「Audi A1 Sportback」の主力グレードとして、2020年6月に追加された「Audi A1 Sportback 25 TFSI」に試乗。1.0 TFSIを積むエントリーグレードの走りは?
アウディ ジャパンでは、2019年11月に2代目となる「Audi A1 Sportback」を導入しているが、当初は1.5Lエンジンの「35 TFSI」のみの販売だった。旧型では1.0Lエンジン搭載グレードが販売の9割を占めており、この「25 TFSI」の導入が待ち望まれていた。
Audi A1 Sportback 25 TFSIには、最高出力70kW(95ps)/5,000〜5,500rpm、最大トルク175Nm/2,000〜3,500rpmの1.0L直列3気筒ガソリンターボエンジンが搭載される。組み合わされるトランスミッションは乾式単板クラッチの7速Sトロニックだ。
1.0 TFSIを積む旧型Audi A1が必要十分な加速性能を備えていただけに、新型でもその走りに不安はなかったが、実際に運転してみると期待どおりの仕上がりを見せていた。
走り出しから軽快感のあるAudi A1 Sportback 25 TFSIは、2,000rpm以下の回転域でも必要十分なトルクを発揮し、街中での加速にストレスはない。高速道路の合流などでは、アクセルペダルを踏み込むことで、4,000rpmを超えたあたりまで、スムーズな加速が続いていく。1.0Lと小排気量だけに鋭さはないが、加速性能に不満を覚えることはないはずだ。
一方、乗り心地は、燃費志向のタイヤに多少ゴロゴロとした感触があり、目地段差を越えたときなどに軽くショックを伝えてくることもあったが、全体としてはマイルドな乗り心地で、サスペンションの動きもしなやか。高速走行時のフラット感や直進安定性もまずまずで、バランスの良い仕上がりを見せる。
気になったのが、常用する2,000rpm以下で、3気筒エンジン特有のノイズと振動がそれなりに伝わってくること。7速、100km/h走行時のエンジン回転数は約2,200rpmで、このへんまでエンジン回転が上がってくると気にならないのだが、街中中心の走行だと、多少耳障りかもしれない。
ただ、ノイズは振動については慣れもあるので、あまり気にならないという人には、このAudi A1 Sportback 25 TFSIは、これからAudiを始めるには狙い目の一台といえるだろう。
(Text & photos by Satoshi Ubukata)