130311-WRC-01.jpg2013年3月10日、WRC第3戦ラリーメキシコは最終日を終えて、フォルクスワーゲンのセバスチェン・オジェが優勝。第2戦のラリースウェーデンに続き、2連勝を果たした。

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今シーズン3戦目となるラリーメキシコは、シーズン初のグラベル(未舗装路)での戦い。そのうえ、標高2000m前後の高地での走行となるため、酸素濃度が低く、エンジンにもドライバーにも過酷な環境となる。

フォルクスワーゲン勢は初出場ながら、事前のテストで準備を整え、ラリーメキシコの起点となるメキシコ中部の都市、レオンに乗り込んだ。

ラリー初日の3月7日には、出走順を決める予選が行われ、セバスチェン・オジェが5番手、ヤリ-マティ・ラトバラが9番手のタイムをマーク。後方のほうが有利とされるこのメキシコでは、オジェが9番目、ラトバラが7番目のスタート順を選んだ。

同日の夜には、世界遺産の古都グアナファトの市街地コースでふたつのSSが行われ、SS2終了時点でオジェが首位に浮上した。

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翌8日は、一時は2番手に順位を落としたものの、最終的にはトップを奪い返したオジェ。 2位のフォードのオストベルグには33秒の差をつけた。

130311-WRC-07.jpg3日目の9日は、SSの途中で、何者かがコース上のゲートを閉めるというアクシデントに見舞われタイムロスを喫したが、ライバルたちにもマシーントラブルやパンクなどが発生、首位を守ることができた。
さらに、最終日も快走を続け、結局23のSS中16のステージでトップタイムをマークしたオジェは、2位のシトロエンのミッコ・ヒルボネンに3分28秒9の差をつけ2連勝を果たした。

「まるで夢のような気持ちです。ポロR WRCは完璧に走ってくれました。最高のマシーンをつくってくれたチームの皆に感謝しています。今夜は盛大にお祝いしたいですね。グラベルラリーのデビュー戦で勝利を飾ることができたことは、最高の想い出になりました。ドライバーズ選手権では、現時点で非常に大きな得点差を築いていますが、今年はまだ10戦も残っています。気を引き締めて残りのラリーも戦っていきたいと思います」と語った。

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一方、ラトバラは、SS3でマシーンを岩にヒットさせて、8日は走行不能に。

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しかし、9日と10日はラリーに戻り、ポロR WRCのドライビングに良い感触を得ている。

「金曜日の走行が始まってすぐにサスペンションを壊してしまい、非常に残念に思います。再出走してからは運転の方法や車両のセットアップを変えていろいろと試してみましたが、ラリー終盤になって自分とポロR WRCが噛み合ったような感触を受けました。操作性について、いまは手に取るように理解できます。このことは次戦のポルトガルに向けて大きな自信となりました。パワーステージでポイントを獲得できたこともその一助になっています」とコメントした。

130311-WRC-06.jpg第3戦を終え、フォルクスワーゲンモータースポーツのディレクター、ヨースト・カピートは「グラベルラリーの初戦で勝つことができるとは、正直予想していませんでした。もちろん勝利のため入念な準備をしているわけですが、この勝利はチーム全員が一丸となって完璧に戦ったからこその結果だと思っています」と述べた。
さらに「もちろん、ここにいる人たちだけでなく、ハノーバーやウォルフスブルクのメンバー全員も含めてです。そして、今回の結果でオジェ選手の能力の高さが証明されました。我々は今後も勝利に向かって挑戦していきます。本当によくやってくれたと思います。また、ラトバラ選手は不運な結果でしたが、その後も諦めず走り続けたことでポイントを得ることができました。これもまた尊敬に値すると思います」と語った。

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次の第4戦はグラベルラリーのポルトガル。ノルウェイ人ドライバー、アンドレア・ミケルセンが駆るポロR WRCも加わり、フォルクスワーゲンの活躍にはさらに期待がかかる。

(Text by Satoshi Ubukata)

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