2019年2月16日、メキシコシティでフォーミュラE第4戦が開催され、「Team Audi Sport ABT Schaeffler」のルーカス・ディ グラッシが、チームに今シーズン初勝利をもたらした。
2番グリッドからスタートしたディ グラッシは、前半はエネルギーをセーブし、終盤に追い上げる戦略をとった。この作戦が功を奏し、終盤に2番手に順位を戻したディ グラッシは、最終ラップのゴール直前にトップを走っていたパスカル・ウェーレイン（マヒンドラ）をオーバーテイク、通算9勝目を挙げた。
一方、予選21番手と苦しい展開となったダニエル・アプトも、徐々にポジションを上げて、最終的には10位でゴールし、貴重なポイントを獲得している。
レース後、ディ グラッシは、「今日のレースは、私のフォーミュラEキャリアの中で、おそらく最高のレースだった思います。レース序盤は、エネルギーを節約するため、冷静に走ることに徹しました。メキシコシティのサーキットは、オーバーテイクが非常に難しいので、そうすることで終盤に勝負をかけることができます。オリバー ローランドは、アタックモードを使っていましたが簡単にパスすることができました。トップを走行するパスカル ウェーレインは、非常にアグレッシブな走りでポジションを死守していました。それでも、なんとか最後の最後に彼をかわして勝利を収めることができました。アドレナリン全開で猛烈なアタックをしかけて、うまくいったことが信じられないくらいです。このような素晴らしいマシンを仕上げてくれた、Audi Sportのスタッフ全員に感謝したいと思います」と述べた。
アウディ モータースポーツ代表のディーター・ガスは、「フォーミュラEは、最後の瞬間まで何が起こるか分からないレースです。今日はまさに、信じられないような結末となりました。これほど僅差のオーバーテイクは、これまで見たことがありません。メキシコシティのコースは、どこを走っていてもオーバーテイクすることは不可能に近いサーキットです。本当に素晴らしい結果です。チームの全員に感謝します」とコメントしている。
フォーミュラE第5戦は、3月10日に香港で開催される。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Audi Sport)
