世界耐久選手権(FIA WEC)の最上位クラス・ハイパーカークラスを戦うポルシェ963は9月9日(土)、富士スピードウェイにて行われた2023年シーズン第6戦の予選において、ケヴィン・エストレ選手が駆る6号車が3番グリッドを、フレデリック・マコヴィッキ選手が駆る5号車が4番手グリッドを獲得した。
今回の予選は、2人のフランス人ドライバーがアタックを行った。カスタマーチームとしてポルシェ963で戦うハーツチームJOTAは8番手、プロトンコンペティションは9番手から日曜日の決勝レースに臨む。またGTE-Amクラスでは、アイアンデイムスチームのポルシェ911 RSRが2番グリッドを獲得している。
WEC2023シーズン第6戦の予選は気温26度、金曜日および土曜に朝に振った激しい雨の影響が残る路面状況で予選がスタート。予選開始直後はほぼドライ路面だったが、10分が経過したころから再び雨が降り始め、ラップタイムの更新が止まる。
ほぼすべてのチームが予選開始直後からアタックをはじめるなか、混雑を避けるためポルシェペンスキーモータースポーツは時間をずらして2台のポルシェ963をコースイン。まず5号車が、さらに2分後に5号車のマコヴィッキが続き、3番および4番グリッドを獲得した。
ポルシェモータースポーツにてLMDhクラスのディレクターを務めるウルス・クラトル氏は「素晴らしい予選でした。練習走行で論理的に煮詰めたセットアップによりパフォーマンスは向上し、我々にとって最高の予選結果を得ることができました。アタックを担当した名のドライバーは最後のアタックで素晴らしい走りを見せていましたが第3セクターで降り出したによりで路面状況が大きく変わりプッシュすることができませんでした。本来であればもう少しトップのライバルに近づけた筈でした。決勝レースに向けてジュ分期待できる予選結果と言えるでしょう」と述べた。
ポルシェペンスキーモータースポーツでマネージングダイレクターを務めるジョナサン・デグィット氏も「素晴らしい予選でした。3番手、そして4番手グリッドから決勝をスタートできるのは喜ばしいことです。2台の963のラップタイムが非常に接近しているのはドライバーを含むチーム全体が素晴らしい仕事をしている証です。トップにはまだ立てていませんが、これまでにないほどライバルたちに近づけています。明日は最上位を争うポジションで戦えると信じています」と語った。
GTE-Amに参戦するポルシェのカスタマーチームも、315kW(515ps)を発生する911RSRでこのクラスに参戦するプロジェクト1-AOレーシングと、デンプシープロトンそしてGRレーシングはそれぞれクラス7位、8位、9位から決勝レースをスタートする。またアイアンデイムスの兄弟車であるアイアンリンクスは13番手スタートとなる。
富士スピードウェイにて行われる6時間の決勝レースは日曜の午前11時にスタートし、午後5時にチェッカーフラッグを迎えることとなる。
予選終了後のドライバーコメント
フレデリック・マコヴィッキ(ポルシェ963 #5):「素晴らしい予選でした。見事なジャンプアップを見せてシーズン開幕時から大きく進歩を遂げていることを嬉しく思います。車はもっと良くなっていくと私は楽観的に考えています。決勝の天候が荒れたとしても不安はありません」
ケヴィン・エストレ(ポルシェ963 #6) : 「ポルシェペンスキーモータースポーツの2台が2列目に並んでスタートできるとは考えていませんでした。車が仕上がっていたので自信を持って予選に臨みました。チーム全体の努力が報われたのでしょう。ポールポジションは獲得出来ませんでしたが、着実に近づいています。6時間の決勝レースを楽しみにしています」
アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ963 #38) :「ポールポジションを目標としていた我々にとっては残念な予選でした。最後のアタッククラップで幾台もの車に邪魔され、その度に0,3から0,4秒を失ったかと思います。不運としか言いようがありません。もっと上位からスタート出来たはずです。決勝は6時間あるので上位フィニッシュしランキングを上げたいと思います」
ジャンマリア・ブルーニ(ポルシェ963 #99) :「練習走行で多くを学び予選でも全力でアタックをしていましたが雨に阻まれました。ベストラップを刻んでいた最後のアタックラップの、まさに最終セクターで路面はウェットに変わっていました。しかし全力を尽くしたので満足しています。決勝レースで天候がどのように変化していくのか、そして私たちに何ができるのかを見てみましょう」
サラ・ボビー(ポルシェ911RSR #85) ;信じられない予選結果です。最後のアタックでは全力を尽くしましたが、ラップタイムを縮めるにはタイミングが遅すぎたようです。それでも最前列からスタートできるのは素晴らしいことです。ポールポジションからスタートするライバルを序盤の数周でオーバーテイクするつもりです。面白いレースになるでしょう。多少の雨が降れば私たちが有利になるかも知れませんね」
予選結果
ハイパーカークラス
1. コンウェイ/小林/ロペス、トヨタ #7、1分27秒.794
2. ブエミ/ハートレー/平川、トヨタ #8,、1分28秒418
3. Eエストレ/ロッテラー/ヴァントール、 ポルシェ963 #6、1分28秒667
4. キャメロン/クリステンセン/マコヴィッキ、ポルシェ963 #5、1分28秒717
8. ダ・コスタ/イェ/スティーブンス、ポルシェ963 #38、1分29秒111
9. ブルーニ/ティンクネル/ジャニ、ポルシェ963 #99 1分29秒338
GTE-Am クラス
1. キーティング. /ヴァローネ/キャッツバーグ、コルベット #331分38秒338
2. ボビー/ガッティン/フレイ、ポルシェ911 RSR #851分38秒373
3. 星野/スティーブンソン/藤井、アストンマーティン #777、1分38秒875
(Text Toru Matsumura)