140912-GTE-5.jpg2015年に日本での販売が予定されているフォルクスワーゲン初のプラグインハイブリッドカー「ゴルフGTE」を、スイスはチューリッヒで試乗。まずは、このクルマのハイライトをチェックする。

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伝統の「ゴルフGTI」「ゴルフGTD」に続く第3のスポーツモデルとして、フォルクスワーゲンが新たに投入するのが「ゴルフGTE」だ。"E"は電動化を意味し、ゴルフGTI/GTD同様のスポーティなキャラクターを備えながら、スイッチひとつでゼロエミッション走行が可能であり、その一方で、グランドツアラーとしての実力を持つというのが、このプラグインハイブリッドカーの特徴である。

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ゴルフGTEのキャラクターは、そのエクステリアに明確に現れている。たとえば、ラジエターグリルからヘッドライトに貫かれたラインが、GT系の一員であることを示している。ただし、GTIと異なり、このラインやエンブレムにブルーを採用するのがGTEの特徴である。ヘッドライトはLEDを標準装備。テールライトもGTIと同じデザインのLEDタイプを採用している。

一方、フロントバンパーに輝くLEDデイタイムランニングライト(日本仕様ではポジショニングライトになる)がGTI/GTDとは大きく異なるところ。"Cランプ"と呼ばれるこの装備、ピュアEVの「e-ゴルフ」から受け継ぐもので、駆動に電気を用いていることを表している。それでいて、Cの中に黒い2本のフィンを採用することでGTEらしさをアピールする。

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さらに、インテリアもGTEらしさ満載だが、その話は後ほど触れるとして、プラグインハイブリッドカーとしてのハイライトをチェックしよう。

ご存じのようにプラグインハイブリッドは、エンジンにモーターを組み合わせて高効率な走行を可能にするハイブリッドシステムに、外部から充電可能な大容量バッテリーを搭載することで近距離のEV走行を可能としたクルマで、日本ではトヨタ・プリウスPHV、三菱アウトランダーPHEV、ホンダ・アコード プラグインハイブリッドが販売されている。

ゴルフGTEは、110kW(150ps)の1.4TSIエンジンと75kW(102ps)の電気モーター、そして、6速DSGによりハイブリッドシステムを構成するとともに、8.7kWhという大容量リチウムイオンバッテリー(パナソニック製)をリアアクスル手前に配置してこれを実現している。

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これにより、ハイブリッドシステム全体としては最高出力150kW(204ps)、最大トルク350Nm(35.7kgm)の高いスペックを誇り、0-100km/h加速は7.6秒。0-60km/h加速ならGTIを0.1秒凌ぐ4.9秒をマークする。最高速は222km/hで、ガソリンエンジンを使用しないEV走行でも130km/hの実力を持つ。

その一方で、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)による燃費は、1.5L/100km(=66.7km/L)を達成。さらに、バッテリーが満充電の状態なら最長50kmのEV走行が可能である。ガソリンも電気も満タンなら、GTEの航続距離は940kmに及ぶ。

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外部電源からの充電はフロントグリルのVWエンブレム裏にあるソケットを用いる。ドイツの場合、フル充電に要する時間は、家庭用230Vのコンセントを用いた場合が3時間45分(2.3kWで充電)、また、"ウォールボックス"と呼ばれる据置型充電補助装置や公共の充電ステーションを利用した場合は2時間15分(3.6kW)である。

なお、EVに比べるとバッテリー容量が少なく、満充電までの時間が短いゴルフGTEは、急速充電には対応していない。

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ところで、ゴルフGTEには5つの走行モードが用意されている。

・Eモード
・バッテリーホールド
・バッテリーチャージ
・ハイブリッドオート
・GTEモード

Eモードは、バッテリーの電気だけで走行する、いわゆるEV走行モードで、ゼロエミッションを実現する。システム始動時には自動的にEモードが選択される。

他の4つはすべて、エンジンと電気モーターを用いるハイブリッド走行モード。バッテリーホールドは、バッテリー残量を常に一定以上に保つようエンジンと電気モーターの使用をコントロールする。一方、バッテリーチャージは積極的にガソリンエンジンを活用して、バッテリーの充電量を増やしてくれる。反対に、ハイブリッドオートはバッテリーの電気を積極的に使ってガソリンの使用量を最小限に抑えてくれる。

それぞれのモードはインフォテインメント画面の選択メニューで切り替えられるほか、Eモードはシフトレバー脇のスイッチでダイレクトに選択することが可能だ。

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さらにゴルフGTEにはGTEモードが用意されている。こちらは、シフトレバー脇のスイッチでのみ切り替えることが可能。GTEモードでは、アクセルペダルやDSG、ステアリングの特性がスポーティに変わり、オプションのDCC装着車ではその設定がノーマルからスポーツにスイッチ。これにより、スポーティなドライビングが楽しめるというもの。

ただのエコカーではなく、GTIの流れを組むゴルフGTEならではの走行モードといっていいだろう。

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そんな特徴を持つゴルフGTEは、果たしてどんな走りを見せてくれるのだろうか?


(Text by S.Ubukata / Photos by Volkswagen AG, S.Ubukata)

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