■Scirocco ■PIREN S.A(Spain) ■1/43
■Scirocco ■Meccano(United Kingdom) ■1/43 ■DINKY TOYS
通常の三倍。
大佐の赤いモビルスーツの話ではありません。見た目には同じミニカーですが、この二台のシロッコは中古市場での価格差が三倍以上あるのです。
かたや30ユーロだとすると、もう一台は100ユーロ超えで、それはシャシーに刻まれた製造元の違いによります。このサイズのミニカーで100ユーロ超えは、ちょっと高過ぎ、プレミアのついたビンテージミニカーの域です。
高値がつくのは、ほんの少しだけボディカラーが淡いほう。こちらには英国に最初に誕生した伝統あるミニカーブランド、DINKY TOYSの刻印が入っています。生産はMeccano社。
もう一台は、色もホイールや内装もほぼ同じと言えるものですが、シャシーにはスペインのメーカー、PIRENの刻印があり、台座に固定するためのネジ穴があります。
おそらく製造が英国からスペインに移管されたときにDINKYブランドが外されたのだと推測できますが、“元祖英国製”ということが希少価値となって“DINKYのシロッコ”は高値が付いているのでしょう。DINKYはそのレトロなイラスト入りの紙箱も価値ありとされ、高値で売るならパッケージの保管はマストです。
私はこの“DINKYのシロッコ”をドイツのフリマで安価にて入手しました……100ユーロなんて出せません。
売主が価値に気づいていなかった可能性もありますが、よくよく見ると、DINKY刻印なのに生産は「SPAIN」とあります。
個人的には、水冷フォルクスワーゲンであることが大事で、希少性ゆえの高値、には重きを置いておりませんが、ここが「ENGLAND」になってるモノがあるなら、それが正真正銘の“三倍高いヤツ”、になるのでしょうか。
◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西で作られてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。