■ Golf
■ A/N(Greece)
■ 235mm
■ Battery Powered
いろいろ語りたいことのあるゴルフ1。もう、ずいぶん前にスイス在住の"ゴルフ玩具"コレクターからまとめ買いしたなかの一台だったのですが、珍しいのはギリシャという産地でしょう。初代ゴルフは、世界中で愛されたことの証しとしてミニカーやら玩具やらが、さまざまな国でつくられていますが、ギリシャ製というのはこれ以外見たことがありません。
いわゆる"リモコン"というジャンルで、コントローラーに単ニ電池が二本入る仕様です。
この手の玩具は、ステアリング機構もあることが多いのですが、コントローラーのボタンは前進・後進の二つで、左右のコントロールはさっくりと省かれています。
さて、外観です。サイドビューはなかなか端整、リヤのナンバープレート部分にPAPPA VW 1981と謎の刻印がありますが、特に問題ない造形。しかし、どうでしょう、このフロントグリル......。どんな資料をもとにしたらこのような顔つきになるのでしょうね。
あるいは、これがこのメーカーの味なのか。オリジナリティなのか。中央のエンブレムは"VW"と刻印されているものの、デザインはテキトーです。
相当投げやりなデザインの"GOLF"ステッカーも、この強烈なヘッドライトの前には思わずその存在がかすみます。
ちょっとヘンテコリンではありますが、30年前、ギリシャの子供たちが嬉々としてこのゴルフを走らせたのかと思うと、なんだかとってもホノボノした気持ちになるのです。
◆ das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西で作られてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介してゆきます。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。