雪の予報に一喜一憂する2013年の冬、スタッドレスタイヤを履き、備えは万端なんですが、雪道のドライブはいまひとつ自信がありません。そこで修行のために訪れたのが......。
長野県は立科町にある「女神湖」。ウインタードライビングレッスンのメッカとして、知る人ぞ知る場所です。
ここで、アウディ ジャパン販売が主催する「Audi driving experience (ADE)」が行われると知り、つたないウインタードライビングテクニックを磨き、少しでも自信が持てたらいいなぁ......という思いから参加を決意しました。
この日のプログラムは午前9時にスタート。1時間の昼食をはさんで午後4時までスケジュールがびっしりと組まれています。ちなみに、参加者は30名。約120名の応募があったということですから、人気のほどがうかがえます。
レッスンカーは、S7やS4といった縦置きエンジンのクワトロが5台と、FFのA1スポーツバックが5台の計10台。これに1組3名のグループが分乗して、さまざまな課題に挑戦していきます。
クワトロ編ではまず、女神湖の氷上に設けられたスキッドパッドでアンダーステアとオーバーステアを体験。アンダーステアは、ステアリングを切ってもクルマが曲がらず外に膨らんでしまう現象。これは、オーバースピードやステアリングの切りすぎが原因で起こりますが、グリップの低い氷雪路では低いスピードでもすぐにアンダーステアが発生してしまいます。
アンダーステアがわかったところで、今度はコーナリング中にアクセルペダルを踏んでみます。するとリアが滑り出してクルマは内側に切り込んでいきます。これがオーバーステアの状態です。
氷雪路での挙動を理解したところで、午後にはドリフトコントロールに挑戦! アンダーステアが出ていない状況からアクセルペダルをポンと踏んでオーバーステアの状態をつくり、あとはステアリングとアクセルのコントロールによりパイロンのまわりを滑るように旋回するテクニックです。
前後輪の駆動力をうまくバランスさせるときれいな円を描くのですが、これがなかなか難しい! 何度もトライしましたが、マスターするまでには至りませんでした。もう少し時間があればなぁ......悔しい!
一方、FFのA1スポーツバックでは、氷雪路でのブレーキングを体験。安全な場所でフルブレーキングすると、ABSがついていてもそう簡単にはクルマは止まりません。それでも、ABSのおかげで、ブレーキング中にステアリングが操作できます。障害物があっても、運が良ければステアリング操作でそれを回避できるかもしれません。最後まで諦めないことが大切です。
左の写真は別のレッスンのひとこま。よく見ると、前輪は回っていますが、後輪は止まっているのがわかります。これは、運転中にサイドブレーキを引いているからです。カーブの途中でサイドブレーキを引くと、クルマがゆっくりスピンして向きが変わります。サイドブレーキでオーバーステアを発生させているのです。
なぜこんなことをするかというと、たとえばカーブを曲がるとき、アンダーステアが出てしまい、そのままではノーズから壁やガードレールに突っ込んでしまう状況に直面したとします。何もせずに突っ込んで、エンジンやラジエターなどが破損し、クルマが自走できなくなっては大変。場所によっては生死にかかわります。しかし、壁にぶつかるのがボディサイドやリアなら、その後も走り続けることは可能かもしれません。ということで、オーバーステアを出すことにより、最悪の事態を免れようというわけです。
そうこうしているうちに、レッスンが終了。楽しみながら、ウインタードライビングテクニックを学ぶことができました。同乗した他の参加者も終始笑顔を絶やさず、楽しんでいたのが印象的です。
開催は2月11日。僕は、中央道の諏訪インターから白樺湖をかすめて女神湖に向かいましたが、途中から路面に雪が残っています。そして、女神湖周辺はすっかり雪に覆われていました。車載の外気温計にはマイナス8度の数字。これは絶好のADE日和です(笑)
この日のプログラムは午前9時にスタート。1時間の昼食をはさんで午後4時までスケジュールがびっしりと組まれています。ちなみに、参加者は30名。約120名の応募があったということですから、人気のほどがうかがえます。
レッスンカーは、S7やS4といった縦置きエンジンのクワトロが5台と、FFのA1スポーツバックが5台の計10台。これに1組3名のグループが分乗して、さまざまな課題に挑戦していきます。
クワトロ編ではまず、女神湖の氷上に設けられたスキッドパッドでアンダーステアとオーバーステアを体験。アンダーステアは、ステアリングを切ってもクルマが曲がらず外に膨らんでしまう現象。これは、オーバースピードやステアリングの切りすぎが原因で起こりますが、グリップの低い氷雪路では低いスピードでもすぐにアンダーステアが発生してしまいます。
実技ではまず、スタビリティコントロール(ESC)をオフにして実際にアンダーステアを体験します。たとえば、クルマが曲がらない状態からステアリングを戻してやるとグリップが回復するのです。曲がらないからといってステアリングを切り増すのは逆効果! 戻す勇気がリカバリーにつながるというわけです。
アンダーステアがわかったところで、今度はコーナリング中にアクセルペダルを踏んでみます。するとリアが滑り出してクルマは内側に切り込んでいきます。これがオーバーステアの状態です。
氷雪路での挙動を理解したところで、午後にはドリフトコントロールに挑戦! アンダーステアが出ていない状況からアクセルペダルをポンと踏んでオーバーステアの状態をつくり、あとはステアリングとアクセルのコントロールによりパイロンのまわりを滑るように旋回するテクニックです。
前後輪の駆動力をうまくバランスさせるときれいな円を描くのですが、これがなかなか難しい! 何度もトライしましたが、マスターするまでには至りませんでした。もう少し時間があればなぁ......悔しい!
一方、FFのA1スポーツバックでは、氷雪路でのブレーキングを体験。安全な場所でフルブレーキングすると、ABSがついていてもそう簡単にはクルマは止まりません。それでも、ABSのおかげで、ブレーキング中にステアリングが操作できます。障害物があっても、運が良ければステアリング操作でそれを回避できるかもしれません。最後まで諦めないことが大切です。
左の写真は別のレッスンのひとこま。よく見ると、前輪は回っていますが、後輪は止まっているのがわかります。これは、運転中にサイドブレーキを引いているからです。カーブの途中でサイドブレーキを引くと、クルマがゆっくりスピンして向きが変わります。サイドブレーキでオーバーステアを発生させているのです。
なぜこんなことをするかというと、たとえばカーブを曲がるとき、アンダーステアが出てしまい、そのままではノーズから壁やガードレールに突っ込んでしまう状況に直面したとします。何もせずに突っ込んで、エンジンやラジエターなどが破損し、クルマが自走できなくなっては大変。場所によっては生死にかかわります。しかし、壁にぶつかるのがボディサイドやリアなら、その後も走り続けることは可能かもしれません。ということで、オーバーステアを出すことにより、最悪の事態を免れようというわけです。
クワトロならアクセル操作でオーバーステアがつくれますが、FFでは難しいのでサイドブレーキを使います。さらに、サイドブレーキを上手く使えば、積極的にクルマの向きをコントロールすることができるようになります。
というわけで、仕上げはA1スポーツバックでスラローム走行。これがなかなかエキサイティング! もちろん、クワトロでのドライビングも楽しいんですが、FFモデルのオーナーとしては、この体験はとても貴重でした。
そうこうしているうちに、レッスンが終了。楽しみながら、ウインタードライビングテクニックを学ぶことができました。同乗した他の参加者も終始笑顔を絶やさず、楽しんでいたのが印象的です。
僕としてはクワトロのドリフトコントロールがマスターできなかったのが心残りですが、雪に対する過剰な恐怖心が和らぎ、余裕を持って運転できるようになったのが大きな収穫でした。
次回は絶対にドリフトコントロールをマスターしたい......そう心に誓い、氷点下の女神湖を後にしました。
(Text by Satoshi Ubukata)