100123ogu001.jpg ローマは一日にしてならず。ゴルフ2用汎用タワーバーの開発は、予想外に時間がかかっている。それは、理想を追求せんがためなのだが・・・


■いいものができそうな予感

試作品ができあがったという連絡を受け、オグラがゴルフ2のGTIを携えて横浜は都筑のオクヤマ(045-934-5334)を訪ねたのは、1月の19日。

100123ogu004.jpg前回のリポートでも記しているが、ゴルフ2用汎用ストラットタワーに対するショップサイドの主なリクエストは、左右に横たわることになるバーを脱着可能なものにすること。また、ステーのベースをタワーのトップを巻くドーナッツ形状にすることなど。オグラがワンオフで製作を依頼、オクヤマが開発したタワーバーは剛性のきわめて高い一体式で、それはほぼ競技用を専門としてきたオクヤマらしい実戦的な作り方。が、たとえば、エンジンを整備する時の外しやすさとかのサービス性までは考慮されておらず、メカニックにとっては問題。加えて、旧くなって見栄えの悪くなったタワーバーの交換、つまり代替えを考えている人にとっては、すでに開いてしまっている穴を隠す、あるいは流用できない形状であることがツライ。こういったところが、リクエストの背景にある。

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ご覧の通り、今度のオクヤマの試作品はそうした要望に見事に応えている。そればかりか、新たに、ベースから立つステーを2つにし、両端がY字型となるバーとして、さらにステーとバーの組付けは3本のボルトで行なう形にしていて、見るからに剛性が高そう。注目していただきたいのは、ドーナッツ形状のベース板上面には、まだ取り付け穴が少ない点。これは、代替えユーザーのために気配り。前述のように、すでに開いている穴を隠す、あるいはそれを取り付け穴としてそのまま使えるようにと、あえて穴を開けていないのだ。新規に取り付ける人のためには、穴開け推奨ポイントをポンチなどで打っておく予定。至れり尽くせり、というわけだ。

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ところが、フィッティングの段になって、いくつかマイナーなトラブルが発生した。ひとつは、右のタワートップにあるエアコンのラインが新しく設けられたステーに干渉してしまうこと。ひとつは、タワーサイド前側の取り付け穴にボルトを通して締め込んでいくと、ベース板の後ろ側が浮き上がってしまうこと。タワーのトップは、決して真っ平らではなかったのだ。それでも、若干の加工を繰り返して、なんとか仮留めの状態まで持っていくと、ほかには特に干渉するところもなく、気がかりだったラジエター・リザーブタンクのキャップもなんなく開けられるということも分かって、一安心。

100123ogu005.jpgもちろん、オクヤマでは、次の試作品でこうしたいくつかの問題点をすべて解消する予定。方向として出てきたのは、両端がY字形となるバー形状は継続しつつ、ベース板はタワーサイドにも取り付け穴を設ける形をやめ、単純なドーナッツ形状とするといったこと。「ドーナッツ形状でトップに3~4本のボルトで留めるタイプであれば、剛性も十分に確保できますよ」とは、奥山社長の弁。そんなわけで、ゴルフ2用汎用タワーバーの開発はまだ続く。いいものができそうな予感はある。次回、乞う、ご期待!

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