短時間ながら、デビューからまもない注目の2台に試乗することができた。2台目は、フルモデルチェンジで生まれ変わった「Audi RS 4 Avant」だ。
Audi RS 4 Avantは、Audi Sportが手がけるハイエンドスポーツシリーズの「RSモデル」を代表するクルマだ。RSモデルの起源となる「Audi RS2」の流れを汲む、圧倒的速さを誇るAvantである。
新型Audi RS 4 Avantの概要はこちらのニュースをご覧いただくとして、ボンネット下に収まるのは、2.9L V6ツインターボの2.9 TFSI。最高出力331kW(450ps)/5700〜6700rpm、最大トルク600Nm(61.2kgm)/1900〜5000rpmを発揮し、これに8速ティプトロニックとセルフロッキングディファレンシャル式のquattroが組み合わされている。
さっそくその実力を試したいところだが、試乗当日はあいにくの雨に見舞われ、のんびりと走るに留まった。しかし、雄々しいサウンドとともに湧き上がる強大なトルクや、それをしっかりと受け取るquattroの頼もしさを感じ取ることができた。
乗り心地も、アウディ ドライブセレクトで「Dynamic」を選んでしまうと明確にショックを伝えてくるが、「Auto」を選んでおけば十分に文化的。これなら、ふだん使いが苦にならない。
自慢のパワーとハンドリングが試せなかっただけに、機会がみて改めて試乗車を借りだし、その魅力を探りたいと思う。
ちなみに、Audi RS2はAudiとポルシェのコラボレーションによって生まれたクルマだったが、現代のAudi RS 4 Avantでもポルシェとの関連性を見つけ出すことができる。実は搭載される2.9 TFSIエンジンはAudiとポルシェが共同で開発したものなのだ。新型「カイエンS」に搭載される2.9L V6エンジンは、Audi RS 4に比べてスペックが少し低めだが、実はAudiのジュール工場製である。
フォルクスワーゲン グループでも、これから電気自動車のデビューが相次ぐが、気持ちの良いエンジンはまだしばらく堪能できそうだ。
(Text & photos by Satoshi Ubukata)