アウディは、3月6日、リサーチ、リサイクル、サプライヤーセクターのパートナー15社とともに、車両のライフサイクル終了後に取り外される使用済み素材を、新車の生産で再利用するための検討を行っていると発表した。

画像1: アウディ、使用済み車両の素材を、可能な限り高品質で再利用することを模索中

アウディは、使用済み車両から回収した二次素材を新車の生産で再利用することで、この状況を変えたいと考えており、リサイクルプロセスによって発生する素材品質の低下「ダウンサイクル」を避ける必要があるとされる。

AUDI AG最高経営責任者(CEO)マルクス ドゥスマン氏は「MaterialLoopプロジェクトは、使用済み車両のための非常に効率的なサーキュラーエコノミーのコンセプトを確立するという、私たちの意欲的なビジョンを示すものです。私たちの目標は、可能な限り多くの素材を回収し、高品質な素材として生産に再利用することです。これにより、貴重な一次素材の使用が節減され、製品の環境フットプリントが削減されます。同時に、二次素材を直接入手できるようになることで、供給安定性が高まります。それによって、原材料を採掘する必要がなくなります」と述べている。

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2022年10月、MaterialLoop共同プロジェクトの一環として、過去の開発車両を含む100台の車両を解体した。解体後、残った車体はスチール・アルミニウム・プラスチック・ガラスなど、素材ごとに細断および分別。アウディは、リサイクル業界、サプライチェーン、研究機関のプロジェクトパートナーと共に、さらなるリサイクルプロセスを定義し、試験運用を開始しているという。

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AUDI AGサプライチェーン サステナビリティ統括責任者 ヨハンナ クレウィッツ氏は「業界内でサイクルを確立することで、製品およびその素材を可能な限り長く使用することができるようになります。私たちのビジョンは、将来、他の産業から調達する二次素材への依存度を下げることです」。この研究では、アウディのサプライチェーンで素材を回収するための技術的な可能性に加えて、将来の世代のアウディモデルをリサイクルする能力を向上することにも焦点が当てられています。このプロジェクトは、アウディのサーキュラーエコノミー戦略の一部であり、サーキュラーエコノミーを実現する上で貴重な洞察を提供します。AUDI AGサーキュラーエコノミー エキスパート デニス マイネンは、次のように述べています。「サーキュラーエコノミーを実現するための重要なポイントは、リソースを、責任を持って取り扱うことです。そのため、製品寿命、修理可能性に加え、アウディの製品をリサイクルするための能力すべてを重視しています」と語っている。

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Audi A4生産におけるリサイクルスチールの使用

一部のリサイクル素材は既に車両の生産で使用されており、プロジェクトでリサイクルされた鉄くずの多くは、新しいモデルの生産に使用できるようになっているという。

最初の試験段階では、MaterialLoopによる二次素材を約12%含む、6つのスチールコイルが製造された。いずれもアウディの品質基準に適合し、もっとも要求の厳しい構造部材に使用することが可能だ。

画像: Audi A4生産におけるリサイクルスチールの使用

アウディはこのコイルを使用して、インゴルシュタットのプレス工場で最大1万5,000個のAudi A4用インナードアパーツを生産する予定だという。また、プロジェクトの一環として行われた研究では、このスチールコイルを製造するにあたり、車両から回収されたリサイクルスチールの比率をさらに高めることが可能であることが示されたという。

ガラス・プラスチック・アルミニウムのリサイクルにおける豊富な知見

アウディは2022年春から使用済み車両のガラスのリサイクルに関するナレッジの収集も開始している。

修理が不可能な車両のウインドウは、まず粉砕して選別し、そこで得られたガラス粒子は溶解され、自動車産業向けの新しい板ガラスに生まれ変わる。既にAudi Q4 e-tronの生産に使用されている。

画像1: ガラス・プラスチック・アルミニウムのリサイクルにおける豊富な知見

2017年以降、リサイクル用のアルミニウムは、アウディのインゴルシュタット、ネッカーズルム、ジェールの各工場、およびフォルクスワーゲン ブラチスラバ工場のリサイクルサークル内で管理されており、生産時に発生するアルミニウムの端材は、直接サプライヤーに返却される。そしてサプライヤーは、端材をリサイクルして、同じ品質のアルミニウムシートを形成、アウディはそれを生産に再利用しているという。

画像2: ガラス・プラスチック・アルミニウムのリサイクルにおける豊富な知見

(Text Toru Matsumura)

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