfgang Nr.292:Caddy+Tischer
https://8speed.net/vw/17629633
なかなか手に入らないCaddy、ヨーゼフなら情報あるかも、と思って聞いて出てきたのが、この状態のCaddyだったのです。
なんという買い物!と私も思いますが、なんといっても特筆すべきは、30年を経てまったくサビのない新品のようなシャシー。
もともとこれをベースにキャンピングカーを作ろうと考えていた私には、もってこいの素材だったわけです。
「部品は全部とってある!」とヨーゼフも胸を張るし、なによりサビがまったくないというのは奇跡のようです。
で、買うことにして、あれこれ調べていたら、この状態-フレームとその他パーツがバラバラ-で輸入すると、「二度と自動車として国内登録ができない」という衝撃の事実に行き当たり、最終的には「自動車の姿」に見えるまであれこれパーツを復元してもらうことになりました。
その復元作業は、オーストリアのヨーゼフの博物館”Golfsrudel”裏で行われ、私もそこで一部始終を見ておりまして、目の前でサスやらエンジンやらが組み付けられていく様子は、さながら自動車工場そのもの。
別途その様子をまとめた動画がありますので、ご覧いただければ幸いです。
その復元作業が終わって宿に帰ろう、という時、ヨーゼフがニヤニヤしながら私を手招きし、1/18スケールのコンテナの扉を開けました。
そして、引出されたのが、この”骨Caddy”のミニチュア。
製作は友人だということですが、この姿を再現するとは、変態すぎて愛おしいのです。
カーゴトップの「走ってる人のシルエット」は、ヨーゼフの本業のロゴです。
ヨーゼフは、煙突掃除のマイスター。オーストリアでの煙突掃除職人は、幸運をもたらす存在としてシルクハット姿で描かれるのだそうです。
さて、このCaddy、コンテナ船でついに日本へやってきました。
もたらされるのは、至福のカーライフか、果てなきイバラの道か。
1983年式Caddy Mk1、2年かけて蘇らせます。
●project caddy youtube
https://youtu.be/4-GZNW_zBPM
●ヨーゼフの博物館
http://golfsrudel.at/
das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。