さて、前置きが長くなりました。こんな状態でも新しいパーツのテストは十分にできました。
◆「maniacs DSG Paddle Extension」
これはmaniacsさんが6月に発売する予定のステアリングシフトスイッチに両面テープで固定するタイプのパドルシフト。maniacsさんとしてはサーキット走行については推奨してはいませんが、実際に使ってみると全く問題のない仕上がりで、あまりの使い勝手のよさにシフトチェンジが楽しくさえ思えました。サーキット走行を推奨していないのは両面テープで固定していることが理由です。サーキット走行中に無意識のうちにステアリングを強く握り締めた状況でパドルシフトを操作すると、指先にかかる力が強すぎてパドルが外れてしまうおそれがあるから、というものでした。しかし、一般道ではもちろんサーキットでもそんな兆候はまったくありません。ノーマルのシフトスイッチ全体の面積を使い、隙間なく密着する作りになっているためか、僕自身が両面テープでの固定方式というものに抱いていたイメージとは違いました。まるでシフトスイッチそのものに接着したかのような安定感のある操作感で、余計な神経を遣わず操作できました。グローブをした状態でもパドルに指をかけ、またパドルから指を外してステアリングを握りなおすさいにも、引っかかるようなことはなく指抜けのよさも素手と変わらず完璧でした。ヘアピンでもパドルの長さは必要にして十分なもので、下方向の長さについても意外や特に物足りなさもない。もし、サーキット走行中に極端にステアリングを握り締めていないという自信のある方でしたら、このパドルはお勧めだと思います。DSGはSモードでもマニュアルモードと同等に速いですしリスクもありませんが、シフトチェンジはスポーツ走行での醍醐味の一つです。パドル操作でのシフトチェンジはさらに格別!そんなシフトチェンジの楽しさを再認識させてくれたパーツでした。
◆「シフトアップランプ」
実際にサーキットで使ってみると、もっと早くに着けておけばよかったと少々後悔しました。ノーマルのDSGのプログラムではマニュアル操作でもレッドゾーンに入ると自動的にシフトアップを行ってくれますが、カップカーのプログラムは自動的にシフトアップを行ってくれません。しかもレッドゾーンどころかレブリミッターに当たりっぱなしになってしまいます。サーキット走行中にはステアリングを握る手がメーターパネルを隠してしまうこともしばしば。場合によってはレブリミットにあたってしまい失速することもありました。しかし、このシフトアップランプがあればどんな状況でも確実にシフトアップのタイミングがわかります。「あれば助かるだろうな・・」と漠然と考えてはいましたが、こんなに使えるものとは思いませんでした。どうりで純正採用している(シビック タイプRなど)スポーツカーがあるはずです。気分的なもののために採用しているわけではありませんでした。パドルシフトとシフトアップランプ。この組み合わせは今のカップカーになくてはならない最高の組み合わせでした。ただ、Pivotさんではすでに生産中止になってしまっているようなので残念です。
◆「DSGオイルの交換とクラッチのクリアランス調整」
この効果は、現時点ではまだつかみ切れませんでした。というのも、クラッチのクリアランス調整等をしたさいに、「それまで学習されてきたプログラムが一度リセットされてしまい初めのうちは多少ギクシャク感が出てしまうおそれがある」とフォルクスワーゲン新宿の角さんから説明を受けており、ほんの些細な違いを判断するにはある程度の距離を走る必要があったためです。今のところ普段使いでは特にギクシャク感はありませんが、高温高負荷の状態ではたしてどうなるか?今回のオイル交換やクラッチ調整の効果を判断するのはGTIカップ初戦の岡山でのレースを走ってからにします。
◆「リアヘッドレスト交換タイプ車載カメラ用ステー」
これはサーキット走行でも問題なく安定した映像が撮れたのはもちろん、何より取付け取外しのしやすさは抜群でした。余計な時間を取られることもなく最高の使い勝手でした。ここに到るまでも様々なテストをし、安全性・安定性にまったく問題はなかったので、GTIカップで使用したい旨をVTA事務局に相談したところ、「使用許可申請書」を作成の上、写真を添付して郵送してくださいとの回答をいただきました。GTIカップはリアのトレーすら装着し忘れるとレース車検に通らないほどシビアなので(JAF戦なので仕方ないですが)、はたして許可がおりるかどうかは微妙ですが、わざわざ「使用許可申請書」を作成させるくらいですから望みは十分にありそうです。これを使えたらサーキットでのスケジュールに余裕が持てるので、ドライバーとしては許可がおりることを願うばかりです。(編集部注:後日VTA事務局より却下との連絡がありました。理由はヘッドレストの取外しを許可したという前例を作ると、速さにつながる車内のパーツの取外しや交換などを禁止できなくなるから、というものでした。)
最後に走行会全体のレポートを。今回はGWの最終日で、なおかつこんなに早い走行時間枠にも関わらず、多くの熱気あふれるフォルクスワーゲン・アウディたちが集っていました。タイムアタッククラスに18台。走行会クラスに23台。ビギナークラス(先導車がつきライン取りなどをレクチャーしてくれる)に5台。合計なんと46台!レースクラス無しでのこの台数は僕がゴルフカップでレースをしていた全盛期よりもはるかに多い台数だと思います。一時、ゴルフでサーキットを走る方が減る傾向にありましたが、ゴルフ5が登場し、そしてアウディTTがモデルチェンジした頃からサーキットを走る方がずいぶんと増えてきました。ゴルフカップや、サーキットトライアル以外にも、最近ではETCCというイベントでゴルフやアウディの参加者が定着してきているようです。このような状況は、サーキット走行を楽しむいちゴルフオーナーとしても、走る機会や選択肢が増えることになり本当に喜ばしいことです。
実はこの日、個人的に一番嬉しかったのは、むかし僕と苦労を共にしたゴルフⅡ「ムラサキ」を現オーナーのスピニングガレージ田中さんと相棒の小磯さんが、二人で別クラスにて走行するために筑波に持ち込んでくれたことでした。この「ムラサキ」。自分で仕上げて言うのもなんですが、いつ見てもカッコいい!
大好きなバイオレットブルーの車体もきれいですが、全体の佇まいや空気感がたまりません。二人で45分ずつ、あまり間をおくこと合計1時間半走り続けてもまったくトラブる様子もない仕上がりと状態はあの時のままでした。実に嬉しいサプライズ!田中さん、ありがとうございました。
冒頭でもお話したように、今回のコンディションは走行時間帯ごとに刻一刻と変わる状態でした。しかし、ドライバーのスキルも高くマナーも良いおかげで大きなトラブルもなく順調にスケジュールは進みました。3本目にはドライになっていたので多くのドライバーは消化不良になることもなくサーキット走行を満喫していたようです。やはり、せっかく車のコンディションを整えエントリーフィーを支払い、朝早くから筑波に集ったのですから自分なりのアタックをしたいですよね(笑)表彰式が終るころから、また雨が振り出してきてしまうような天候の中で、ドライの状態で走ることができたのは奇跡的でした。46人のドライバー+事務局の方々の思いがよほど熱かったのだろうな・・などと一人で考えながらこの日の帰路につきました。
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5/6 ゴルフカップ(Newパーツ&テスト編) その1
◆「maniacs DSG Paddle Extension」
これはmaniacsさんが6月に発売する予定のステアリングシフトスイッチに両面テープで固定するタイプのパドルシフト。maniacsさんとしてはサーキット走行については推奨してはいませんが、実際に使ってみると全く問題のない仕上がりで、あまりの使い勝手のよさにシフトチェンジが楽しくさえ思えました。サーキット走行を推奨していないのは両面テープで固定していることが理由です。サーキット走行中に無意識のうちにステアリングを強く握り締めた状況でパドルシフトを操作すると、指先にかかる力が強すぎてパドルが外れてしまうおそれがあるから、というものでした。しかし、一般道ではもちろんサーキットでもそんな兆候はまったくありません。ノーマルのシフトスイッチ全体の面積を使い、隙間なく密着する作りになっているためか、僕自身が両面テープでの固定方式というものに抱いていたイメージとは違いました。まるでシフトスイッチそのものに接着したかのような安定感のある操作感で、余計な神経を遣わず操作できました。グローブをした状態でもパドルに指をかけ、またパドルから指を外してステアリングを握りなおすさいにも、引っかかるようなことはなく指抜けのよさも素手と変わらず完璧でした。ヘアピンでもパドルの長さは必要にして十分なもので、下方向の長さについても意外や特に物足りなさもない。もし、サーキット走行中に極端にステアリングを握り締めていないという自信のある方でしたら、このパドルはお勧めだと思います。DSGはSモードでもマニュアルモードと同等に速いですしリスクもありませんが、シフトチェンジはスポーツ走行での醍醐味の一つです。パドル操作でのシフトチェンジはさらに格別!そんなシフトチェンジの楽しさを再認識させてくれたパーツでした。
◆「シフトアップランプ」
実際にサーキットで使ってみると、もっと早くに着けておけばよかったと少々後悔しました。ノーマルのDSGのプログラムではマニュアル操作でもレッドゾーンに入ると自動的にシフトアップを行ってくれますが、カップカーのプログラムは自動的にシフトアップを行ってくれません。しかもレッドゾーンどころかレブリミッターに当たりっぱなしになってしまいます。サーキット走行中にはステアリングを握る手がメーターパネルを隠してしまうこともしばしば。場合によってはレブリミットにあたってしまい失速することもありました。しかし、このシフトアップランプがあればどんな状況でも確実にシフトアップのタイミングがわかります。「あれば助かるだろうな・・」と漠然と考えてはいましたが、こんなに使えるものとは思いませんでした。どうりで純正採用している(シビック タイプRなど)スポーツカーがあるはずです。気分的なもののために採用しているわけではありませんでした。パドルシフトとシフトアップランプ。この組み合わせは今のカップカーになくてはならない最高の組み合わせでした。ただ、Pivotさんではすでに生産中止になってしまっているようなので残念です。
◆「DSGオイルの交換とクラッチのクリアランス調整」
この効果は、現時点ではまだつかみ切れませんでした。というのも、クラッチのクリアランス調整等をしたさいに、「それまで学習されてきたプログラムが一度リセットされてしまい初めのうちは多少ギクシャク感が出てしまうおそれがある」とフォルクスワーゲン新宿の角さんから説明を受けており、ほんの些細な違いを判断するにはある程度の距離を走る必要があったためです。今のところ普段使いでは特にギクシャク感はありませんが、高温高負荷の状態ではたしてどうなるか?今回のオイル交換やクラッチ調整の効果を判断するのはGTIカップ初戦の岡山でのレースを走ってからにします。
◆「リアヘッドレスト交換タイプ車載カメラ用ステー」
これはサーキット走行でも問題なく安定した映像が撮れたのはもちろん、何より取付け取外しのしやすさは抜群でした。余計な時間を取られることもなく最高の使い勝手でした。ここに到るまでも様々なテストをし、安全性・安定性にまったく問題はなかったので、GTIカップで使用したい旨をVTA事務局に相談したところ、「使用許可申請書」を作成の上、写真を添付して郵送してくださいとの回答をいただきました。GTIカップはリアのトレーすら装着し忘れるとレース車検に通らないほどシビアなので(JAF戦なので仕方ないですが)、はたして許可がおりるかどうかは微妙ですが、わざわざ「使用許可申請書」を作成させるくらいですから望みは十分にありそうです。これを使えたらサーキットでのスケジュールに余裕が持てるので、ドライバーとしては許可がおりることを願うばかりです。(編集部注:後日VTA事務局より却下との連絡がありました。理由はヘッドレストの取外しを許可したという前例を作ると、速さにつながる車内のパーツの取外しや交換などを禁止できなくなるから、というものでした。)
最後に走行会全体のレポートを。今回はGWの最終日で、なおかつこんなに早い走行時間枠にも関わらず、多くの熱気あふれるフォルクスワーゲン・アウディたちが集っていました。タイムアタッククラスに18台。走行会クラスに23台。ビギナークラス(先導車がつきライン取りなどをレクチャーしてくれる)に5台。合計なんと46台!レースクラス無しでのこの台数は僕がゴルフカップでレースをしていた全盛期よりもはるかに多い台数だと思います。一時、ゴルフでサーキットを走る方が減る傾向にありましたが、ゴルフ5が登場し、そしてアウディTTがモデルチェンジした頃からサーキットを走る方がずいぶんと増えてきました。ゴルフカップや、サーキットトライアル以外にも、最近ではETCCというイベントでゴルフやアウディの参加者が定着してきているようです。このような状況は、サーキット走行を楽しむいちゴルフオーナーとしても、走る機会や選択肢が増えることになり本当に喜ばしいことです。
実はこの日、個人的に一番嬉しかったのは、むかし僕と苦労を共にしたゴルフⅡ「ムラサキ」を現オーナーのスピニングガレージ田中さんと相棒の小磯さんが、二人で別クラスにて走行するために筑波に持ち込んでくれたことでした。この「ムラサキ」。自分で仕上げて言うのもなんですが、いつ見てもカッコいい!
大好きなバイオレットブルーの車体もきれいですが、全体の佇まいや空気感がたまりません。二人で45分ずつ、あまり間をおくこと合計1時間半走り続けてもまったくトラブる様子もない仕上がりと状態はあの時のままでした。実に嬉しいサプライズ!田中さん、ありがとうございました。
冒頭でもお話したように、今回のコンディションは走行時間帯ごとに刻一刻と変わる状態でした。しかし、ドライバーのスキルも高くマナーも良いおかげで大きなトラブルもなく順調にスケジュールは進みました。3本目にはドライになっていたので多くのドライバーは消化不良になることもなくサーキット走行を満喫していたようです。やはり、せっかく車のコンディションを整えエントリーフィーを支払い、朝早くから筑波に集ったのですから自分なりのアタックをしたいですよね(笑)表彰式が終るころから、また雨が振り出してきてしまうような天候の中で、ドライの状態で走ることができたのは奇跡的でした。46人のドライバー+事務局の方々の思いがよほど熱かったのだろうな・・などと一人で考えながらこの日の帰路につきました。
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