走行距離26万km超のB7型「Audi RS 4 Avant」に、ビルシュタインのローダウン&車高調キットを装着し、リフレッシュを図る。
このAudi RS 4 Avantのオーナーは、「SPEED HUNTERS」のエディターを務めるディーノ ダッレ カルボナーレ(Dino Dalle Carbonare)さん。1976年にイタリアに生まれ、1993年、17歳のときに初来日した。その後、イギリスのロンドン大学を卒業し、現在は日本に在住している。
ここで、SPEED HUNTERSについて簡単に説明しておくと、SPEED HUNTERSはカーカルチャーの情報を発信するウェブサイトだ。母体となるのは、アメリカはカリフォルニアに本拠を置くゲームソフト会社「エレクトリック・アーツ」社。同社が手がけるカーアクションゲーム「NEED FOR SPEED」と連動して、クルマの情報を提供するのがSPEED HUNTERSである。
日本在住のディーノさんは、日本車や日本のチューニング事情をヨーロッパやアメリカに発信するとともに、NEED FOR SPEEDの開発者向けに日本車の情報などを提供している。
愛車のAudi RS 4 Avantについてディーノさんは、「このクルマは10万kmで購入した中古車ですが、本当に走りが楽しくて、乗り換えようと思っても、これに代わるクルマが見当たらないです。ステーションワゴン、自然吸気のV8エンジン、マニュアルトランスミッション……こんなクルマはもはや新車では選べません。アナログ世代最後のスポーツカーですね」と話す。
そのコンディションは、「実は16万kmでダンパーを交換しているので、それほど悪いコンディションではないのですが、このタイミングで足まわりのグレードアップをして、これからさらに楽しみたいと思ったのです」(ディーノさん)
そこで選んだのが、ビルシュタインのローダウン&車高調キット「B16」だった。ビルシュタインを選んだ理由は、「サスペンションといえばビルシュタインというくらい、クルマ好きの間では知られているブランドだからです。同社は、アフターマーケット用に、Audiをはじめ、さまざまなブランド向けサスペンションを提供していますし、世界の自動車メーカーにもOEM供給する信頼のブランドです。チューニングを考えている人が『何を選ぼう?』というときに、価格の安さだけで品質に不安がある商品を手にする人もいますが、安全性を考えて、私たちは信頼できる高品質のパーツを勧めています」(ディーノさん)
装着するB16は、ハイパフォーマンスカー向けのローダウン&車高調キットで、約50mmのローダウン化が図られるとともに、10段階の減衰力設定が可能。スポーティな走りから快適なドライブまで、ドライバーの好みにあわせて使用できる。
さらに今回は、サスペンションアーム(ブッシュを含む)やスタビライザーを交換すること、走りのグレードアップを図りたい考えだ。
足まわりのリフレッシュ作業は、フォルクスワーゲン/アウディの専門ショップ「maniacs STADIUM」で行われた。
Audi RS 4 Avantの場合、サスペンションにDRC(ダイナミック・ライド・コントロール)と呼ばれる油圧システムが搭載されているので、まずはこれをキャンセルするところから作業はスタート。その後、スプリングとダンパーに加えて、前後サスペンションアームやスタビライザー、マウント類の交換などを実施。最後にアライメント調整を行い、約半日でAudi RS 4 Avantの足まわりのリフレッシュは完了した。
それから約1カ月、ディーノさんからこんなコメントが届いた。
「B16 ビルシュタインサスペンションを試乗した感想ですが、コンフォートな乗り心地とスポーティなハンドリングの素晴らしい組み合わせだと思います。
首都高速の継ぎ目では激しい跳ね返りではなく、上手くショックを吸収して走行することができ、ダンパーの反応が非常に優れています。純正と比べるとステアリングの反応が良くなり、車両の持っている良さを最大限に高めていると感じました。
ダイヤルで減衰力調整ができますが、一番減衰力が高い設定はワインディングロードがあっていると思います。小さい子供と一緒のときは、一番減衰力が低い設定があっています。
現在私は中間の減衰力設定で楽しんでいますが、このように減衰力調整ができて、さまざまな乗り味を楽しめるのもB16の強みだと思います」
26万kmを超えているAudi RS 4 Avantのオドメーターは、まだまだ増え続けそうだ。
(Text & photos by Satoshi Ubukata)
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