「ゴルフGTE」には4つのハイブリッド走行モードが用意されている。なかでも特徴的なのが「GTEモード」だ!
さっそくGTEボタンを押したいところだが、まずはハイブリッドオートでお手並みを拝見するとしよう。
アクセルペダルを軽く踏んだ巡航状態から少しペダルを踏み増すと、パワーメーターの針は瞬時にブルーのゾーンに振れ、クルマはスッと押し出される。モーターがエンジンをアシストしているのだ。エンジンだけではシフトダウンが必要なような場面でも、このGTEではエンジンの回転を維持したまま、間髪入れずにモーターがアシストして、力強い加速を見せるのが凄いところ。その印象は大排気量エンジンをドライブしているようで、これぞハイブリッドカーの醍醐味である。
残念ながら、ハイブリッド走行のみの燃費チェックはできなかったが、欧州モードで100km走行あたり4.5L(=22.2km/L)という数字をそう大きく外すことはないだろう。
ゴルフGTEは豹変した。キャビンはいきなり騒々しくなり、ゴルフGTI張りのエキゾーストノートが耳に届く。実は、サウンドジェネレーターにより、人工的に合成された音をバルクヘッドに設置された専用スピーカーから流すという仕組みなのだが、知らずにコックピットに収まるドライバーには、なんともスポーティな演出に思えるのだ。
試乗を終えて感じたのは、このゴルフGTEは、優れたハイブリッドカーであることに加えて、バッテリー切れのない電気自動車であり、ときには圧倒的なパフォーマンスを楽しめるスポーツカーであること。ふだん乗る場面でも、乗り心地は快適で、高速走行時のスタビリティも極めて高い。静粛性も秀でている。
さっそくGTEボタンを押したいところだが、まずはハイブリッドオートでお手並みを拝見するとしよう。
ハイブリッドオートにモードを切り替えるには、インフォテインメント画面の選択メニューを利用する。バッテリーホールドが基本モードと考られているため、ハイブリッドオートをスイッチでダイレクトに選べないのは少し不便だ。
発進はモーターが担当。当然のことながら、Eモードと同様の、余裕ある発進加速が味わえる。街中ではエンジンを掛けず、電気モーターだけで走ることが多いが、このあたりにも、バッテリー容量の多いプラグインハイブリッドらしさが感じられた。
スピードを上げると、いつのまにかエンジンにバトンタッチ。エンジン始動時のショックはほとんど感じられず、パワーメーター下の回転計を注意深くチェックしていないかぎり、わからないほどだ。エンジンが始動したあともキャビンはとても静か。標準のゴルフよりも遮音対策をしっかりしたのかと思いきや、他のゴルフと同じだというから驚きである。
アクセルペダルを軽く踏んだ巡航状態から少しペダルを踏み増すと、パワーメーターの針は瞬時にブルーのゾーンに振れ、クルマはスッと押し出される。モーターがエンジンをアシストしているのだ。エンジンだけではシフトダウンが必要なような場面でも、このGTEではエンジンの回転を維持したまま、間髪入れずにモーターがアシストして、力強い加速を見せるのが凄いところ。その印象は大排気量エンジンをドライブしているようで、これぞハイブリッドカーの醍醐味である。
そういう意味では、トゥアレグハイブリッドとは明らかに考え方が違う。フルハイブリッドシステムを搭載しながら、トゥアレグハイブリッドはモーターでエンジンをアシストする機会が少なく、通常の運転スタイルではハイブリッドらしい大トルクをあまり楽しめなかった。
さて、走行中にアクセルペダルから足を離すと、Dレンジを選んだ状態ならエンジンがギアボックスから切り離され、コースティング(惰力走行)の状態になる。もし、アクセルペダルから足を離したときに緩く減速したければBレンジを選んで回生ブレーキを効かせるようにすればいい。その場合は減速によって得られた電気がバッテリーに充電され、再利用される。
もちろん、フットブレーキを使った減速でも、ハイブリッドシステムが回生ブレーキと機械式ブレーキを併用し、できるだけエネルギーを回収しようとするのはいうまでもない。制動力は強力だが、ブレーキのタッチにとくに違和感はない。
バッテリーチャージやバッテリーホールドの各モードも、動作そのものはハイブリッドオートに準じている。ただし、バッテリーチャージは巡航時でもモーターを発電機として回し、せっせとバッテリー容量を増やしているためか、そのぶん何かを引きずりながら走っているような感覚がある。一方、バッテリーホールドは、ハイブリッドオートに比べるとモーターの出番がやや控えめになる印象。それでも、1.4 TSIエンジンだけでは手に入らない力強くスムーズな加速が体感できるのが、ゴルフGTEの魅力なのだ。
ひととおりハイブリッドモードをチェックしたところで、GTEボタンを押してみる。すると......。
ゴルフGTEは豹変した。キャビンはいきなり騒々しくなり、ゴルフGTI張りのエキゾーストノートが耳に届く。実は、サウンドジェネレーターにより、人工的に合成された音をバルクヘッドに設置された専用スピーカーから流すという仕組みなのだが、知らずにコックピットに収まるドライバーには、なんともスポーティな演出に思えるのだ。
アクセルペダルを踏み込むと、勇ましいサウンドをキャビンに響かせながら、他のハイブリッドモードとは明らかに異なる鋭い加速。エンジン、モーターのレスポンスを高め、同じアクセルの踏み込み量でもより大きなトルクを発生させる特性としているのだ。
しかも、ガソリンエンジンだけの場合と異なり、低回転でも瞬時に大きなトルクを発揮するモーターの力が加わるのだから、場面によっては本家のGTIよりもトルクは強大で、加速もGTIを凌ぐレベル。それだけに、トルクステアに見舞われることもある。
コーナーを駆けぬける軽快さではGTIには及ばないものの、スポーティな走りは十分楽しめた。
試乗を終えて感じたのは、このゴルフGTEは、優れたハイブリッドカーであることに加えて、バッテリー切れのない電気自動車であり、ときには圧倒的なパフォーマンスを楽しめるスポーツカーであること。ふだん乗る場面でも、乗り心地は快適で、高速走行時のスタビリティも極めて高い。静粛性も秀でている。
ピュアなエンジン車に比べるとボディの重さを感じる場面もあるが、それが重厚な乗り心地を生み出しているし、パワフルなパワートレインのおかげで加速そのものもまるで不満はない......というわけで、もちろんGTIとは性格は異なるが、丸一日の試乗ですっかりこのGTEに惚れ込んでしまった私である。
そうなると、気になるのが日本での販売について。果たして、私にも手の届くクルマなのだろうか?