■Golf ■Watch Q/Choro Quartz ■TAKARA (Japan)
なんというか、この、「昭和」感。
パッケージに描かれたワイヤフレームの腕、チョロQを時計にしてしまう発想、スターターにもなるディスプレイ台(メタル製)。
これを企画して商品化した時代のイキオイを感じます。
僕自身、クォーツという言葉やデジタル数字に底知れぬ未来を感じていた70年代後半、秋葉原で初めて「デジタル時計」を買ってもらった日は今でも鮮明に覚えています。
このGTIはチョロQを名乗っていますが、通常のチョロQよりはひと回り、いやふた回り小さい。
その中にプルバックのメカとクォーツ時計が収まっており(残念ながら今は作動しませんが)、なかなか技術的にもチャレンジングだったと思われます。
同梱の説明書によると、このWatch Qシリーズには他にフェアレディZ、カウンタック、F-15イーグル戦闘機、そしてロボットにコンポ(!?)がラインナップされていました。
当時の「男の子の憧れ」アイテムに初代Golf GTIを入れたというのはけっこう”ツウ”なチョイスだったのではないでしょうか。
おもちゃ箱の底のほうで眠りについたままの、こんな小さなアイテムにも、希望の未来へ突き進んでいた時代の熱量が残っています。
◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西で作られてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。