些か間が空いてしまいましたが、「小さい順にポルシェを片端から乗っていく」企画の第2弾であります。

画像: フェルディナント・ヤマグチでございます。最新のポルシェ一気乗り企画の第2弾は「ポルシェ 718 Boxter Style Edition」です。

フェルディナント・ヤマグチでございます。最新のポルシェ一気乗り企画の第2弾は「ポルシェ 718 Boxter Style Edition」です。

今回試乗したのは「ポルシェ 718 Boxter Style Edition」です。

画像: 「ルビースターネオ」のボディカラーが美しい718 Boxter Style Edition。艶と毒気の絶妙なバランスが何とも魅力的なボディカラーなのであります。

「ルビースターネオ」のボディカラーが美しい718 Boxter Style Edition。艶と毒気の絶妙なバランスが何とも魅力的なボディカラーなのであります。

鮮やかなこのクルマのボディーカラー名は「ルビースターネオ」。かつて964型のポルシェ911に設定されていたときは「ルビーストーンレッド」と呼ばれていました。あまりのインパクトから“伝説色”と化したその色を、現代の感性でアップデートした新色(ルビーストーンレッドとは別の色)です。

光の加減によってはピンクにも見えるし、濃厚な赤紫にも見える不思議な塗装です。ピンクと聞くとド派手な印象を持たれがちですが、決して軽くなく、むしろ品性すら感じさせます。「艶と毒気の絶妙なバランス」は、さすがポルシェが生み出した色、といったところでしょうか。

画像: ホワイトハイグロス仕上げの20インチアルミホイールやデカール、エンブレムなどがホワイトにペイントされる「コントラストパッケージ」を装備。

ホワイトハイグロス仕上げの20インチアルミホイールやデカール、エンブレムなどがホワイトにペイントされる「コントラストパッケージ」を装備。

「718 Boxter Style Edition」は、その名のとおり性能面のアップデートはなく、外観と内装の装備に差をつけたいわゆる「特別仕様車」です。

インテリアは控えめながらも上質で、派手さはありませんが、しっかり手が掛かっています。全体的に余計な装飾がなく、スポーツカーとしての“本質”を忘れていない「走りのために整えられた空間」という印象です。

画像: ソフトトップにはさりげなく"Boxter"の刻印が。

ソフトトップにはさりげなく"Boxter"の刻印が。

エンジンを掛けて走り出します。日が落ちたとはいえ、この季節、外はクソ暑い。

ですが、せっかくのオープンカーです。まずはルーフを開けてみましょう。718 Boxter Style Editionの電動ソフトトップは、時速50キロまでなら走行中でも開閉が可能です。しかもその所要時間はわずか12秒。本当に一瞬で開いてしまいます。敢えて人前でルーフを開けて見せてイキる年齢でもありませんので、拙宅の前の道で、人通りがないのを見計らって開けることにしました。

画像: ボディカラーでも人気の「クレヨン」と名付けられた、ブラック&クレヨンの2トーンレザーインテリアを装備。

ボディカラーでも人気の「クレヨン」と名付けられた、ブラック&クレヨンの2トーンレザーインテリアを装備。

操作はワンプッシュでスムーズです。あっという間にオープンの状態になると、キャビンに風が流れ込み、夜の風と匂いが広がります。街がグッと近くなる感覚で、屋根の有無でこうも世界が変わるものかと改めて思わされます。

背中に積まれたパワーユニットは、2.0Lの水平対向4気筒ターボエンジン。最高出力300ps、最大トルク380Nmと、昨今のスポーツカーとしては地味な数字ですが、このクルマは数値以上に実感値が高い。アクセルを踏み込んだ瞬間からレスポンスは鋭く、回転が上がるごとに力感が増していきます。中速域の粘りとトルクの太さが印象的で、ポルシェ自慢のPDKと組み合わせることで、なんら不満のない加速フィールを楽しめます。

画像: 718 Boxter Style Editionのボディサイズは全長×全幅×全高:4379×1801×1281mm。電動のソフトトップは12秒で開閉。

718 Boxter Style Editionのボディサイズは全長×全幅×全高:4379×1801×1281mm。電動のソフトトップは12秒で開閉。

重量配分は、フロントは630kg、リヤが780kg。比率にすると45:55でリヤヘビーです。

数字のとおりにフロントが軽く、回頭性が極めて鋭く、軽く当てただけで、クッと頭が入ります。動きのすべてが濁りなく、車体の中心から回っているような“尻軸”感覚。あぁ悦楽。ホンマええですわ。

画像: 雨が降ってきたのでソフトトップを閉めた状態で撮影。雨に濡れると、ルビースターネオのボディカラーがさらに艶っぽくなるから不思議。

雨が降ってきたのでソフトトップを閉めた状態で撮影。雨に濡れると、ルビースターネオのボディカラーがさらに艶っぽくなるから不思議。

用賀から首都高に乗り、山手トンネルに入り首都高をグルっと大回り。葛飾ハープ橋を抜けて湾岸に入り、一路大黒PAへ。先ほどということが違いますが、大黒PAでインバウンドの見物客相手少しイキってやろうと思ったら、なんとPAは閉鎖中。

最近は改造車やナントカ一家関連のみなさまが風紀を乱すので、週末の夜は入場できなくなっているのでした。なんとハタ迷惑な!やむなく引き返して、大井PAに滑り込みました。

画像: 「操ること」に没入できる。718 Boxter Style Editionはそんな魅力に満ちあふれたクルマなのです。

「操ること」に没入できる。718 Boxter Style Editionはそんな魅力に満ちあふれたクルマなのです。

何枚か写真を撮り、缶コーヒーでカフェインを摂取し、再びステアリングを握ります。

レインボーブリッジを抜け、今度は首都高環状線を内回りに一周し、首都高速3号用賀線へと戻ります。

風を切りながら走る718 Boxter Style Editionは、速度よりも時間の質を変える乗りものです。

画像: 718 Boxterは、「伝統と革新と色気」を備えたスポーツカーなのです。

718 Boxterは、「伝統と革新と色気」を備えたスポーツカーなのです。

「走る」という行為が目的になる。スピードに酔うのではなく、「操ること」に没入する。そんな快楽に満ちあふれています。

「理想のスポーツカーとは何か?」といった命題に対して、このBoxterは最適解のひとつだといえます。

伝統のうえに革新を重ね、色気の奥に知性を潜ませた、現代の“走る悦び”の象徴。

ポルシェはこうでなければいけません。

画像: 【自動車まんげ鏡】エピソード24:「伝統と革新と色気」を備えた、ポルシェ 718 Boxter Style Edition試乗記

(Text by Ferdinand Yamaguchi & Photo by Ferdinand Yamaguchi / Toru Matsumura)

This article is a sponsored article by
''.