12月20日、アウディは2026年以降、世界市場においてニューモデルは電気自動車のみを発売し、2033年までに内燃エンジン搭載モデルの生産を段階的に廃止すると発表した。現在、電動化戦略「Vorsprung 2030」に基づき、電気自動車の生産に対応するために、世界各地の拠点で準備を進めているという。
AG生産およびロジスティクス担当取締役 ガード ウォーカー氏は「私たちは、すべての拠点を段階的に未来へと導きます。新しい電気自動車用の工場を更地に建設したいとは思っていません。その代わりに、既存の工場に投資して、新しく建設される生産拠点や工場と同じくらい、効率的で柔軟な生産ができるようにします」と述べている。
さらに「アウディは資源を節約し、持続可能なプレミアムモビリティプロバイダーへの変革を加速させるための道を歩んでいます」という点を強調する。
■eモビリティへの道のりに関するロードマップ
2020年代の終わりまでに、アウディは世界中のすべての拠点で電気自動車を生産する予定だ。そして2029年には、すべての生産拠点で少なくとも1つの電気自動車モデルが生産される想定だという。
また地域の状況に応じ、内燃エンジン搭載モデルの生産は、2030年代の初めまでに段階的に廃止されるという。
■生産性向上を進めるための変革
将来の生産を効率的なものにするために、アウディは2033年までに年間の工場関連コストを半分に削減したいと考えているという。
将来、アウディは新たなソリューション、独立したモジュラーアセンブリも使用して、製品の多様性を保ちながら、生産作業をシンプル化する予定だ。
バーチャルアセンブリー計画は、素材のリソースを節約するだけでなく、様々な場所で革新的かつ柔軟な協力関係の構築を可能にするという。
■柔軟で持続可能な生産
アウディは現在「360factory」の過程で、2030年までに、一次エネルギー消費量、発電所からの排出、CO2換算値、大気汚染物質、地域の水リスク、廃水および廃棄物量を含む絶対的な環境への影響を、2018年の数値と比較して半分に削減することを目指しているという。
■社内と社外の両方で魅力的な企業に
ウォーカー氏は「私たちは、すでに在籍している従業員だけでなく、すべての応募者、学生、専門職にとって最高の雇用主になりたい」また「360factoryへの変革には、エレクトロニクスやソフトウェア開発など、一般的に生産に関連しない分野であっても、高い能力が必要です」と述べている。
インゴルシュタット工場は、アウディ初の包括的な360factoryとして、世界中にあるアウディの大規模生産工場変革の設計図となっているという。今後、他の工場でも、段階的に変革に取り組む予定だ。
(Text Toru Matsumura)