2022年6月25日〜26日、岡山国際サーキットで「TCRジャパンシリーズ2022 Round 2」が行われ、Cupra TCRのHIROBON選手がSaturdayシリーズとSundayシリーズの2レースを制した。
2L以下の直噴ターボエンジンを積むFF車の「TCR車両」で争われるこのツーリングカーレース、岡山の第2ラウンドには、Audi RS 3 LMSが3台、Cupra TCRが1台、ALFA ROMEO GIULIETTA Veloce TCRが1台、Honda CIVIC TCRが3台の計8台がエントリーした。なお、Cupraはフォルクスワーゲン グループの「Seat(セアト)」のスポーツカーブランドであり、TCR参戦車両に関しては、Cupra TCRとAudi RS 3 LMSが同じファクトリーでつくられている。
TCRジャパンシリーズの各ラウンドは、「Saturdayシリーズ」と「Sundayシリーズ」で構成され、15分間の公式予選と、23分+1LAPの決勝レースが、それぞれ行われる。
Saturdayシリーズ
6月25日の午後1時からは、Saturdayシリーズの決勝が行われた。ポールポジションはCupra TCRを駆る#19 HIROBON選手が獲得。これに、ALFA ROMEO GIULIETTA Veloce TCRの#73 大蔵峰樹選手、Honda CIVIC TCRの#98 猪爪杏奈選手が続いた。
スタートではハプニングが! フォーメーションラップ後、ポールポジションの#19 HIROBON選手(Cupra)がスターティンググリッドの位置を間違え、それにつられてほとんどのマシーンが誤ったスターティンググリッドに着いたことから、再度フォーメーションラップが行われる事態になったのだ。
エクストラフォーメーションラップで仕切り直されたレースは、2番グリッドからスタートした#73 大蔵選手(ALFA)がトップを奪い、これを#19 HIROBON選手(Cupra)、#98 猪爪選手(Honda)、#55 MOTOTINO選手(Honda)が追う展開に。
しかし、周回を重ねると、トップ争いは#73 大蔵選手(ALFA)と#19 HIROBON選手(Cupra)の一騎打ちに。#19 HIROBON選手(Cupra)はタイヤを労りながら#73 大蔵選手(ALFA)にプレッシャーをかけ続け、満を持して仕掛けた10周目にトップを奪う。
そして、終盤、マシントラブルで#73 大蔵選手(ALFA)が順位を落とし、#98 猪爪選手(Honda)が2位に、#55 MOTOTINO選手(Honda)が3位にそれぞれポジションアップ。レースはこの順位をゴールを迎え、#19 HIROBON選手(Cupra)は今シーズンのSaturdayシリーズで初優勝を果たした。
Audi勢は、#19 鈴木建自選手が5位、#24 滝川 聡選手が6位でそれぞれ完走。#65 加藤正将選手はサクセスバラストの重量不足で失格となった。
Sundayシリーズ
6月26日の午後0時10分からは、Sundayシリーズの決勝が行われた。午前中に行われた予選では、#98 猪爪選手(Honda)が初のポールポジションを獲得。2位が#19 HIROBON選手(Cupra)、3位が#73 大蔵選手(ALFA)の順。
スタートでは#19 HIROBON選手(Cupra)が#98 猪爪選手(Honda)に先行。さらにこの2台を#73 大蔵選手(ALFA)がかわし、ホールショットを奪う。しかし、#19 HIROBON選手(Cupra)は1周目のヘアピンコーナーでトップに立ち、これを#73 大蔵選手(ALFA)を追う展開に。ところが、レース開始後、#73 大蔵選手(ALFA)はジャンプスタート(フライング)と判定され、ドライブスルーペナルティが科せられてしまい、優勝争いから離脱することになる。
これにより#19 HIROBON選手(Cupra)は独走状態になり、最終的には2位に9秒176の差をつけて、Sundayシリーズでの2連勝を挙げる結果になった。#55 MOTOTINO選手(Honda)が2位を、#98 猪爪選手(Honda)が3位をそれぞれ手に入れている。
Audi勢では#65 加藤選手は4位、#19 鈴木選手は5位、#24 滝川選手は8位でそれぞれ完走した。
次の第3戦は、7月23日〜24日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by TCR Japan)
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