2021年6月22日、AUDI AGはデビューが迫る新型「Audi RS 3」にリヤアクスルのトルクベクタリング機構「RSトルクスプリッター」を搭載することを明らかにした。

画像: 新型Audi RS 3 prototype

新型Audi RS 3 prototype

横置きエンジンレイアウトを採用するAudi A3/S3シリーズのquattroは、リヤアクスルの電子制御油圧多板クラッチにより前後トルク配分を行っている。Audi RS 3についても従来型は同じ方式を採用してきたが、新型では「RSトルクスプリッター」と呼ばれるデバイスにより、さらに高度なquattroを実現する。

リヤアクスルに搭載されるRSトルクスプリッターは、2個の電子制御湿式多板クラッチによりエンジンのトルクを前後に配分するだけでなく、リヤアクスル左右のトルク配分を自在にコントロールすることが可能。これにより、たとえばカーブではリヤの外輪により多くのトルクを配分することで、アンダーステアを解消し、安定したコーナリングを実現する。

直線を巡行する場面では、リヤの2つのクラッチを開放することでフロントアクスルのみにトルクを伝えて、燃料消費を抑制することが可能だ。

画像3: 新型「Audi RS 3」にRSトルクスプリッターを搭載

さらに、サーキット走行する場合、「RSトルクリヤモード」を選択すると、リヤアクスルに配分されるトルクのすべてをリヤ外輪に100%配分して、ドリフトを容易にする。

画像: 新型Audi RS 3 Sedan prototype

新型Audi RS 3 Sedan prototype

RSトルクスプリッターによるトルクベクタリングは、VWの「Rパフォーマンス トルクベクタリング」と同じデバイスを用いていると思われ、縦置きエンジンレイアウトを採用するS/RSモデルのリヤスポーツディファレンシャル同様、よりスポーティな走りをもたらすことが予想される。新型Audi RS 3の走りがどう進化するのか気になるところだ。

(Text by Satoshi Ubukata)

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