【SUPER GT Rd.4 Motegi】2台のAudi R8 LMSがともに完走

2021年7月18日、栃木県のツインリンクもてぎにおいて、2021 AUTOBACS SUPER GT第4戦「MOTEGI GT 300km RACE」の決勝レースが行われた。

5月下旬に鈴鹿サーキットで予定されていた第3戦が8月に延期になり、もてぎの第4戦が先に行われることになった。Audi勢はこれまでどおり、Audi Team Hitotsuyamaの21号車が川端伸太朗選手と篠原拓朗選手、Team LeMans with Motoyama Racingの6号車が本山 哲選手と片山義章選手という布陣で臨む。

決勝前日の7月17日にはノックアウト方式の予選が行われ、Q1のA組に臨んだ21号車の川端選手は、セットアップの修正が予選までにまにあわず、ベストラップの1分49秒366は15台中12番手に留まり、惜しくもQ1を敗退。決勝は24番グリッドからのスタートに。

一方、Q1 B組の6号車の本山選手は、1分49秒159をマークするが、8番手まではわずかコンマ246秒及ばず、14台中10位で惜しくもQ2進出を逃した。決勝は19番グリッドからのスタートが確定している。

翌18日の午後1時10分からは、63周、300kmのレースがスタートする。真夏の青空が広がるツインリンクもてぎは、気温33℃、路面温度が51℃という暑さに見舞われ、厳しいレースが予想された。

21号車は篠原選手がスタートを担当。オープニングラップでポジションをひとつ上げたあと、混雑する下位集団のなかで着実に周回を重ねた篠原選手は11周終了時には20位に浮上。20周を過ぎ、ライバルが続々とピットストップを行うなか、自分の走りを取り戻した篠原選手は速いペースを維持し、28周が終わったところで川端選手にステアリングを託す。

川端選手はコース復帰後ほどなくして2台をオーバーテイクし、全車がピットストップを終えた38周終了時点で13位に浮上。その後も攻めの走りを続け、48周目には11位となり入賞が目前となった。しかし、さらに1つポジションを上げることは叶わず、11位でフィニッシュ。その後、FCY中の減速違反によりタイム加算40秒のペナルティが科された21号車は、最終的には16位でレースを終えることになった。

レース後、Audi Team Hitotsuyamaのチーム代表を務める一ツ山亮次氏は、「6月にもてぎで行われたタイヤテストで、いいセッティングがみつかったので、自信を持ってレースに臨んだのですが、公式練習でさらにアグレッシブなセッティングを試したことでリズムが狂ってしまい、予選では結果を出せませんでした。決勝では改善した結果、篠原選手もタイヤをうまく使って、ぎりぎりまで長く走ってくれたましたし、川端選手もチームベストのタイムの走りを見せてくれました。優勝経験もある次の鈴鹿では、しっかりとポイントを取りたいと思います」と語っている。

一方、6号車は片山選手が第1スティントを担当。オープニングラップで1つ順位を落としたものの、その後は速いペースで追い上げを見せ、19周終了時には17位に。ところが、そのあたりからタイヤのグリップがダウンし、ペースを落としてしまう。

25周を終えたところで本山選手にドライバー交替。ところがハードタイヤの選択が裏目に出て思うようにペースが上がらない。そんなマシンと格闘しながらも着実に周回を重ねた本山選手は20位でフィニッシュしている。

レース後、本山選手は、「今シーズン、3戦を終えてクルマのフィーリングも、チームのまとまりも改善されてきており、相対的なポジションとしてはもちろんまだまだですが、予選に関しては現状のベストパフォーマンスを出せたと思います。決勝レースに関しては、ピットインのタイミングやタイヤのチョイスなど、反省点はありますが、そこで見えた課題を次にむけて改善していきます。鈴鹿は個人的に好きなコースですし、目に見えるかたちでベストな結果を出して、後半につなげたいと思っています」と次戦への意欲を示した。

レースは、GT300クラスは2号車のmuta Racing Lotus MC（加藤寛規／阪口良平組）が、GT500クラスは1号車のSTANLEY NSX-GT（山本尚貴／牧野任祐組）がそれぞれ優勝を果たしている。

延期された次の第3戦は、8月22日、三重県の鈴鹿サーキットで決勝が行われる。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by GTA, Audi Japan)