2025年3月4日、AUDI AGは新型「Audi A6 Avant」を世界初公開した。

1977年に「Audi 100 Avant」を発表して以来、「美しいワゴンをAvantと呼ぶ」としてきたAudi。その最新作として、プレミアムフルサイズセグメントに投入するのが新型Audi A6 Avantである。
現在のAudiには、EV専用プラットフォーム「PPE(Premium Platform Electric)」を採用する「Audi A6 e-tron」が存在するが、新型Audi A6 Avantは、「PPC(Premium Platform Combustion)」アーキテクチャーを採用するエンジン車であるのが大きく異なるところだ。
新型Audi A6 Avantは全長4.99mの余裕あるボディサイズに、ロングホイールベースとロングノーズ、伸びやかなルーフラインを与えることで、エレガントかつ堂々たるフォルムを実現している。Cd値0.25を実現するエアロダイナミクスに優れたボディも見逃せない。
フロントマスクは、フロントエプロンの下端にまで達するシングルフレームグリルがAudi A6 e-tronとは異なる表情を見せ、シャープなヘッドライトと高い位置に掲げられたフォーリングスとあいまって印象的なデザインに仕上げられている。サイドビューでは、ブリスターフェンダーが名車「Audi quattro」を彷彿とさせるAudiらしい力強さを表現。そして、リヤはジュエリーのような輝きを放つ第2世代のOLEDリヤコンビネーションライトとLEDライトストリップによりAudiらしさを際だたせている。







インテリアの特徴は最新のAudiデザインに則り、ヒューマン セントリック デザイン(人間中心のデザイン)を採用するとともに、コックピットに、MMIパノラマディスプレイやMMIパッセンジャーディスプレイを搭載することでデジタル化をさらに推し進めている。MMIパノラマディスプレイは、11.9インチのアウディバーチャルコックピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成され、ドライバーに向けて緩やかなカーブを描く。助手席専用の10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイも用意される。
Audi A6 Avantのラゲッジルームは、搭載されるエンジンにもよるが、通常時は最大503L、40:20:40の後席を倒せば1534Lまで拡大が可能だ。



現時点では、「Audi A6 Avant TFSI 150kW」「Audi A6 Avant TDI quattro 150kW」「Audi A6 Avant TFSI quattro 270kW」の3グレードを設定。Audi A6 Avant TFSI 150kWに搭載される2.0 TFSI(150kW/204PS)は、VTG(可変タービンジオメトリー)ターボにより、燃焼効率を高めるとともに、エンジンが低回転でも素早い反応を実現。一方、Audi A6 Avant TDI quattro 150kWの2.0 TDI(150kW/204PS)は、排ガス中のNOxを低減するために、SCR触媒コンバーターを2個直列に配置した“ツインドージング”システムを採用する。トランスミッションはすべて7速Sトロニックで、quattroはAWDクラッチ付きの4WDシステムを搭載する。
Audi A6 Avant TFSI quattro 270kWにはV6ターボの3.0 TFSIエンジンが搭載され、270kW(367PS)を発揮する。AWDクラッチ搭載のquattroはリヤスポーツディファレンシャルとあいまって、スポーティなハンドリングを実現する。
また、Audi A6 Avant TDI quattro 150kWとAudi A6 Avant TFSI quattro 270kWには、進化したマイルドハイブリッドシステムの「MHEV plus」が組み合わされる。
サスペンションは、標準仕様に加えて、スポーツサスペンションと、アダプティブエアサスペンションを設定。quattroではオプションのオールホイールステアリングを組み合わせることも可能だ。
Audi A6 Avantはドイツのネッカーズルム工場で生産され、2025年5月末からカスタマーへのデリバリーを開始する予定。価格はAudi A6 Avant TFSI 150kWが58,000ユーロ(約930万円)から、Audi A6 Avant TDI quattro 150kWが61,700ユーロ(約990万円)から。
(Text by Satoshi Ubukata)