たった1日の試乗だったが、その仕上がりの良さに、いまから日本導入が楽しみなゴルフGTE。果たして日本向けはどんな仕様で、いくらくらいで購入できるのか? 8speed.netが予想してみる。
スイスのチューリッヒ周辺で試乗したあと、フォルクスワーゲン本社の開発担当者と話をする機会があった。
バイヤー氏に「おもなマーケットは?」と尋ねたところ、返ってきたのは「ヨーロッパと日本です」という答えだった。実は日本が重要なマーケットだったのである。
そんな話でチューリッヒの夜は更けていくわけだが、日本に対するフォルクスワーゲンの本気度はよくわかった。そうなると、どうしても気になるのが日本での価格である。
スイスのチューリッヒ周辺で試乗したあと、フォルクスワーゲン本社の開発担当者と話をする機会があった。
日本のジャーナリストから質問攻めに遭ったのは(!?)、ベルント・バイヤー氏。ゴルフファミリーの開発主査である。開発主査が日本人のテーブルに座るとは珍しい......私は最初にそう思ったのだが、話が進むにつれ、これが単なる偶然でないことがわかった。
バイヤー氏に「おもなマーケットは?」と尋ねたところ、返ってきたのは「ヨーロッパと日本です」という答えだった。実は日本が重要なマーケットだったのである。
彼らは、日本市場にトヨタ・プリウスをはじめとする強力なライバルがひしめいているのを理解している。とくにハイブリッド車ではトヨタが圧倒的な強さを誇ることも。「われわれがハイブリッドではなく、プラグインハイブリッド車を投入するのは、トヨタの先を目指したかったからです」とバイヤー氏。トヨタ・プリウスPHV、三菱アウトランダーPHEV、ホンダ・アコード プラグインハイブリッドがすでに日本で販売されているとはいえ、プラグインハイブリッド車のほうがはるかに存在感を示しやすいということなのだ。
しかも、ゴルフGTEなら、日本でもポピュラーな「GTI」のイメージを活用することができる。「エッジを立てたいという考えから、GTI、GTD(日本未導入)に次ぐ"第3のGT"として位置づけることにしました。ただ、最初からそういった企画があったわけではなく、システムを開発してみたところ予想以上にパワフルに仕上がったので、この発想に辿りついた」そうだ。
反面、ゴルフGTEという名前だけでは、日本人が大好きな(!?)ハイブリッド/プラグインハイブリッドであることがわからないというのが、われわれ日本人ジャーナリストの意見。「トゥーラン」が日本では「ゴルフトゥーラン」と呼ばれているように、ゴルフGTEも日本独自の呼び名を考えたほうがいいかもしれない。
そんな話でチューリッヒの夜は更けていくわけだが、日本に対するフォルクスワーゲンの本気度はよくわかった。そうなると、どうしても気になるのが日本での価格である。
ドイツでは3万6900ユーロ(約500万円)からの販売となるゴルフGTE、日本では標準の16インチではなく17インチがスタンダードとなり、ディスカバープロが標準装着となりそう。18インチはDCCとセットオプションというところか......。
フォルクスワーゲン グループ ジャパンとしては、どうやらこれで500万円前後の車両本体価格を目指しているようだ。ゴルフGTIよりも高いが、ゴルフRは越えない線だ。
しかし、実際には「クリーンエネルギー自動車(CEV)等導入費補助金」により、もう少し求めやすくなる。
補助金は、ベースモデルから算出した"基準額"と車両本体価格との差に2/3を掛けた金額になるので......。
基準額:383万3000円(ゴルフGTI車両本体)+18万3600円(ディスカバープロ)+40万円(プラグインハイブリッド車の調整額)=441万6600円
計算が簡単になるよう仮にゴルフGTEの車両本体価格を501万6600円とすると、差額が60万円になるので補助金はその2/3の40万円。これを差し引くと461万6600円が実質的な価格ということになる。ゴルフGTI(ディスカバープロ付)との差は60万円程度と予想できる。
これを安いと見るか、高いとみるか?
金額そのものは決して安くはないが、これ1台で近距離移動が可能なゼロエミッションカーとスポーティなグランドツアラーが手に入ることを考えると、個人的には十分に納得のいく金額であるし、ローンを組んでも買いたいクルマだと思う。
というわけで、2015年の日本上陸が本当に楽しみなゴルフGTE。このクルマとともに、新しい時代のモビリティを体験できる日が待ち遠しい。
(Text by S.Ubukata / Photos by Volkswagen AG, S.Ubukata)