アウディは2024年1月19日、「Audi RS Q e-tron」が、世界でもっとも過酷な砂漠ラリーで初の総合優勝を獲得と発表した。
約7,900kmに及ぶ激戦を経て、カルロス サインツ(Carlos Sainz)/ルーカス クルス(Lucas Cruz)組が、2位のチームに1時間20分の大差をつけての優勝となった。なお、マティアス エクストローム(Mattias Ekström)/エミール ベリークヴィスト(Emil Bergkvist)組も完走を果たした。
AUDI AG最高経営責任者(CEO)ゲルノート デルナー氏は「ダカールラリーにおけるTeam Audi Sportの勝利を祝福したいと思います。アウディは再びモータースポーツの歴史に金字塔を打ち立てました。電気駆動システムを搭載したマシンで、世界で最も過酷な砂漠のラリーに勝つことは、アウディのスローガンであるVorsprung durch Technik(技術による先進)を体現するものであり、アウディが追い求める電動化の未来への道筋を示すものです」と述べた。
AUDI AG技術開発担当取締役 オリバー ホフマン氏も「アウディの革新的な電気駆動システムにより、わずか3年で最も過酷なモータースポーツのひとつとされるダカールラリーを制覇することができました。これにより、私たちは40年にわたるモータースポーツ参戦の歴史において、常にアウディを特徴づけてきた先駆者としての役割を引き続き果たしています。非常に過酷な環境下で行われたダカールラリーで、傑出したパフォーマンスを見せてくれたチームのスタッフ全員に感謝したいと思います」と述べた。
カルロス サインツ/ルーカス クルス組は、第6ステージから常に首位を独走し、優勝を果たした。なお、2010年、2018年、2020年にも優勝している。スペイン出身のこの2人にとって、今回の結果は、フォルクスワーゲン グループから参戦した2回を含め、それぞれ異なるブランドで通算4回目の勝利となる。
2024年のダカールラリーのデイリーステージの多くは400kmを超え、チームからのサポートを受けずに走りきる2つのマラソンステージや、4,600kmのタイムを競うスペシャルステージを含み、総走行距離は7,883kmに達する。参戦した全チームは、険しい岩場とグラベル(未舗装路)だけでなく、アラビア半島特有の過酷な砂丘が続くルートを走行し、困難なナビゲーションにも対応する必要があった。61歳のカルロス サインツは約40年にわたる豊富なラリー経験を活かし、ルーカス クルスとともに12のステージで合計8日間でリードを記録した。
(Text Toru Matsumura)