ロールケージ専門メーカーのオクヤマに製作を依頼していた、ゴルフ2のモータースポーツ用ともいうべきフロント・ストラットタワーバーが完成した。苦節、ほぼ1年。ようやく、完璧といえるものができあがった。
■前転の発想!?
オグラが
オグラが
ただ、オクヤマは、フロントのストラットタワーバーだけは、製品としてラインナップしなかった。各部品の接続をすべて溶接として一体式としたプロトタイプは、圧倒的な剛性を実現したものの、バーがスロットルボディのバタフライ軸の真上に来て、軸上端がバーに干渉する可能性があったのだ。もちろん、エンジンが静止状態では、相互の間隔が十分にあるように思えたが、実際にクルマをサーキットに持ち込んで走らせてみると、やはり当たってしまっていた。急激なクラッチミート、コーナリング中のアクセルのオンオフなどで、エンジンは大きく揺動するようなのだ。
その後、改めて開発したバーが脱着可能なタイプ(そこで、オクヤマが再度挑戦したのが、一体式のバーだ。汎用は汎用として別立てで開発することとし、モータースポーツ用というべきモデルを先に完成させる方向となった。試作品製作の過程で、おおよその空間設計が可能となっていたことから、今度は慎重にバーの曲げ角度を調整し、かつ、ステーのバー取り付け高さ自体も微調整。さらに、ここが一番のポイントだが、オーバルシェイプのバー自体をやや前転させてステーに繋げた。そうすることで、バー自体がやや前方に移動すると同時に、バタフライ軸上端とバーの間隔がさらに開くようになったのだ。ここは、まさに、ノウハウ豊かなオクヤマならでは発想!
■サーキット遊びにも使える!
もちろん、サーキットテストも実施した。ひと言でいえば、ノープロブレム!バタフライ軸上端、もちろん、ボンネットにも干渉することはなく、最初の試作品のあの圧倒的な剛性感が獲得されていた。
■サーキット遊びにも使える!
もちろん、サーキットテストも実施した。ひと言でいえば、ノープロブレム!バタフライ軸上端、もちろん、ボンネットにも干渉することはなく、最初の試作品のあの圧倒的な剛性感が獲得されていた。
このゴルフ2のボディ強化部品の開発は、本来、長年の使用でヤレが生まれているはずのボディに、新車時のような剛性を取り戻すというのが目的。その目的は、これで十分に果たされるばかりか、あるいはサーキット走行も可能という剛性レベルまでも獲得できたように思う。安全性と剛性を得ようとしてロールケージを組んでしまうと、日常的な実用性が損なわれてしまうが、これらのオクヤマのボディ強化部品を組み込むだけならば、そんな心配はまったく無用。少なくとも、剛性だけは必要にして十分というところ。そう、そこそこサーキット遊びにも使えるパーツといえるのだ。
もし、問題があるとすれば、剛性が上がりすぎるキライがないでもないことだが、そう思われる向きは、オクヤマがいま鋭意開発中の汎用タワーバー(ステー部がドーナッツ形状になる予定)を待ったほうがいいだろう。こちらはバーが脱着式となるため、剛性がやや低下すると思われるものの、それはゴルフ2にマッチングする剛性といえるものになるかもしれないからだ。