2021年3月16日、フォルクスワーゲン グループは、今後の電動化やコネクテッド技術の搭載に向けて、新たなプラットフォーム戦略を明らかにした。
新たなプラットフォーム戦略は、グループ傘下ブランドのハードウェア、ソフトウェア、バッテリー、モビリティサービスについて、ほぼ標準化された技術的基盤を利用するというものだ。
たとえば電気自動車のハードウェアは、すでにID.シリーズで利用されるMEB(モジュラー エレクトリック ドライブツールキット)に加えて、2022年にはアウディやポルシェ向けのPPE(プレミアム プラットフォーム エレクトリック)を投入。さらに、2020年代なかばまでにSSP(スケーラブル システム プラットフォーム)を開発し、全ブランドの全セグメントに対応する考えだ。
車載コネクティビティとソフトウェアは、Car.Software-Org.が提供するVW.OSオペレーティングシステムがベースとなる。そのバージョン1.2をPPEに対応させるとともに、その後、バージョン2.0をSSPに対応させ、グループ全体に展開する。それまでに自動車用ソフトウェアの内製率を現在の10%から60%に引き上げる。
バッテリーについては、セルの統一化を図るとともに、バッテリーセルの技術開発や、原材料の95%をリサイクルするネットワークを確立。生産については、2030年までに6つのバッテリーセル工場を稼働させ、年間240GWh相当のセルを生産する予定だ。これらの取り組みにより、バッテリーのコストを、エントリーレベルのセグメントで50%、ボリュームレベルのセグメントで30%削減することを目指す。
モビリティサービスについては、現在、MOISライドプーリングサービス、WeShareカーシェアリングサービス、VWバンクが提供するサブスクリプションサービスなどがあり、それぞれを発展させていくという。
フォルクスワーゲン グループCEOのヘルベルト・ディース氏は、「フォルクスワーゲンは、モビリティの新しい世界においても、プラットフォームのチャンピオンになります。ロードマップは、これがどのように達成されるかを明確に示しており、これによって、ソフトウェア主導のモビリティグループへの変革を加速することができます」と語り、新しい時代においてもフォルクスワーゲン グループがモビリティのリーダーであり続けたいとしている。
(Text by Satoshi Ubukata)