この部品は何だ?と思われる方も多いでしょう。 この部品は「リサーキュレーションバルブ」という部品です。一般的には「ブローオフバルブ」、「カットオフバルブ」とも呼ばれています。
さて、何が要注意か説明しますと、画像をよくご覧いただくとお分かりになると思いますが、オレンジ色のゴムの部分が破けてしまっています。このようにバルブが故障することで知らないうちに出力低下や燃費の悪化を招くことになってしまうのです。
このバルブは、AUDI、VWの2.0TFSIエンジンに装着されていますが、どのような働きをする部品なのかを簡単にご説明しましょう。
ターボチャージャーを装備している2.0TFSIユニットは、ターボチャージャーによって吸入空気を過給してエンジンのシリンダーへと送り込むことで、より高い出力を発生しています。ターボチャージャーが過給を行なっている際にアクセルを放す状況が運転中は必ず発生します。例えば、ブレーキをかけるときやシフトチェンジでアクセルを放すなどです。このような場合、スロットルバルブが閉じることで、ターボのコンプレッサーホイールとスロットルバルブ間の圧力が高くなります。圧力が高くなるとターボのコンプレッサーホイールに作用し、急激にコンプレッサーホイールの回転を低下させてしまいます。このような状況では次にアクセルを踏み返して再加速するときに過給圧が上昇するまでに時間を要すことになってしまいます。これがよく言われる「ターボラグ」です。
このような現象を防止する目的でターボエンジンには必ずターボのコンプレッサーホイールとスロットルバルブ間の圧力をアクセルオフ時に調整する機構が備わっているわけです。
では、リサーキュレーションバルブが故障するとなぜ出力が低下することになるのかをご説明します。
2.0TFSIユニットに採用されているリサーキュレーションバルブの構造は他のターボエンジンに採用されているブローオフバルブとは構造が異なり、かなり特殊な形状、構造をしています。このバルブは、二つの役割を担っています。一つは、アクセルを踏んでターボチャージャーが過給を行なっている時は発生した過給圧が低下しないように循環経路を塞いでいます。もう一つはアクセルを放した際に循環経路を開放してターボチャージャとスロットルバルブ間の圧力を逃がす役割です。循環経路というのは、ターボチャージャーが過給した吸入空気を再びターボチャージャーの吸入側にバイパスさせる経路です。この循環経路によりコンプレッサーホイールとスロットルバルブ間の圧力を下げることでターボタービンの回転数を維持してターボラグの発生を防止しているのです。
過給時に過給圧が低下しないように循環経路を塞ぐ構造に故障を引き起こす問題がありました。このバルブは開放時は通電することで吸引される構造になっていますが、循環経路を塞ぐ方向にはバルブの力は作用しません。ではどのように過給圧に打ち勝っているかというと、ターボチャージャーが発生する過給圧をバルブの内部に取り込むことで反力として作用して循環経路を塞いでいるのです。
この動作を繰り返すことで、バルブ内部のゴム製ダイアフラムが破けてしまうというトラブルが発生しています。この故障により、アクセルを踏んでいる最中にも過給された一部の吸入空気はエンジンへと運ばれずに再び吸入側へと循環を始めてしまい、設定された過給圧に達することが出来ずに出力の低下を発生させてしまうのです。当然、このような状態では燃費への影響もありますので、「最近、力がないような気がする・・・」と思われているユーザーは要注意です。
ちなみに、今回画像でご紹介している2種類の純正リサーキュレーションバルブですが、左側は今回ご紹介したトラブルが発生しない構造に改良されている新型バルブです。次回は新旧リサーキュレーションバルブ構造の違いと社外製パーツによる対策をご案内します。
2.0TFSIユニットに採用されているリサーキュレーションバルブの構造は他のターボエンジンに採用されているブローオフバルブとは構造が異なり、かなり特殊な形状、構造をしています。このバルブは、二つの役割を担っています。一つは、アクセルを踏んでターボチャージャーが過給を行なっている時は発生した過給圧が低下しないように循環経路を塞いでいます。もう一つはアクセルを放した際に循環経路を開放してターボチャージャとスロットルバルブ間の圧力を逃がす役割です。循環経路というのは、ターボチャージャーが過給した吸入空気を再びターボチャージャーの吸入側にバイパスさせる経路です。この循環経路によりコンプレッサーホイールとスロットルバルブ間の圧力を下げることでターボタービンの回転数を維持してターボラグの発生を防止しているのです。
過給時に過給圧が低下しないように循環経路を塞ぐ構造に故障を引き起こす問題がありました。このバルブは開放時は通電することで吸引される構造になっていますが、循環経路を塞ぐ方向にはバルブの力は作用しません。ではどのように過給圧に打ち勝っているかというと、ターボチャージャーが発生する過給圧をバルブの内部に取り込むことで反力として作用して循環経路を塞いでいるのです。
この動作を繰り返すことで、バルブ内部のゴム製ダイアフラムが破けてしまうというトラブルが発生しています。この故障により、アクセルを踏んでいる最中にも過給された一部の吸入空気はエンジンへと運ばれずに再び吸入側へと循環を始めてしまい、設定された過給圧に達することが出来ずに出力の低下を発生させてしまうのです。当然、このような状態では燃費への影響もありますので、「最近、力がないような気がする・・・」と思われているユーザーは要注意です。
ちなみに、今回画像でご紹介している2種類の純正リサーキュレーションバルブですが、左側は今回ご紹介したトラブルが発生しない構造に改良されている新型バルブです。次回は新旧リサーキュレーションバルブ構造の違いと社外製パーツによる対策をご案内します。