【SUPER GT Rd.2 Fuji】Hitotsuyama Audi R8 LMSがトラブルを撥ねのけ今季初入賞

2019年5月4日、静岡県の富士スピードウェイにて2019 AUTOBACS SUPER GT Round 2「FUJI GT 500km RACE」の決勝が行われ、Hitotsuyama Audi R8 LMSは一時トラブルで順位を大きく下げたものの8位でゴール、今季初入賞を果たした。

10連休という超大型連休に開催された人気のイベントには、予選日の3日が3万5800人、決勝日の4日には5万6000人の計9万1800人が訪れた。まずは3日の午後に、ノックアウト方式の公式予選が行われた。

29台がエントリーするGT300クラスのなかで唯一Audiを駆るAudi Team Hitotsuyamaは、リチャード・ライアン選手と富田竜一郎選手に加えて、アレッシオ・ピカリエロ選手をCドライバーとして起用している。

Q1は富田選手が担当。アタック2周目、途中まで自己ベストを更新していた富田選手だったが、最終セクターでアウトラップのマシーンに行く手を阻まれタイムロス。1分37秒811というタイムで21番手に終わり、予想外のQ1撤退となった。

4日は、前日同様、朝から好天に恵まれた富士スピードウェイだったが、昼前から急に雲が広がり、決勝スタートを前に雨が降り出した。

その後、雨脚は強まり、今回も岡山に引き続き、セーフティカー先導によるスタートに変更された。

#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、ライアン選手がスタートドライバーを担当。レースは2周のセーフティカーランののちに実質的な戦いがスタートするが、雨脚はさらに強まるばかりで、安全上の理由からスタートから約25分でセーフティカーを導入。さらにセーフティカーラン中にスピンする車両がでたりしたことから、レースは赤旗により一時中断となった。

岡山での開幕戦を彷彿とさせる展開だが、さいわい30分ほどでレースが再開。ここからライアン選手の怒濤の追い上げが始まり、レース中断前まで21位だった順位は、23周目にはポイント圏内の10位まで浮上した。

そして34周が終了したところで、ドライバーをピカリエロ選手に交替。コース上はまだ濡れた部分が多かったが、他に先んじてドライタイヤを履かせて#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSをコースに戻した。

この判断が見事的中し、ピカリエロ選手も速いペースで次々とライバルをオーバーテイク。レースのほぼ折り返しとなる51周目には6位まで順位を上げることに成功した。ところが、56周目の途中で突然左リヤタイヤがバーストしスローダウン。さいわいピットまで戻ることはできたものの、約30秒をロスしてしまう。

ピットではタイヤを交換するとともに、富田選手にドライバーを交替して、マシーンをコースに送り出した。ただ、ピットストップが予定より早いタイミングとなってしまったため、最後まで燃料がもたない計算。そこで、富田選手は燃費走行を強いられることになる。にもかかわらず、富田選手は上位マシーンなみのラップタイムで周回を重ね、レース終盤には10位までポジションを回復。そして残り数周というところで、燃料の残量を見計らってペースをアップ。最終的には8位まで順位を上げ、今季初入賞をチームにもたらした。

一方、ファイナルラップまでもつれこんだGT300クラスのトップ争いは、#11 GAINER TANAX GT-R（平中克幸／安田裕信）がなんとか逃げ切った。

#9 PACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE（横溝直輝／峰尾恭輔）は、スタート位置の25番手から3つ順位を上げて22位で完走している。

次戦の第3戦「SUZUKA GT 300km RACE」は、5月26日に鈴鹿サーキットで開催される。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, GTA)