0904Maru02.JPGさて、昨年の8月のGTI カップ最終戦以来、約半年ぶりのサーキット走行。今シーズンに向けてのクルマの状態のチェックはもちろん、自分自身の感覚やリズム感のリハビリを兼ねての参加が目的です。効率よく冷静にトレーニングができるようにいろいろなアイデアを試したかったので、ノーマルパッドとほぼ使い切ったタイヤで走行してきました。

果たしてノーマルブレーキパッドは筑波サーキットでの使用に耐えられたのか?結論から言うと「止まる!」ということに関しては、ノーマルブレーキパッドは「使って使えないことは無い」ということがわかりました。

0904Maru05.JPGやはりレース用のパッドと比べるとローターをつかんだときの感触にやわらかさがありますが、冷感時からきちんと効き始めてくれるノーマルのパッドとしては当然のこと。そのやわらかい感触のため、ほんの少し手前からブレーキを踏み始めはしましたが、ずるずる制動距離が伸びることはありませんでした。またコーナーに入っていく際、ブレーキを抜いていく時のローター離れの感覚もよく、コントロールしやすかったのは嬉しい誤算でした。

ノーマルパッドとは言ってもさすがはGTI用。今どきのメーカー純正パッドはたいしたものです。ただし、やはりフェード(ブレーキの発熱温度が高くなり制動力が落ちてくる)の兆候が出始めるのが早く、いい感じで踏めていたのは1回目の走行の5、6周だけでした。2回目、3回目の走行枠では、4周目辺りからフェードのためブレーキの踏み込み量が深くなってきてしまった。どのコーナーも少しずつ、ブレーキポイントが手前手前になってきてしまっていました。

ただこれは十分予想の範囲であったし、全体を通すと全開で走ることができたのは10周程度だったとはいえ、レース用パッドのようにハードブレーキングしたためなのでいたし方ありません。コストパフォーマンスを考えれば制動力は十分。

ところが、一番問題だったのはサーキット走行中ではなく帰りに一般道を走っている時でした。最後の走行が終って2時間近くたってから帰路についたにもかかわらず、最初の赤信号で止まろうとしたとき、ほとんどブレーキペダルに足応えがなく一番奥まで踏み込んでも前車にギリギリのところまで行ってしまったのです。さすがにこれには心臓がとまりそうになりました。ずいぶん時間もたっていたので熱も冷め、フェード状態も落ち着いたと思っていたのですが・・・。甘かったようです。車間距離を開けてゆっくりと帰ってきたことで事なきを得ましたが、とにかく気を遣いました。

0904Maru011.JPG写真(銀色の新品パッドは社外品。新品時のパッドの厚さは純正パッドと同一なので参考まで)を見てもわかるように、たった45分、しかもそれほどブレーキに厳しくない筑波サーキットでもパッドは半分の厚さにまで減ってしまっていました。スポーツパッドやレース用パッドではここまでにはなりません。二日ほどおいてからパッドの交換にアドニスさんに行った際にはだいぶ足応えは戻っていましたが、それでもやはり普通ではない。キャリパーからパッドをはずしてみたら残量が少ないだけでなく表面が一部割れて剥がれてしまっていました。

ここで今回の「鍵」

【ブレーキパッドはケチらずサーキットにあったブレーキパッドをつけよう!】

0904Maru08.jpgやはり、昔から当たり前のように言われていた「サーキット走行前にはブレーキとオイル管理は特に念入りに!」というアドバイスは必須事項でした。サーキットで安心して走るためにはもちろん、サーキットからの帰り道にサーキット走行が原因で決して事故を起こしてはいけません。ブレーキの状態が悪かったために急ブレーキが効かなかったというのは立派な整備不良になります。サーキット走行を楽しむドライバーとして、一般道で他車に迷惑をかけることだけは最も避けなくてはならないことです。今回、あらためて痛感しました。ノーマルパッドの能力は十分高い。でも家に帰るまでがサーキット走行会!やはり「止まる」と言うことに関しては絶対に余裕を持つべきでしょう。

ブレーキパッドといっても数多くのメーカーがあり、メーカーごとの特色(踏み初めからガツン!と効くものや踏み込んだストロークに応じて効いてくるものなど)によってフィーリングは相当変わってきます。いたずらにハイスペックなモノは必要ありません。高額なレース用パッドはかなりの高温まで対応できますが、逆に一般道ではまず適温になることはなく、しかも冷感時にはほとんど性能を発揮できないために怖い思いをすることにもなりかねません。さらにメーカーごとに使用状況にあわせて、だいたい3種類ほど(イシカワエンジニアリングさんなどは5種類)は揃えています。すべてのパッドを試す機会はまずありません。どの程度のパッドが適当なのかは経験とデータのあるショップさんに相談してみるのが、時間的にも予算的にも一番手っ取り早い方法です。その際には決して見栄を張らず、逆に謙遜しすぎることもなく自分のスキルを話してみましょう。そうすることで客観的に自分を見直すこともできます。

(続く)

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